灼熱の夏も快適に! 刺さる超冷感 HYOON EX | NEW PRODUCT TALK | p1

INDEX

●冷感ウェアHYOONに新たな機能をプラス！ HYOON EXの機能を徹底解剖
　・吸熱冷却の素材キシリトール、エリスリトール
　・冷感刺激の新素材特殊メントール
　・涼しさ徹底比較従来品 vs HYOON EX
　・機能が長続き抜群の洗濯耐久性！
●ちょっと工夫で大活躍！便利ワザ紹介

暑い夏がやってきた。夏の日差しは強烈で、とくにアウトドアでのレジャーにおいて太陽光線を甘く見ることはできない。半袖半パンで釣りをしようものなら日焼けの痛みで風呂に入れなくなることもある。さらには皮膚がんなど後々の危険もある。男性でもフェイスマスクや長袖シャツで日焼けから肌を守るのはもはや一般的で、近年の冷感素材のウェアなくして快適に釣りはできなくなりつつあるのだ。

今回はハヤブサのウェアブランドFREEKNOT（フリーノット）から発売された、進化した冷感ウェアシリーズ「HYOON EX（ヒョーオンイーエックス）」についてアパレル開発担当者・山口氏に聞いてみた。

冷感ウェアHYOONに新たな機能をプラス！
HYOON EXの機能を徹底解剖

では早速、「HYOON EX」とはどんな商品なのかうかがっていこう。

山口さん：「HYOON EXのことをお話する前にHYOON（ヒョーオン）シリーズについてご説明しますね。HYOONはハヤブサが2015年から展開している冷感ウェアシリーズなんですが、今回、よりよいものができましてHYOON EXにバージョンアップしたんです」

HYOON EX アンダーシャツ
価格：7,000円（税抜き）※3Lのみ7,500円（税抜き）、サイズ：SS／S／M／L／LL／3L、カラー：ブラック／ライトグレー　

吸熱冷却の素材
キシリトール、エリスリトール

「以前からキシリトールとエリスリトールという冷感素材を使っていたんですが、それに特殊メントールをプラスすることで更なる快適さを実現しました！　これが従来品との大きな違い、新しくなったポイントです」

つまり、新たな成分が追加されて効果がアップしたということのようだ。
では、それぞれの成分の特長や効果はどうなのだろう？

「まずは冷却のメカニズムからご説明しましょう。従来品から採用されている成分キシリトール、エリスリトールについてです。
これらは甘味料として知られる物質になりますが水分、例えば汗ですね、それと反応すると吸熱反応を起こします。物体が水に溶けるときには物体から熱がでるんですが、キシリトール、エリスリトールに関しましては熱を吸い取る力がそれを上回るんです。汗を吸い込むときに肌表面の熱も大幅に吸い取るので冷たく感じるんです。
つまりこの成分に関しては、実際に温度を下げる効果があり吸熱冷感という機能を生み出します」

冷感刺激の新素材
特殊メントール

しかし、ここまでは従来品「HYOON」にも備わっていた。一方、新しく採用された特殊メントールはどんな効果があるのだろうか。

山口さん：「キシリトール、エリスリトールと違いメントール系の素材はかんたんに言うと刺激物です。
人間には温度を感知するセンサーが9個ありまして、そのうちの1つに「M8」というセンサーがあります。それがメントールを感じるセンサーになっていて、特殊メントールがセンサーを刺激します。すると脳がその刺激を冷たいと感じてしまうんです。つまり実際には体温は下がらないんですが、脳に冷たいという信号を持続して送ることで、実際の温度よりも低く感じるんです」

そう、脳が騙されるのだ。

「それとデザイン面の話になりますが、アンダーシャツ関係は一般的にピタっとタイトに着るものが多いなか、HYOON EXのアンダーシャツはルーズ目に設定しています。
ずっと密着していると冷感も鈍くなってきますから、肌と生地が離れたり触れたりすることでより冷感を体感できるようにした工夫です。コンプレッションインナー的なものよりロンT的な感覚ですね」

肌に触れたときのヒヤッとする感覚をより活かす工夫がなされているというわけだ。

涼しさ徹底比較
従来品 vs HYOON EX

実際に温度を下げる機能に加え、感覚的に冷たく感じる成分が加わった。
そのことで、従来品と比較してどのくらい性能が向上したのだろうか？

「従来品との比較に際して、『Q-MAX』という最大熱吸収速度を計測した値がありまして、肌から物体への熱の移動量を数値化したものなんですが、数値が高いほどより冷たく感じるといえます。
従来品と今回新しく出したHYOON EXのこれら数値を比較すると、従来品が乾燥時0.250Q-MAXに対し、HYOON EXは0.313Q-MAX。湿潤時には、0.501Q-MAXに対して0.930Q-MAXと大幅にアップしています。一般的な冷感素材の寝具でも0.5Q-MAXぐらいが多いので、今回のHYOON EXの効果の高さがお分かりいただけるんじゃないかと思います」

