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この夏、以前から挑戦してみたいと思っていたアウトドアアクティビティ「パックラフト」を体験してきました。舞台は、国の名勝に指定され、「東洋のチロル」とも称される大分県の景勝地・由布川峡谷です。
パックラフトは、空気で膨らませる小型ボートで峡谷の奥へと漕ぎ進み、ときにはボートを降りて川を歩いたり、岩場をよじ登ったりしながら進む、冒険気分を味わえるアクティビティです。
当記事では、初心者でも楽しめるパックラフトツアーの楽しさや、水上からしか見ることのできない由布川峡谷の幻想的な景色、そして実際に体験して感じた魅力をご紹介します。
前日に別府入りして万全のコンディションで臨む
今回参加したのは、由布川峡谷を舞台にしたガイド付きのパックラフトツアー。約4時間かけて峡谷を巡る、本格的なアウトドアアクティビティです。
ツアーの集合時間は午前10時。早朝出発ではありませんでしたが、当日の移動時間をできるだけ短く、しっかり朝食を食べて万全のコンディションで参加したいと思い、前日に別府入りすることにしました。普段の私であれば、近くのキャンプ場で前泊することが多いのですが、テントの設営や撤収にかかる時間を節約し、体力も温存したいと考えて、今回は宿に泊まる選択をしました。

宿泊先を探しているなかで、思わず泊まってみたいと思うユニークな宿を見つけました。それが、今回お世話になった別府市の「松亀荘」です。
昔ながらの旅館ですが、広間にいくつものテントが設営されたユニークな宿泊プランがあり、天候や暑さを気にすることなくキャンプ気分を味わえます。宿泊料金もリーズナブルで、温泉に浸かりながら翌日のパックラフトに向けて身体をしっかり休めることができました。


そして迎えた翌朝、道中で朝食をゆっくり食べてから由布川峡谷へ向かいました。移動時間に余裕があったおかげで気持ちにもゆとりが生まれ、初めてのパックラフトへの期待が膨らみました。新しいことに挑戦するときのワクワク感は、何歳になっても変わりません。
集合場所で受付を済ませ、装備を受け取ると、いよいよ今回の冒険の始まりです。
日本旅館 松亀荘
住所:〒874-0920 大分県別府市北浜2-12-21
TEL:080-5256-3862
HP:https://matsukisou.com/
パックラフトとは?
「パックラフト(PACKRAFT)」は、アメリカ・アラスカで生まれた軽量な1人乗りボートです。広大な自然の中を歩き、川ではボートを膨らませて漕ぎ進む移動手段として発展し、現在では世界中で親しまれるアウトドアアクティビティとなっています。
コンパクトに収納できるため、バッグに入れて背負って持ち運ぶことができ、川辺で膨らませればすぐに水上へ出られます。漕ぐだけでなく、必要に応じてボートを担いで歩けるのも大きな特徴です。カヌーやカヤックとは少し異なり、「歩く」と「漕ぐ」を組み合わせながら自然の奥へ進んでいけるのが、パックラフトならではの魅力です。


初めてでも安心!由布川峡谷パックラフトツアー
受付から出発まで!ツアーの流れを紹介
今回参加したのは、「一般社団法人ユフイズム」が由布川峡谷を舞台に開催しているパックラフトツアーです。参加対象は15歳から65歳まで(未成年者は保護者同伴)。山道を歩いたり、ボートを担いで移動したりするため、ある程度の体力が必要なアクティビティですが、ガイドが同行し、必要な装備もすべて用意されているため、初めての方でも安心して参加できます。
集合場所で受付を済ませウェットスーツに着替えると、必要な道具を車に積み込み、ガイドの方の車でスタート地点へ向かいました。今回の参加者は私1人。ガイドさんと2人でツアーへ出発です。


駐車場所に到着すると、ライフジャケットやヘルメットを身に着け、パックラフトとパドルを収納したバッグを背負いスタート地点まで徒歩で向かいました。パックラフト本体は約3kg、パドルを合わせても4kgほど。見た目より軽く、背負って移動できるのがパックラフトの大きな魅力です

