広川嘉孝のきまぐれ醤油ロード 【番外編】 極上ぽん酢でメバルを食べたくて春 at 淡路島

text_広川嘉孝-photo_岳原雅浩

想定内、でもショックは隠せない!?

13_ IMG_9999_2023_88.JPG 釣りシーン3

西側の海岸線を北上しつつ、よさげな漁港を見つけて竿を出してみました。やはり風は避けられないものの、角度的にストレスが少ない角度でキャストを繰り返します。流れの筋には届かないものの、適度な藻場が広がるエリアを探っていきました。しかしながらまだ光量が多い時間帯では反応が得られません。とりあえずは想定内、焦らず慌てずに時を待ちます。

メバルと私との存在線が交わる場所、その鉄板ポイントと決めていた場所に日没直後のオイシイ時間に向かってみました。しかーし! 現場到着して現場を見渡すと、強風で白波がワシャワシャしています! ダメダコリャ!!
シャローエリアで少々のウネリと風波、完全にダメなパターン。メバル凪とは真反対です! 通い慣れたこの場所でこの状況は一目で退散! といったレベルでございました。

16_ IMG_9999_2023_95.JPG 釣りシーン4
鉄板ポイントと期待して訪れた場所は、強風で白波がワシャワシャ……ダメダコリャ!!

とはいえ釣りに絶対はナイので、ダメもとで竿を出してみました。程よく荒れた磯でヒラスズキやシーバスに混じってメバルが釣れることもあります。私自身もそういった波っ気のある場所で尺メバルを連発させたこともありました。希望を持って「こういうタイミングで良型の親分メバルが釣れるんだぜ」と言い聞かせ、鼻息を荒げます。しかし、予想通りの無反応! ここはシャローエリア、エグれた磯場のサラシ条件とは違うのです。「ええ、ええ、知ってますとも。でもね、やってみないとわからないでしょ?」といった具合で一通り探り終えて、トボトボと車に戻るハメに…。
「この状況は手強い、交わりの線と線ではダメだ! 1尾のメバルの生命と私という個人の魂、その点と点が重なり合う場所だ! 是れ即ち、必然の出逢いはひじょうに困難、狭く極小のピンポイントである!」と脳内に謎(?)の攻略イメージだけ先行しつつ、ポイントを絞りながら車を次のポイントへと走らせました。

走り出してすぐ、「あ、ここ探ってみましょか?」と、即ハンドルを切り、急に思い付いたポイントで竿を出してみました。第六感的ヒラメキも大切です。
すると、1投目からコツッ! と乗り切らないバイトの手応え。「お? 何かが反応したぞ」小さめでしたが食ってやるという強い意志を感じるバイト。間違いなくフィッシュイーター! 完全に集中力MAXパワー充填です。そして、来るべきその運命の時は訪れました。

17_ IMG_9999_2023_97.JPG 釣りシーン5

風下に投げたワームを少しカウントダウンしつつ沈めます。そして、浮き上がらせないように少しリトリーブスピードを遅めにし、足下まできっちりとトレースできるように竿先を下げて、ピックアップギリギリまでジグヘッドを水面下で一定リトリーブ。すると、岸壁際からヤツは堪らず飛び出してきました!
足場が少し高いので、バイト直後の突っ込みを一瞬耐えたのちに一気にブッコ抜く! わずかな時間のファイトでしたが、その突っ込みの強さからメバルであろうと確信しました。サイズは20cm、ギリギリの刺身サイズにホッと胸を撫で下ろした瞬間でした。「いやー、ヒラメキってスゴイですよねー」という一言に尽きる、まさに点と点が重なった偶然に近いメバルと私の出逢い。いや、これこそ必然の出逢いなのでしょう!
という謎の締めくくりで、今回の釣行は深追いせずに終了としたのでした~。

18_ IMG_9999_2023_115.JPG メバル釣果
ギリギリ刺身サイズとはいえ、無事に釣れてホッと胸を撫で下ろした貴重な1尾。釣果にとってはヒラメキも大切なファクターでしょう!?

メバルをぽん酢で…舌鼓の儀

19_ IMG_4328.JPG たかはしぽん酢と刺身

さて翌日。寝起きからササッと丁寧にメバルを3枚におろしました。
さばきながら、我ながらすごく慎重なのがわかります。悪条件のなか手にした貴重な1尾です。丁寧に丁寧にさばきつつ、感謝の気持ちを胸に、切り身を皿に乗せていきました。そして極上のぽん酢には少しもみじおろしを入れて予定通りに頂戴しました。

20_ IMG_4327.JPG メバルの刺身

まずはもみじおろしを溶かずに「すだちぽん酢」のみでいただきます。口に入れた瞬間に広がるぽん酢の旨味、そして噛み続けて溢れ出すメバルの旨味。醤油よりもあっさりしているので、魚本来の味わいが楽しめるといった具合です。それにしても、口に入れた瞬間のぽん酢の旨味は素晴らしい! この味のONとOFFが明確に出る味わいは癖になりそうです。
実際に今まで魚の刺身はほぼ醤油で食べていました。しかしながら、今回企画から始まったとはいえ、ぽん酢で味わう刺身の妙。メバルには確実に合うと太鼓判を押せそうです。もちろん、しゃぶしゃぶや鍋なんかは周知の通りですが、「刺身にもぽん酢!」という味変も定期的に摂取したくなる味わいということが、私のなかで新たに生まれました(笑)。
さらなる可能性を探るべく、これからは「刺身ロード」にしませんか? と担当者と掛け合ってみようと思ってみたりしつつ、きっちり美味しく完食。存分に舌鼓を打ったのでした~。

ということで、番外編としてお届けした今回の「ぽん酢ロードat淡路島のメバルゲーム」はこれまで。「たかはしぽん酢」大変美味しゅうございました!

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レポーターREPORTER

広川 嘉孝
プロフィール:広川 嘉孝
幼いころより釣りに傾注し、さまざまなジャンルの釣りを愛してきたマルチプレーヤー。兎に角、自然と対峙する遊びが大好物。でも…気が付けばもう四十路後半、目指せ中年の星をモットーに日々精進中。普段は自身が手掛けるオリジナルブランドNUTS&VOLTZにて、サブフィッシングギアのデザインに奮闘する日々。
インスタグラム:
@yochiyamax (URL: https://www.instagram.com/yochiyamax/)