つまり、従来品に比べ潤湿時に最大で1.85倍もひんやりと感じるということだ。

さらに山口さんは、「一般的に冷感素材のウェアにはキシリトール、エリスリトールがよく使われていますがメントールを使ったウェアはまだあまりないかと思います。
キシリトール、エリスリトールは水分がなければ効果がないんですが、そのような場合でもメントールで涼しさ感じることができるというわけです」と続けてくれた。

一般的な冷感ウェアのさらに一歩先にいくウェアなのである。

機能が長続き
抜群の洗濯耐久性！

さて、他にはどんな改良があるのだろうか。

「裏地ですね」

裏地？　確かに裏地にはハニカム柄の模様が入っているが、これはいったい…。

「この模様に先程ご説明した成分が入っています。今までのHYOONは生地に冷感成分をコーティングしていました。なので、洗濯する際に少しずつ成分が取れてしまい30回の洗濯で機能が約70%ぐらいになってしまう。
でもHYOON EXはその成分を裏地にプリントすることで、さらに洗濯耐久性を高めたんです。テストでは50回洗濯しても問題ありませんでした」

これならガンガン着てガンガン洗濯できるということだ。

ちょっと工夫で大活躍！
便利ワザ紹介

ここまで、山口さんに従来品との違いを語ってもらったが、それ以外の機能や利点についても聞いてみたところ、「他には遮熱やUVカット、動きやすい4WAYストレッチといった基本的な性能も備えています」とのこと。これは当然夏の釣りに欲しい機能だ。

また、「その他にも便利な使い方をご紹介しましょう」と山口さんは続ける。
「風があたるとより涼しく感じるのも特長なので、工事現場で最近よく使われている空調服と組み合わせると、暑い日でもかなり快適になると思いますよ。また、本当に暑いときは水で全面を濡らして使用してもらえれば、最高の冷感を実感していただけると思いますのでおススメです。
それと、このネックカバーやフェイスマスクですが、今新型コロナウイルスの影響で飛沫防止のマスク代わりとして普及してきてるんです。マスクのようなフィルターというものではありませんが飛沫は防止できるので…。運動するときに一般的なマスクでは暑過ぎるということで、ジョギングなどされる方に着けていただいているといった具合です。ネックカバーとフェイスマスク、どちらも同じように使えますがネックカバーは筒状で首から顔まで広く覆えます。一方フェイスマスクは立体的で締め付け感をなくしたモデルですので、お好みで選んでいただいたらと思います」

これは、釣り以外の外作業やジョギングなどの運動に幅広く使えそうだ。

ここで、さらに山口さんにカラーについての質問をぶつけてみた。
カラーはブラックとライトグレーがあるが、ブラックだと光を吸収して暑くないのだろうか？　ライトグレーの方がいいように感じるが…。

「どちらがいいとは言えませんよ。確かに黒系は生地が光を吸収するので、比較すると白系よりは温度は高くなるかもしれませんね。しかし、紫外線を防ぐ目安としてUPFという値があるんですが、ブラックはUPF値50、ライトグレーはUPF値が40なんです。ブラックの方が紫外線は防げる。白系は光を通しやすいのでUPF値自体は少し低くなります。
暑さの違いは、実際に着てみても大きくは変わらない印象ですよ。生地は同じでも色で数値が変わるので参考にしてみてください」

なるほど、色の違いによってUVカット性能には多少差が出るようだ。好みもあるがその特性を理解して色を選ぶと、より自分に合う物が選べるだろう。

では最後に、今回の商品開発にあたってどんな苦労があったのか聞いてみよう。

「このアイテム、実は一昨年出す予定だったんですよ。ですが、できたてホヤホヤの機能なのでいろいろな試験などがありまして出せなかったんです…。そんなわけで発売まで2年も掛かってしまいました。みなさんに早くお届けしたかった自信のアイテムなので、この夏はレジャーのみならずどんどん普段使いでも着ていただきたいですね」

ちなみにこの商品、すでに4月末から発売しており店頭に並んでいる。
HYOON EXは、今回紹介できなかったアームカバーやレッグカバー、フーデッドアンダーシャツなどのラインナップもあるので、ご希望に合わせて選んでみてはいかがだろう。