目の前に現れたのは、想像以上に急な山の斜面でした。渓谷へ向かうには、高低差約50mの急斜面を下っていかなければなりません。足場は決してよいとは言えず、ロープや鎖を頼りに、一歩一歩足元を確かめながら慎重に進みました。
しかも、背中には軽いとはいえ、パックラフトとパドルが入ったバッグを背負った状態です。「帰りはこの坂を登るのか…」まだツアーは始まったばかりだというのに、思わずそんなことを考えてしまうほどの急斜面でした。

斜面を下り切ると、目の前には、深い緑に囲まれた静かな川がゆったりと流れており、これから始まる冒険への期待を一気に高めてくれます。早速バッグからパックラフトを取り出し、空気を入れて準備を進めます。ボートが少しずつ形になっていくにつれ、「いよいよ始まる」という高揚感も大きくなっていきました。




コンパクトだった荷物が、1人乗りのボートへと姿を変えていく様子を見るだけでも気分が高まります。そして準備が整ったら、ガイドさんによる安全講習です。
パドルの持ち方や漕ぎ方、方向転換の方法、ボートの乗り降りなど、安全に楽しむためのポイントを一つ一つ丁寧に教えてもらいました。基本操作を確認し、いよいよ由布川峡谷の冒険へ出発です。
自分の力でたどり着く、緑と光が織りなす峡谷の絶景!
パックラフトに乗り込み、パドルをゆっくりと水へ入れると、いよいよ由布川峡谷の奥へ向かっていきます。今回のコースは流れに身を任せて川を下るのではなく、上流へ向かって漕ぎ進むルート。自分の力で流れに逆らいながら進んでいきます。

最初は力いっぱいパドルを漕ぐほど、ボートは右へ左へとクルッと向きを変え、なかなか思うように真っすぐ進めませんでした。パックラフトはカヌーやカヤックよりも小回りが利く反面、その分回転しやすく、さらに川の流れも加わるため、最初は操作に少し戸惑いました。
それでも、ガイドさんからパドルの動かし方や力加減のコツを教わるうちに、少しずつ思い通りに操作できるようになりました。ボートがねらった方向へ進むようになると、自然と周囲の景色を楽しむ余裕も生まれてきます。
とはいえ、流れに逆らって漕ぐため、想像していた以上に体力を使います。流れが強い場所では、何度パドルを動かしてもなかなか前へ進まず、腕に力が入る場面もありました。それでも自分の力で一歩一歩、峡谷の奥へ近付いていく感覚は格別です。
浅瀬ではボートを降り、パックラフトを担いで歩く場面もありました。漕ぐだけではなく、歩いて、担いで、また漕ぐ。こうした体験の積み重ねが、このツアーならではの冒険感をより一層高めてくれるようです。

さらに進むと、大きな岩場が目の前に現れました。ここでは設置されたロープをしっかり握り、一歩ずつ慎重に岩場を登りました。
漕ぐだけではなく、歩き、担ぎ、登る。全身を使って進むため決して楽ではありませんが、その分「冒険をしている」という実感が湧いてきます。



ここまでどれほどの時間が経ったでしょうか。途中、ガイドさんが休憩を用意してくれました。
冷たい飲み物で喉を潤し、甘いおやつでエネルギーを補給します。身体を動かしたあとだからこそ、その美味しさが一段と身に染みました。


休憩を終えて再び峡谷の奥へ向かうと、その先には思わずパドルを止める景色が広がっていました。

切り立った岩壁を覆う深い緑。木々の間から差し込む光は、まるで光のカーテンのように峡谷を優しく照らしていました。水の流れる音だけが静かに響く空間には、日常とはまったく違う時間が流れているようでした。
ここは、観光地として眺めるだけでは出会えない場所です。自分の力で漕ぎ、ボートを担ぎ、岩場を越えた先に待っていた特別な景色。苦労してたどり着いたからこそ、この幻想的な風景はより深く心に刻まれました。


帰りは流れに身を任せて景色を楽しむ
目的の場所までたどり着いたら、ボートを降りて記念撮影。そして、帰りは来たルートを戻ります。行きは流れに逆らいながら懸命にパドルを動かしていましたが、帰りは流れに身を任せながらゆっくりと下流へ向かいました。


パドルを休め、ボートに揺られながら見上げる峡谷は、行きとはまた違った表情を見せてくれました。
切り立った岩壁を覆う深い緑と、木々の間から差し込む柔らかな光。静かに流れる水の音に耳を傾けながら過ごす時間は、とても贅沢に感じられます。行きに頑張って漕いだからこそ、この穏やかな時間がより心地よく感じられました。



