仕掛屋さんのプチ知識 No.2仕掛担当が教えてくれた
基本の「ハリ結び」と手軽さ一番の「枝結び」

text-photo_岳原雅浩

釣り道具において「仕掛」は、ロッドやリール、ルアーほど脚光を浴びるわけではないが、魚に直接触れるアイテムとして、また、仕掛の良し悪しによって釣果が左右されるなど重要なアイテムだ。そんな仕掛を扱うメーカーならではのプチ知識を、開発担当者に聞いてみる当企画。「これ知ってたらお得」「釣果アップにつながる」「釣りが快適になる」…といったアイデアを紹介しよう。

01_ 田中さん

今回の「ハリ結びと枝結び」を教えてくれたのは、前回同様、長年仕掛開発に携わる田中さんだ。

【糸とハリの結び】ハリ結びの基本中の基本!
外掛け結び(マクラ付き)

バス釣りなどのルアーフィッシングの場合、比較的「管付きバリ」と呼ばれるハリの根元(チモト)部分に輪っかのついたハリを使用することが多い。しかし、エサ釣りの場合、ハリの根元は「タタキ」と呼ばれる平たく叩かれた形状となっていることが多く、初心者にはこの部分に糸を結ぶのはなかなか容易ではない…。
そこで覚えていただきたいのが、ハリ結びの基本中の基本である「外掛け結び」だ。

田中さんいわく、「外掛け結びはどんな釣りにでも使える、一般的なハリに糸を結ぶ方法です。これさえ知っていれば、苦労することはないですね」とのこと。しかも今回教えてくれるのは、ハリから糸がすっぽ抜けにくいひと工夫がされた結び方とのこと。
田中さんが教えてくれたのは「外掛け結び(マクラ付き)」という結びで、ハリに結んだ糸のタタキに一番近いところに「マクラ」という結びを設けるやり方。このマクラを設けることで、より強く締め込めるので、すっぽ抜けによるトラブルを軽減できるそうだ。

それでは、教えてもらった結び方の手順を見ていこう!

 

結び方の手順

01_ ハリと糸(ライン)
02_ ハリに糸を合わせる
手順①: ハリに糸を合わせる(平行にそわせて準備する)
03_ 糸の端を折り返す
手順②: 糸の端を折り返して、ハリ側に輪っかを作る
04_ 糸を巻き付ける1
05_ 糸を巻き付ける2
06_ 糸を巻き付ける3
手順③: ハリの軸に重ねた糸ごと、上から4~8回巻き付ける(回数はハリと糸の太さによりお好みで)
07_ 余った糸のみ軸に巻き付ける
08_ マクラ
手順④: 最後に、余った糸のみ軸に1回糸を巻き付ける(これが「マクラ」
09_ 輪っかにくぐらせる1
10_ 輪っかにくぐらせる2
手順⑤: 糸の端をハリ側に作った輪っかにくぐらせる
11_ 糸の両端をゆっくり引く
手順⑥: 糸の両端をゆっくり均等に引っ張り、締め込む
12_ 余分な糸をカットする
手順⑦: 少しだけ残し、余った糸をカットする
13_ 完成
「外掛け結び(マクラ付き)」の完成!! (タタキの隣にマクラがあるのがお分かりだろうか)

 

ミソは最後にタタキの手前で余った糸のみを軸に1回巻き付ける「マクラ」を作ってあげること。これで格段に締め込みが強くなり、すっぽ抜けにくい。とくに、ハリの軸が細く糸が太いなど、ハリと糸のバランスが悪いときに有効だそうだ。
ぜひ基本の結びとして覚えておこう!

【枝を出す結び】枝が上向きに出せる!
手軽さ重視の8の字枝結び

次に、仕掛作りの際、幹糸から枝(エダス)を出すときに使う結び方を紹介しよう。
枝を出す方法(結び)はさまざまあるが、何よりも手軽でカンタン、そして手早い。そんな結び方を田中さんが教えてくれた。

その結び方とは「8の字枝結び」。「……ん? 8の字(枝)結び? そんなのカンタンじゃん」と侮(あなど)ることなかれ。仕掛において枝は、うまくエサを魚にアピールし食いつかせる役割がある重要な部分。とはいえ、枝の向きや長さによっては仕掛が絡むなどのトラブルを引き起こしてしまう、厄介なパーツでもある。
枝は適切な長さを上向きに出すことで仕掛が絡みづらくなり、エサ付けしたあとエサの重みで下がったとしても、横(水平方向)に開いてくれればひじょうにバランスがよい。田中さんいわく、「この結び方であれば枝を間違いなく上向きに出せますし、何よりカンタン! 現場での仕掛の修復も楽なんです」とのこと。
では早速、こちらの結び方の手順も見ていこう!

 

結び方の手順

14_ 糸付きバリと幹糸を並べる
手順①: 事前に準備した糸付きバリ(ハリが付いている方を竿側に)と仕掛の幹糸となる糸を並べる
15_ 両方の糸を重ねる
16_ 輪っかを作る
手順②: 両方の糸を重ねて、輪っかを作る
17_ 輪っかを1回ねじる
手順③: 重ねた輪っかを1回ねじる
18_ 輪っかに2本の糸をくぐらせる1
19_ 輪っかに2本の糸をくぐらせる2
20_ 8の字結び
手順④: ねじってできた輪っかの中に、(幹糸と枝の)2本の糸の端をくぐらせる(いわゆる「8の字結び」の状態)
21_ 糸の両端を引く
22_ 締め込む
手順⑤: 糸の両端をゆっくり引っ張り、締め込む
23_ ハーフヒッチ1
24_ ハーフヒッチ2
25_ ハーフヒッチ3
手順⑥: 幹糸の下側に枝の余り糸をハーフヒッチで結ぶ(エンド結びでもOK)
26_ 余った糸をカット
手順⑦: 余った枝糸をカットする
27_ 完成
「8の字枝結び」の完成!!

 

こちらもミソは最後にハーフヒッチで枝糸を幹糸に結ぶこと。こうすることで枝が幹糸からすっぽ抜けるのを防ぐことができる。もしハーフヒッチが緩むのを嫌うのであれば、エンド結び(ハーフヒッチで1回くぐらせるところを2回以上くぐらせる)でもよいそうだ。そのあたりはお好みで。

28_ 綺麗に上向きに出た枝(エダス)

繰り返しになるが現場でもやりやすいので、「仕掛の枝が1本切れてしまった…」際の修復や、ルアー釣りのリーダー部分に枝を出して「ジギングサビキ」にしてしまうなど、覚えておけばいろいろな応用も可能となるだろう。

 

といったわけで今回はココまで。釣りに詳しいエキスパートなら「な~んだ」な知識かもしれないが、釣りを快適に、スムーズに楽しむための知識としてお役に立てれば幸いだ。
仕掛のスペシャリストとして日々開発に携わるなかで、きっとアングラーのタメになるアイデアがいろいろとあるはず! そんな目から鱗なプチ知識を発掘し、今後もお届けしていこう。