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世界自然遺産に登録されている「小笠原諸島」。基本的には船でアクセスすることになり、国内でありながら東京・竹芝から約24時間の船旅です。船でしかアクセスできない環境だからこそ、豊かな海が守られています。もちろん釣りも、ほかではなかなか味わえない体験ができます。
その一方で、小笠原への旅は通常の旅行とは異なり、船や宿の予約方法、荷物の準備、現地での移動など、事前に知っておきたいポイントが数多くあります。
そこで今回は、「初めて小笠原を訪れてみたい!」と考えている方に向けて、渡航前に押さえておきたい基礎知識の前編として、「計画から出発まで」を流れに沿ってご紹介しましょう。
小笠原へのアクセスと予約

定期船「おがさわら丸」を利用し、約24時間の船旅
小笠原諸島が世界自然遺産に登録されていることは、多くの方が知っていることでしょう。東京から南に約1000km離れた太平洋上に浮かぶ島々です。大陸と一度も陸続きになったことがないことから、多くの固有の動植物が存在し、手つかずの自然と透明度の高い海が残されています。
小笠原諸島は、大小30余りの島々で構成されています。最近ではレアメタルで騒がれている南鳥島、最南端の沖ノ鳥島、噴火によって面積が拡大した西之島などが含まれます。その中で一般住民が暮らす島は、小笠原の玄関口である「父島」と、父島から「ははじま丸」でアクセスする「母島」だけです。
父島へ渡る交通手段は定期船「おがさわら丸」が基本です。時期によってはクルーズ船が寄港することもあります。空港はありません。小笠原諸島でアクティビティを満喫するのが目的なら、「おがさわら丸」で渡航するのが一般的です。


船は、東京都港区の竹芝客船ターミナルからAM11:00に出航し、翌日AM11:00に父島の二見港に到着します。24時間の船旅です。さらに母島へ行くには、父島から「ははじま丸」に乗り換え、約2時間かかります。
通常期のおがさわら丸は、父島到着後にそのまま港に停泊し、3日後の15:00に竹芝へ向けて出発、翌日15:00に到着します。船中2泊・現地3泊の5泊6日が基本です。これを1航海と呼び、竹芝桟橋へ戻る便を1便遅らせた2航海分の滞在にすると、11泊12日(船中2泊・現地9泊)となります。出航日は小笠原海運のホームページで公開されるので、その日程に合わせてスケジュールを組むことになります。
通常期の「おがさわら丸」は週1便で運航されています。時期によって、船のドック入り(検査)で便数が少なかったり、逆に夏期は多くなったりします。
かなり前から計画を立て、宿を確保!
小笠原に行くために運行スケジュールを確認したら、最初に行うのは宿の確保です。宿泊施設の数は限られているため、繁忙期は予約が取りにくくなります。早めに予定を立てて宿泊の申し込みをしておくのがおすすめです。それこそ、釣り目的で大潮のタイミングに合わせたいなどの希望があれば、数か月前から計画しましょう。
宿の情報は小笠原観光協会のホームページに掲載されています。宿泊プランは2食付き、朝食付き、素泊まりから選べます。大村地区に宿を取れば、徒歩圏内に居酒屋やカフェなどがあるため、夕食はそれらを利用できます。そのほかの地域でより静かな場所で島を満喫したい方は、外食する場所が近隣に少ないので、レンタカーやレンタルバイク、レンタル自転車を借りて大村地区へ行くか、食事付きがよいでしょう。
なお、島にはコンビニはありません。早朝から行動する方は前日に購入しておかなくてはなりません。早朝の早い時間から行動しないのであれば、朝食が付いたプランにするのもおすすめです。
ちなみに、小笠原諸島ではキャンプは禁止です。宿は必ず確保しておきましょう。沖釣りで船に泊まる船中泊プランを計画する場合でも、宿は確保し、宿泊費を支払う必要があります。
宿泊費や飲食代、スーパーで売っているものは、本土よりやや高めです。カード決済できない場所も多いため、現金は多めに用意しておきましょう。

「おがさわら丸」の手配
宿が決まったら、「おがさわら丸」を予約します。自身で手配する場合は、小笠原海運のホームページで予約します。乗船券は出港日の2ヵ月前から発売されます。
ツアー会社によっては、宿とおがさわら丸をセットにして販売しているところもあり、そのようなツアーを利用するのも便利です。おがさわら丸を運行している小笠原海運でも「船+宿+クーポン」がセットになった「おが丸パック」を販売しています。

釣りで行く方は、釣り関係のツアーを企画&手配している旅行会社「アングラーズネスト」も、おがさわら丸の手配など対応してくれますし、相談にも応じてもらえます。
おがさわら丸の船室は6種類から選べる
船の予約時には、どの船室にするか事前に決めておきます。おがさわら丸には、金額、仕様の異なる船室が6種類設けられています。その中から、予算に応じて選びましょう。

