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暑い夏、川の中で長い竿を構える、アユの友釣り師の姿を見かけたことはありませんか? 涼しげで颯爽(さっそう)とした姿を見て「友釣り」を一度やってみたいなと思っても、「興味はあるけれど、一体どうすればいいか分からない……」と足踏みしてしまう方も多いはず。
そこで今回は、出発前の準備から川に到着して釣りを始めるまでの流れ、実際の釣り方、さらに釣れたアユを美味しく持ち帰る方法まで、1日の流れに沿って丸ごとご紹介します。
友釣り師の1日は朝の準備から
友釣りは持っていく荷物が多い!
アユの友釣りは、ほかの釣りと比べて荷物が多いのが特徴です。竿や仕掛、川で安全に釣りをするための装備(タイツや足袋)に加え、「アユを生かすための道具」が欠かせません。友釣りは生きた元気なアユを泳がせて、野アユを誘う釣りなのです。
川の中で元気にアユを生かしておく「曳舟(ひきふね)」や、生きたアユを川まで運ぶ「オトリ缶」といった、ほかの釣りにはない専用の道具があります。
しかし、荷物が増えると多くなるのが忘れ物…。朝、車に荷物を積み込む際に、忘れ物がないかをチェックするところからアユの友釣りは始まります。

SNSやライブカメラで現地の川の状況をチェック
荷物を積み込んだら、出発前に必ず川の状況をチェックしておきましょう。
友釣りは石の苔を食べるアユが、自分の縄張りに侵入してきたほかのアユに“体当たりして追い払う”習性を利用した釣りです。そのため、現地のオトリ屋さんのSNS発信やライブカメラの映像をチェックし、新鮮な苔がたくさん付いているか、また、雨による増水などで危険がないかなどを確認してから出発します。

川に着いたら釣りをする前に…
オトリ屋で遊漁券&元気なオトリアユを確保
現地に着いたら、まずは川沿いにあるオトリ屋さんに向かいます。漁業権のある河川でアユ釣りを楽しむために必要な「遊漁券(入漁券)」と「最初のオトリアユ」をここで購入します。


釣果を左右する「川見」が超重要
そして、遊漁券とオトリを購入したらポイントに向かいます。その際、橋の上や道路から川をじっくり覗き込む「川見(かわみ)」をして、エントリーするポイントを見極めます。
アユ釣りには「石を釣れ」という格言があるほど、石の状態を見極めることが重要です。良質な苔の付いた石が多いポイントを探しましょう。


オトリ管理がカギ!
よいポイントを見つけたら、すぐに仕掛を作って釣り開始! ……と、焦ってはいけません。車を降りたら、まずは何よりも先にオトリ缶を川へと運びます。新鮮な川の水にいち早く馴染ませることで、いざ釣りを始めるときにアユが元気に泳いでくれるからです。
ただし、いきなり川にドボンと沈めるのは絶対にNG。オトリ缶の中の水と実際の川の水とで温度差があると、アユがショックで弱ってしまいます。川の水を少しずつオトリ缶に入れ、時間をかけて水温を近付けていきましょう。そのあとオトリ缶をしっかり川に沈め、そこから初めて自分の釣りの身支度を始めます。

いよいよ実釣!友釣りの基本の流れ

オトリに仕掛を付けたら優しく送り出そう
すべての準備が整ったら、いよいよ実釣スタートです。オトリアユのハナに「ハナカン」という輪っかを通し、尻ビレ付近に「サカサバリ」を打って、アユを川へと送り出します。
このとき一番大切なのは、とにかくアユを優しく扱うこと。長い時間水から出したり、強く握ってしまうとせっかくの元気なアユが弱ってしまいます。慣れないうちはタモ網(ネット)の中で仕掛のセットを行いましょう。万が一アユが手から滑っても川に逃げ出す心配がありません。

仕掛をセットしたら水中でそっと放してあげます。慣れてくると竿で引いたり誘導したりするテクニックもありますが、元気なアユならオトリに任せて大丈夫。手を離した瞬間にスーッと自ら泳いでいってくれます。あとは糸を張り過ぎてオトリを引っ張ったり、緩め過ぎて糸が絡まらないよう注意しながらオトリの移動に合わせて着いて行き、野アユの縄張りに近付くのを待つだけです。

アユが掛かっても焦りは禁物
オトリアユが野アユの縄張りに近付くと、糸に付いた目印に変化が現れます。そして野アユがオトリに体当たりしハリが掛かった瞬間、目印が大きく揺れて一気に引っ張られます!
ここで力任せに引っ張るのはNGです。慌てずゆっくりと竿を立て、竿のタメをしっかりとキープしましょう。次第にオトリアユが水面に顔を出し、続いて野アユが姿を現します。そのまま流れの緩い方へと誘導し、タイミングを見計らって引き抜き、タモ網でキャッチするのです。

釣れたアユが次につながる!オトリ循環が攻略のカギ
タモ網でキャッチしたら仕掛を外し、オトリは曳舟へ。次は今釣れた野アユの出番です。さっきまで川を自由に泳ぎ回っていただけあって元気いっぱい。仕掛を付けて放すと、サーッと勢いよく走っていきます。
同じ石で何尾も掛かることもありますが、できれば放す場所を少しずつ変えて、いろんな石へ誘導してあげましょう。石ごとに違うアユの縄張りを叩いていくイメージです。

元気なオトリがまた元気なアユを連れてくる…。こうしているうちにあっという間に1日が過ぎてしまいます。

最後のひと手間で味が変わる!アユを美味しく持って帰ろう
アユはとても美味しい魚です。その美味しさを存分に味わうためには、釣ったあとの処理が大切になります。
まずはクーラーボックスに氷を入れ、川の水を加えて氷水を作ります。その中へ生きたままのアユを入れると、急激な温度差によって一気に締まります。これを「氷締め」といいます。


アユがしっかり締まり、体の芯まで冷えたら、水だけを捨て、魚に直接氷が当たらないようにして持ち帰りましょう。こうすることで鮮度が保たれ、内臓まで美味しく味わうことができます。
アユの魅力は、何といっても爽やかなスイカのような香り。シンプルな塩焼きにすれば、その香りと旨味を存分に楽しめます。もちろん、天ぷらや唐揚げ、甘露煮など、どんな料理にしても絶品です。釣る楽しさだけでなく、「美味しく食べる」こともアユ釣りの醍醐味。最後のひと手間が、最高の1尾へと仕上げてくれます。

いかがでしょうか? 準備する道具や川の見方、オトリの扱いなど、友釣りは少し難しそうに感じるかもしれません。ですが、どんな釣りでも最初は上手くいかないことの連続です。でも大丈夫! 大切なのは川の中で過ごす時間そのものを楽しむこと。暑い夏、冷たい川に浸かりながらアユを追う時間は、きっと特別なひとときになるはずです。
この夏はぜひ、身近な川で「アユの友釣り」を体験してみてください。
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レポーターREPORTER

兵庫県在住
海のエサ釣りに始まり、ライトゲーム、青物釣り、タイラバを経て、ここ数年は渓流ルアーやエリアトラウト、アユ釣りなどをメインに、家族で釣りや川遊び、キャンプなど自然を満喫。「ライトガチ」をモットーに道具や方法にこだわり過ぎず、楽しむことに全力を注いでいる。
インスタグラム:
@azuman1980 (URL:https://www.instagram.com/azuman1980/)