ゴールはまだ先!?
最後に待っていた急坂との戦い…そして達成感
ツアーの終盤には、流れのやや速いポイントでの川下りも体験できました。これがまたスリリングで最高に面白かった! 思わず夢中になってしまいました。

そして無事にゴールへ到着し、「これでツアーも無事終了だ」と思ったのも束の間。パックラフトの空気を抜いて小さく折りたたみ、パドルと一緒にバックパックへ収納すると、本当の締めくくりが待っていました。
スタート時に下ってきたあの急な山道を、今度は全てのギアを背負って登り直さなければならないのです。疲れ切った身体には想像以上に堪え、一歩進むごとに激しく息が上がります。事前の話では「岩場を登るのが一番の難所」と聞いていましたが、私にとって最大の難所は、間違いなくこの急坂でした。あまりのきつさに、記事用の写真を撮ることすら完全に忘れてしまっていたほどです(笑)。
それでも一歩一歩踏みしめながら登り続け、ついに坂を登り切った瞬間の達成感はまさに格別! 心地よい疲労感とともに、「やり切った」という満足感に包まれ、由布川峡谷でのパックラフト体験を締めくくりました。
冒険のあとは……
温泉で疲れを癒やす

ツアー終了後は、参加者特典として温泉を無料で利用できます。湯船に浸かると、パドルを握り続けた腕や肩、急斜面や岩場で酷使した足の疲れがゆっくりとほぐれていきました。冒険を楽しんだあとに温泉で締めくくれるのも、このツアーの魅力の一つです。
やすらぎの湯 ゆの杜竹泉名
住所:〒879-5512 大分県由布市挾間町来鉢影ノ木1047-1
TEL:097-583-4088
HP:https://yunomoritakesen.jp/
今回初めて体験したパックラフトツアーは、想像以上に体力を使うアクティビティでした。上流へ向かってボートを漕ぎ、浅瀬ではボートを担ぎ、ロープを使って岩場を登り、最後は装備を背負って急な山道を登る…。決して楽ではありませんでしたが、その苦労があったからこそ、由布川峡谷で出会った緑と光が織りなす幻想的な世界は、忘れられない景色となりました。
「パックラフト」はただ川を下るだけではなく、自分の力で自然の奥へ進む「冒険」を体験できるアウトドアアクティビティです。初めての方でも、ガイドの方が丁寧にサポートしてくれるので安心して挑戦できます。緑と光が織りなす幻想的な景色が待つ由布川峡谷で、パックラフトならではの冒険を体験してみてはいかがでしょうか。

【ツアーインフォメーション】
- ツアー名:由布川峡谷パックラフトツアー
- 企画・運営:由布市グリーンツーリズム研究会、一般社団法人ユフイズム
- 参加対象:年齢:15歳以上65歳以下(15~19歳は保護者同伴)
- 体重:100kg未満
- 料金:22000円(税込)
料金に含まれるもの
- ・体験料
- ・朴木ベース使用料
- ・装備一式レンタル(パックラフト、パドル、ライフジャケット、ウェットパンツ、ヘルメット、ウォーターシューズ、グローブ)
- ・傷害保険
- ・ガイド料
- ・ドリンク1本、おやつ
- ・はさま温泉郷無料券
- ・駐車場代
- ・写真データ
※2026年7月13日時点の情報です。料金や参加条件などは変更となる場合がありますので、参加前に最新情報をご確認ください
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レポーターREPORTER

オートキャンプが大好きな九州在住の50代のオジサンです。おもに九州地方のキャンプ場へ、愛車を自由に転がしながらキャンプを楽しんでいます。グループやファミリーキャンプの際は、私が作った料理が美味しいと喜んでもらえるよう、日々キャンプ飯の勉強をしています。その分、ソロのときは手抜きしまくりですが(笑)。「手軽に本格的」がモットーで、これまでの経験で喜んでもらえたメニューの紹介や九州地方中心のおすすめのキャンプ場の紹介など、何か少しでもみなさんにオートキャンプでの楽しみを伝えることができればよいかな…と思ってます。
【肩書】
・日本オートキャンプ協会インストラクター
(日本オートキャンプ協会九州支部:https://jac-kyushu.com/)