利用者が多い船室は、特2等寝台(プレミアムベッド)、2等寝台(エコノミーベッド)、2等和室(エコノミー)です。私は数名で釣りに訪れることが多く、その際はいつも2等寝台を利用しています。各ベッドがカーテンで仕切られているため、個室感があり快適です。
そのほかには、最も金額が高い特等室(スイート)、特1等、1等室があり、いずれも個室仕様で、部屋数は限られています。
そのほかの予約
宿や「おがさわら丸」の手配を進めると同時に、そのほかの予約も進めます。
小笠原では釣りのほか、ツアー(ガイド)でスキューバーダイビング、シュノーケリング、シーカヤック、山歩き、戦跡ツアー、ドルフィンスイム、シーズンによってはマッコウクジラウォッチングなどが楽しめます。人気のツアーは、早い段階で定員に達してしまうため、やりたいことが明確に決まっているなら、まずはそちらの手配から進めてもよいと思います。釣り船も同様です。

そのほか、荷物が多い場合や、長距離を移動する予定があるなら、レンタカー、レンタルバイク、レンタル自転車の予約も忘れずに行いましょう。こちらも、台数が限られているため早めがよいでしょう。
注意したい!小笠原への荷物の持ち込み&発送

さて、いよいよ小笠原へ行く日が近づいてきたら準備を始めます。
「おがさわら丸」に手荷物として持ち込める荷物は、縦・横・高さの三辺の和が2m以下、 重量30kg以下のもの2個までと決められています。それ以上の個数となった荷物は、当日に乗り場にて手小荷物(有料・受付9:30~10:30)として預け、コンテナに入れてもらって運ぶことも可能です。自転車やサーフボードなどの大型荷物は、一般貨物(有料)として運んでもらえます。
とはいえ、竹芝客船ターミナルまで荷物を運ぶのが大変という方も多いでしょう。そのような場合は、宅急便や郵便で指定場所(宿泊施設など)に送れます。ただし、発送するタイミングには注意しましょう。
自分が乗船する便に載るタイミングで発送してしまうと、配達作業の関係から到着後すぐに手にできません。そこで、乗る船の1便前の船に載せなくてはなりません。
通常の運行スケジュールでは、自身が出発する日の7日前が前便出発日です。その前日までに竹芝客船ターミナルへ着くように発送します。発送後は、荷物が到着しているか忘れずに確認しましょう。「島で使う道具が届いてなくて、目的の遊びができなかった」とならないように気を付けたいですね。
乗船日の流れ

乗船手続き
先に送った荷物がある方は、乗船日の前日までに、きちんと送り先に届いているかを確認しておきましょう。もしも前便までに載らずに竹芝客船ターミナルにまだあるのなら、乗船前に受け取れるように手配することもできます。当日に手小荷物として預ければ、父島へ到着してからすぐに手にできます。
乗船日の当日は、受付時間(通常は9:30~10:40ごろ)に余裕を持って竹芝客船ターミナルへ行きましょう。
乗船手続きが開始されたら、予約番号、予約確認書、引換券などをチェックインカウンターで提出、または予約者名を伝え、書類を受け取ります(チケットを購入した場所により異なります)。乗船30分前までに済ませておきましょう。船に預ける手小荷物があるなら、その受付も済ませます。
乗船受付前、受付後に時間があるなら、「竹芝桟橋入口」交差点にあるコンビニで船内での食べ物、飲み物を購入しておくのがおすすめです。船内ではレストランや展望ラウンジで食事もでき売店もありますが、商品は限られています。なお、船上であることから金額は少し高めです。
その後、船室のグレードごとに乗船が開始されます。チケットにプリントされているQRコードを乗船口で見せて乗船してください。このチケットは下船時にも必要なので、しっかりと保管しておきましょう。

車で竹芝客船ターミナルへ行きたいと考えている方へ
荷物が多い、荷物が重い場合は車で竹芝客船ターミナルまでのアクセスを考えることもあるでしょう。
竹芝客船ターミナル周辺には大型駐車場はありますが、予約不可であったり、予約可能でも車のサイズ制限があったりします。駐車場はシーズンによっては埋まってしまっていることもあり、決めていた駐車場が入れないなどのトラブルも考えて、早めに現地へ向かいましょう。
一部の駐車場では、「おがさわら丸乗船割引」を行なっているので、そのような場所もチェックしておくとよいでしょう。
なお駐車場は、都内であり長期間なので、それなりの金額になります。

船に乗ってしまえば、まずはひと安心。あとは、船内での時間も含め、小笠原諸島への旅を楽しむだけです。
小笠原諸島までの船の旅は、“24時間”の数字だけを見ると長いと感じるかもしれませんが、幾度か訪れるうちにそれほど時間を感じなくなります。船内での過ごし方が分かるようになるからです。船内で思い思いの楽しみ方を見つければ、その時間も旅の醍醐味のひとつとなるでしょう。ぜひ船内の時間も、小笠原への旅の一部として楽しんでみてください。
後編では、「船旅と島を満喫する手引き」をご紹介したいと思います。
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レポーターREPORTER
子どものころに父親の影響で釣りと出会い、23歳から長年に渡り釣り雑誌の編集者に。現在は釣りのWEBマガジン、釣りライター&カメラマンの仕事をしながら、ソルトウォーターフィッシングをメインにしつつ、淡水から海外での釣りも楽しんでいる。
