スプーンつながりで楽しむ春のフィールド
湖のトラウト&小磯のカサゴ釣り

付けエサはニジマスの短冊切り

さて、そのハリに付けるエサですが、せっかくなので今回は、芦ノ湖で釣ったニジマスのなかから小さめの個体を選んで半身を短冊形にカットしてみました。
もちろんニジマス以外の魚でもよいですし、死んでしまってリリースできなかった魚や、魚料理の際に余った端切れなどでもOK。釣った魚を有効に利用できるうえ、エサ代の節約にもなって好都合ではないかと思っています。

09_ 短冊形にカットしたニジマスの身
適当な幅にカットして塩で締めたニジマス。定番のサバ皮とはまた違った輝きがある

ニジマスは適当な幅(今回は5~7mm)にカットしてから身の厚い部分を削ぎ落し、塩に漬けて締めただけ。それ以外は何もしていませんが、集魚力、エサ持ちともに問題なく使うことができました。

ハリに付ける際はチョン掛け、または縫い刺しになりますが、ルアー的な誘いを重視するなら動きの出しやすいチョン掛け、エサ持ち優先なら縫い刺しがベターです。

10_ カサゴ釣果
マスの短冊でヒット。エサ持ちのよさも含め申し分ない

ワインド的な誘いでカサゴを選んで釣る

実釣は防波堤の石積みから海釣り公園の桟橋周り、ゴロタ磯といろいろなポイントで日を変えて試してみましたが、スプーン仕掛の利点を最も活かすことができたのは、浅根が点在する小磯の広範囲攻略。軽くキャストしてボトムまで沈め、ロッドを小さく煽ってスプーンを跳ね上げながら、ワインド的に誘う方法が効果的でした。

ハリにはエサが付いているので動かさなくてもアタリは出るのですが、カサゴより先にベラ、ネンブツダイ、フグなどのゲストにエサをかじられてしまうのが玉に瑕(たまにきず)。逆にカサゴは、エサが動いていても大きな口で難なく捕らえるので、カサゴを選んで釣る確率が高くなると感じています。

13_ カサゴ釣果2
トリッキーなアクションを付けてもカサゴは難なくアタックしてくる

穴釣りではブラクリやジグヘッドが有効

いっぽう、防波堤の石積みやテトラポッド、ゴロタ石の隙間など、足下の穴をピンポイントで探るときは、やはりブラクリジグヘッドが効率的でした。

スプーンでも釣れますが、真っすぐに沈まないため狭い穴になるほど不利。もしやるなら厚めで重いスプーン、またはメタルジグをチョイスし、ハリスの長さを極力短くしてあげるとよいでしょう。

タックルは7ft前後がオールマイティ

私が今回使用したタックルは、7.8ftのエギング用ロッドに2500番のスピニングリール、ラインはPE1+フロロカーボン4号というもの。エギングロッドやシーバスロッド、強めのトラウトロッドなどがあれば問題なく使えるはずです。

16_ カサゴ用のタックル
カサゴ用のタックル。根周りをタイトに探る釣りだけに、リーダーやハリスは強度のあるものを選びたい

もっともこれは投げて探ることを考えたチョイスなので、穴釣り主体の場合はもっと短いロッドが使いやすいと思います。どちらにしてもねらうポイントは複雑な障害物周りゆえ、ライン(ショックリーダー)は3号以上を使うことをオススメします。

成長の遅い魚ゆえ、釣り過ぎにはご注意を

なお、私は自分の手のひら(19cmあります)からはみ出す大きさを目安にして、それより小さい個体はできるだけリリース。持ち帰る場合もキープは1回の釣行で5尾までと心がけています。いつまでもこの身近な釣りを楽しめるよう、釣り過ぎには注意したいものですね。

マス類は管理釣り場で周年楽しむことができますし、カサゴ・ムラソイといった根魚は、これから秋までがベストシーズン。みなさんもぜひ、身近な釣り場でトライしてみてください。

17_ カサゴ2
リリースの目安は自分の手のひら。身近なカサゴ釣りがいつまでも続くよう、過度のキープは控えている

レポーターREPORTER

プロフィール:高橋 大河
1960年東京都出身。釣り媒体の編集・ライティングを経て現在はフリーランスで活動するライター。得意な釣りは、淡水・海水のルアーゲームをはじめとした身近なライトゲーム全般。間口が広く奥の深い釣りがとくに好き。「釣りは釣れなくても楽しい」がモットー。