知っておきたい!正しいドラグの設定方法
リールの機能を駆使して大物ゲット!?

ドラグの特性を知って、魚とのやり取りを有利に!

ドラグの設定値が同じなら以下の特性があります。
○ロッドを立てるとドラグ出にくい
○ロッドをねかすとドラグ出やすい
○スプール径が太いとドラグ出やすい
○スプール径がやせるとドラグ出にくい

スピニングリール、ベイトリールともにラインを収納するスプールの外径サイズは、ドラグの設定強度に大きく影響を与えます。どういうことかというと、スプールの回転軸を中心にスプールエッジまでの距離(=半径)が長ければ長いほど、少ない外力でドラグが引き出されます。つまり、スプールに収納されているラインの量が変化することでドラグの強度も変化することになります。
スプール一杯にラインを収納している状態でドラグの設定をするのが一般的ですので、ラインをスプールの半分まで放出した状態ではスプールの外径が小さくなるために、初期のドラグ設定値よりもドラグの強度が増すことになります。深海ジギングや大型魚を相手にする場合にはとくに考慮しなければなりません。

09_ ラインスプール
ベイトリールのスプール。メインシャフトからスプールエッジ(収納ライン量)までの長さが変化するとドラグ強度も変化します。メインラインが多く放出されているときにはドラグ強度が強くなります

ドラグの設定方法でも触れていますが、ロッドの弾力を活かした場合とリールと直線的なやり取りをした場合でもドラグの特性は変わります。ロッドを立ててガイド抵抗がある場合とロッドを曲げずにリールで魚をコントロールした場合では、後者の方が(同じドラグ設定値でも)よりドラグが出やすくなります。ロッドを立ててファイトすると、魚のパワーをロッドで吸収してしまうのでドラグは出にくくなるというわけです。
いわゆるロッド曲げファイトは魚の動きをうまくいなすことができる反面、魚のパワーを受け止めるアングラーの負担が増します。大型魚とのやり取りの際には、ときにロッドの弾力を殺してリール主体でやり取りすることも、アングラーの体力温存には効果あります。ドラグをうまくコントロールしてやり取りすれば、アングラーの体力以上の大型魚も手中に収めることが可能になるのです。

いずれにしてもドラグの特性をしっかりと理解し使いこなすことが大切ですね。

慣れてくればドラグコントロール!
ただし、ときには身体も使って対処も…

魚からの攻めをかわすイメージのドラグですが、使い方次第ではアングラーの大きな武器となります。ただし、シチュエーションによっては身体をうまく使って、ドラグの足りない部分を補うことも必要になってきます。

10_ ハンドドラグ
親指でスプールを押さえてのマグロとの攻防。こういった力加減は経験値がモノを言います。ストレートポンピングはリールへの負荷が高いですが、素早い寄せが可能です

ドラグコントロールとは魚とのファイト中にドラグの強弱を調整し、積極的に魚にプレッシャーを与えてファイト時間を短縮すること。また、キャッチ率を上げるためにドラグをうまく活用することです。
単にメインラインの破断を防ぐだけではなく、魚とのやり取りに合わせて強弱を調整することで素早い寄せが可能になります。素早くキャッチできれば魚のダメージも最小限にできるので、リリースの成功率も高くなります。とはいえ、魚とのファイト中にリールドラグの設定値を変えることは慣れが必要です…。

一般的には、ドラグの初期設定値は魚を掛けてからランディングするまで変えずに使用するのが無難です。リールの扱いや魚とのファイトに慣れてきてから、徐々にファイト中のドラグ強度を加減していくとよいでしょう。
ドラグコントロールによりさらにキャッチ率の向上やファイト時間の短縮を目指す際、やってはならないNG行為はドラグをロックさせてしまうことです。ドラグを締めすぎてラインの出を止めてしまっては、最後の抵抗でラインブレイクしてしまうことも考えられます。そのためにもドラグの初期設定値を身体で覚えておくこと、設定値を変更したときはドラグ値の確認を怠らないことが大切です。

11_ レバードラグ使用
レバードラグリールを使った釣りではドラグコントロールがよりかんたんにおこなえます。レバーの位置を変えることでドラグ強度を自在に変えることができるのです
12_ スタードラグ調整
スタードラグリールではドラグ強度を変更したとき、ラインを手にとってドラグを引き出してみて強度を確認します

リールのドラグ性能は年々進化しています。最大ドラグ力の向上は大型魚とのファイトには不可欠となっています。しかしドラグは万能ではありません。どうしても魚のスピードにドラグ性能がついていけずにラインブレイクしてしまうこともあります。
たとえば、ボートでの釣りで魚を寄せて船ベリでの攻防の場面を思い浮かべてください。船下に鋭角で突っ込むように魚に突進されると、ロッドの保持角度によってはドラグの出が悪くなりラインブレイクの可能性が高くなります。このような場面ではドラグを緩める猶予すらないことが多いものです。そんなときは身体をドラグ代わりにして凌ぐのが正解。ロッドで魚を押さえ込もうとせずにロッドティップを魚の動きに合わせて追随させるのです。ロッドティップを水中に突っ込み船底をかわしつつ、魚のパワーを吸収するのがベストでしょう。
このように、状況によってはドラグによるラインブレイク回避よりも身体をうまく使って魚の動きに先手を打つことも求められます。

13_ 大物とのやり取り
大型魚との船ベリでの攻防。ロッドの保持角度と魚との位置関係、船底へのライン擦れなど、ときにはドラグだけで対処できない場面も多いものです。身体や腕を使ってうまく魚をコントロールするのも大事

また、最大ドラグ力の低いリールにオーバーパワーのラインを使用した場合、魚とのやり取りにはハンドドラグ(※)も必要になります。リールのドラグなりに魚とのファイトを続ければ、イタズラにファイト時間が長くなってしまいます。ハンドドラグでのファイトは慣れが必要ですが、いざというときに対応できるように心の準備をしておくことも大切です。

※ハンドドラグとは、ラインの出を手や指でスプールを押さえながら調節すること

 

いかがだったでしょうか? ドラグを使いこなすというと少しハードルが高いと思われるかもしれませんが、ドラグ使用のポイントをしっかりと押さえて向き合えば、決して難しいことではありません。
タックルの進化でストレートポンピングなどファイトスタイルにも変化が現れ始めていますし、ドラグを使いこなすことで非力なアングラーでも大型魚と楽に戦うことも可能になりつつあります。うまく使いこなして大型魚をねらってみてください。

 

レポーターREPORTER

堀籠 賢志
プロフィール:堀籠 賢志
フライフィッシング、バス、シーバス、ロックフィッシュ、フラットフィッシュ、エギング、鮎釣りまで、さまざまなジャンルを釣りこなすマルチアングラー。現在はスーパーライトからヘビークラスまでジギング全般と、メタルスッテを中心としたイカ釣りに取り組む。
東北エリアの面白い釣りを発信することで、震災復興に繋げていきたいという熱い想いのもと活動中。
GOMEXUS社フィールドテスター /tamaTV社フィールドモニター /キーストン社フィールドサポーター などを務める。
ブログ:Anglershighごめのブログ