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みなさん、「タナゴ」ってご存知ですか? タナゴは日本各地に生息する小型のコイ科の魚で、種類にもよりますが大きさはだいたい3~10cmほど。釣りのターゲットとしては世界最小ともいわれている魚です。また、繁殖期のオスの婚姻色はキラキラと色鮮やで、まるで小さな宝石のようです。そんな魅力たっぷりのタナゴの生態や釣り方を紹介したいと思います。
世界最小のターゲット「タナゴ」ってどんな魚?
タナゴは日本各地の河川の中、下流域や用水路、ワンド、池など、私たちが生活する身近なところに生息しています。日本には18種類のタナゴがいるそうですが、地域によって生息している種類が限られていて、私の住む関西ではおもにタイリクバラタナゴ、ヤリタナゴ、シロヒレタビラ、イチモンジタナゴ、アブラボテ、カネヒラなどが生息しています。タナゴは流れが緩やかで隠れるところの多いアシ際や石の隙間などに群れで生活しており、雑食で小さな虫やプランクトン、藻や水草など食べています。
タナゴは種類によって春から夏にかけて繁殖するものと秋に繁殖するものがいるそうで、繁殖期のオスは宝石のように色鮮やかに輝きます。またその繁殖方法も独特で、メスは産卵管という管を伸ばし、その管を二枚貝に差し込んで貝の中に産卵するとのことです。
タナゴはどうやって釣るの?
こんなところをねらってみよう
タナゴは流れの緩やかなアシ際や石の隙間などにいるため、まずはそうしたポイントを探してみましょう。大きな河川や湖より、河川の支流や用水路、ワンドといった小場所の方がタナゴを見付けやすく釣りやすいのでオススメです。タナゴはその繁殖方法から必ず二枚貝とセットで生息しているため、貝がいるかどうかもタナゴを見つける目安になります。
タナゴを釣る仕掛やタックル
竿はぶっちゃけどんなものでも大丈夫です(笑)。安価なグラスの振り出し竿でも十分にタナゴ釣りを楽しめます。岸際をねらうことが多いので、長さは90~120cmの竿が使いやすいです。
仕掛は市販のタナゴ仕掛が便利です。仕掛の糸が細いため、釣行中によく草木や服にハリを引っ掛けてしまうのですが、小さなタナゴバリは外すときに変形しやすいので、予備のハリだけは多めに持っていると安心です。
また、エサは卵黄を小麦と混ぜ合わせた黄身練りやヘラ釣りでも使われる練りエサのグルテン、生きたアカムシなどが定番です。そのなかでも練りエサは小さいタナゴでも口に入りやすいのでオススメ。タナゴ専用で市販されているエサならかんたんに本格的な練りエサが作れちゃいます。
かんたんで奥深いタナゴ釣りに挑戦
ちょっとしたコツでアタリの数が倍増
タナゴは特別難しいテクニックがなくても釣れるのですが、アタリが少ないなぁと感じたときは「誘い」を入れてみてください。
「誘い」は仕掛が馴染んでから少し待って、そのあと数cm持ち上げるだけ。再び仕掛が馴染んだときに反応が出ることが多いので、誘ったあとはアタリを見逃さないように集中しましょう。じーっとアタリが出るまで待っているより誘いを入れた方がアタリの数が倍増しますし、アタリが出るタイミングが予測できるのでしっかりとアワセることができます。
タナゴのアタリは水中にある目印が動くだけのことがよくあります。なので、ウキだけを見ずにしっかりと水中の目印にも注意してください。目印が小さく「ツンッ!!」と引っ張られたり、「スーー」っと横に動いたり、下の方の目印が斜め上にフワっと浮くなど、怪しい動きをしたら積極的にアワセてみましょう。もしアタリではなくタナゴが釣れなくても、アワセを入れることで付けエサが落ちてマキエ代わりにもなりますので全く問題ありません。
タナゴ釣りの魅力にどっぷりハマりました
4月上旬、婚姻色が美しく出だしたタイリクバラタナゴを釣りに、近くの河川のワンドに行ってきました。タナゴはいれば反応が出ることが多いため、釣り場に着いたらまずはタナゴの付き場を見付けるために移動を繰り返します。この日も10数ヵ所移動し、アシ際のポイントでタナゴの反応を見付けることができたので、ここで腰を下ろしてじっくりとねらうことにしました。
誘いを入れると水中の目印には反応があるのですが、なかなかハリ掛かりしません。このアタるのに釣れないもどかしい感じが大好きで、うまくアワセが決まったときの満足感はたまりませんね。
結局、小一時間ほどで数尾のタナゴを釣ることができたのですが、「あのアタリを取れていればもっと釣れていたのに…」と思うとまたすぐにタナゴ釣りに行きたくなってしまいます。こうしてみんなタナゴ釣りにハマっていくのでしょうね。
タナゴ釣りはその釣り味だけでなく、職人の技術が光る道具にこだわったり、美しいタナゴを観察したりとさまざまな楽しみ方があります。小さな道具、小さな仕掛、小さなアタリ、小さなターゲット…。この魅力あふれる小さな世界のタナゴ釣りに、ぜひみなさんも挑戦してみてください。
最後に、タナゴは自然界でその数がどんどん減ってきています。いつまでもタナゴ釣りが楽しめるよう過度の乱獲は避け、元気な状態で川に返してあげてくださいね。
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レポーターREPORTER
兵庫県在住
海のエサ釣りに始まり、ライトゲーム、青物釣り、タイラバを経て、ここ数年は渓流ルアーやエリアトラウト、アユ釣りなどをメインに、家族で釣りや川遊び、キャンプなど自然を満喫。「ライトガチ」をモットーに道具や方法にこだわり過ぎず、楽しむことに全力を注いでいる。
インスタグラム:
@azuman1980 (URL:https://www.instagram.com/azuman1980/)