新緑で開幕!夏に向けて熱くなる
毛バリで楽しむ「チャブフィッシング」

突然ですが、私は「淡水の小物釣り」が好きです。とくに入れ込んでいるのが、オイカワやカワムツといったコイ科の小魚を擬似餌でねらう釣り方。最近、ちまたで「チャビング」「チャブトレック」などと呼ばれている釣法ですが、私はルアーではなく、毛バリの「チャブフィッシング」というスタイルです。
丘陵が若葉で萌え出したら、当地のその年の毛バリ・チャブフィッシングの開始時。当記事では、毛バリ釣りのちょっとしたコツをお届けしますので、ぜひ一緒に新緑のフィールドへ向かいましょう!!

補足:

「チャブフィッシング」は、チャビングに同義ではあるものの、ルアーだけでなく、毛バリ(フライ)や流し毛バリも含む、より広義な意味で使われることが多い言葉(歴史も古く包括的な呼び方)。
「チャビング」は、オイカワやカワムツ、ウグイといった日本の「里川の小魚(雑魚)=チャブ(Chub)」をルアー(スプーンやスピナー)で釣るルアーフィッシングのスタイル。
「チャブトレック」は、チャビングの進化形または新しい呼び方。単に釣るだけでなく、小川を探索(Trek)しながらお気に入りのポイントや美しい魚を追い求める、より能動的・探求的なスタイル。

ミニマム装備で楽しむ!
私のチャブフィッシングスタイル

釣りの前に、私のタックルの話を少々…。清流の小魚釣りのため、タックルはおのずとミニマムです。竿とラインと毛バリ。単純にして明快。たったこれだけです。

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愛用のバッグとテンカラロッド。竿をバッグに仕舞えばポイント移動もラク

「チャビング」「チャブトレック」というと、カワムツのルアーフィッシングをイメージしますが、私の釣法はラインの先に小さな毛バリを結んでピュッと投げ、毛バリにカワムツが食い付いたら、竿を跳ね上げて掛ける。つまり、「テンカラ」「和式毛バリ釣り」と呼ばれる釣り方です。身軽かつ手軽で、小回りが利くところが気に入っています。

竿とラインの長さですが、竿は一般的なテンカラ釣りと比べると、かなり短めの2.6mです。渓流のヤマメ釣りでも同寸の竿を持ち出すことが頻繁なのですが、理由は取り回しがひじょうにラクなのと、畳むとショルダーバッグに仕舞えるからです。
そして、メインラインの長さは4.3mです。この先に70cm程度の0.6号ほどのハリスを接続し、毛バリを結びます。メインラインの太さはフロロ4号です。渓流のテンカラ釣りをやっている方からすると太目かと思いますが、これには通うフィールドならではの理由があるからです。それについては後述するとして、これで準備完了! 川へ行ってみましょう。

里川はカワムツ・オイカワの素敵なフィールド

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牧歌的里山風景。ランドマークの巨木

ホームフィールドの川に到着しました。どうですか、素敵な所でしょう?
真っすぐな小道を挟んで南側に森へと続く田畑、北側に穏やかなせせらぎ。土手ではソメイヨシノの並木が緑陰を作り、森からは野鳥のさえずりが聞こえてきます。緑色の大地。若葉が風にそよぎ、シャツ1枚で過ごせる陽気です。

こんな日は、羽虫も盛んに羽化しますから、魚たちの毛バリへの反応もきっとよいでしょう。

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オイカワとカワムツが混棲する里の清流。風も爽やか

大きくても問題ない毛バリサイズ

カワムツの毛バリ釣りで知っていて損のないポイントを、幾つかかんたんにお伝えしましょう。経験からのアドバイスになりますが、実は毛バリのサイズにはさほど神経質になる必要はないということ。むしろ、盛期の夏は「えっ、こんなに大きくても大丈夫?」と驚くほどのサイズが効果的です。

そのサイズは、フライフィッシングのヤマメ釣りなどで用いる12番! オイカワは別ですが、陸生昆虫も捕食するカワムツにビッグ毛バリは必須です。大きな毛バリには、大きなカワムツが先頭を切って最初に飛び付いてきます。ただ、3~4月ごろは14~16番程度でいいでしょう。

ボディカラーとしては赤、蛍光の緑、シルバー、ピーコックなどに実績がありますよ。

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この毛バリのサイズは14番。春でも問題なくアタックしてきます

ただし…パターンにはこだわろう

どんな毛バリでも何らかの反応をしてくれるのが、好奇心旺盛なカワムツです。彼らはエサに貪欲です。でも、だからといって毛バリは何でもいいワケではありません。“毛バリ釣り師”を自称している私としては、やはり相手に最大限の敬意を払い、これはという毛バリをプレゼンテーションしたいのです。

私のお気に入りのパターンは、ダントツに「ソフトハックル」。浮かべても、沈めても、いい働きをしてくれる大のお気に入り毛バリです。前述のボディにヘンハックル(雌鶏の首の羽)をパラリと巻いて作ります。

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多用するソフトハックル毛バリ。夏場はこのひと回り上のサイズの12番も結びます

トロフィーをねらうなら、1投目が勝負!

カワムツの平均サイズは10~13cmほど。15 cm以上あったらもう大型です。マニアとしては20 cmを超えたら、ヤマメの尺モノ以上の価値でしょう。即、SNSに投稿しちゃうサイズです(笑)。

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春のカワムツ。蛍光グリーンの14番をガッツリ。フックはバーブレスを使おう

流速の緩やかな水深があり、周囲に隠れ場所や頭上に木々が張り出しているところをカワムツは好みますので、川を遡行しながらこのようなポイントに遭遇したら、慎重にねらいましょう。

大型のカワムツはそのポイントの中で、エサが集まる(落ちてくる)場所に陣取っています。頭上を意識している大型カワムツの水面への毛バリの出方といったら、それはもうかなり衝撃的ですよ。ほんと、ハマります。

夏は大型ねらいの最適期

私が子どもだったころ(半世紀以上も前)、埼玉県西部の当地ではオイカワのことを「アカンバ」と呼んで珍重していました。しかし一方で当時は、カワムツはまだ関東圏には分布を広げていませんでした。

夏季の繁殖期になると、オイカワのオスは派手なオレンジや緑に体を染め、メスに猛アピールします。同県の秩父や熊谷などでは婚姻色をまとったオイカワを赤くなったハヤということで「アカンバエ」と呼んでいますが、当地の呼び名はその短縮形だと思われます。
(それとも、私が誤ったまま脳裏に残したのでしょうか…)

夕焼け空と追いかけっこをするように、夢中になってアカンバと遊んだあの夏。アカンバは幼い心に強烈な印象を残しましたが、邪心に満ちた(?)大人になってしまった今、過ぎ去ったあの夏の出来事のような体験は味わえていません。

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夏場の夕暮れは、大物と出会える最高の時間

2026年の夏は、これでもかというほどカワムツと濃厚接触し、干からびた精神を潤したい……そんな気持ちが猛烈に高まっています。夏場は大きなカワムツと出会えることのできる最適なシーズンですから。

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大き目の毛バリを水面で躍らせると、難なく

ところで、先ほどメインラインは4号を使用するとお伝えしましたが、その理由を…。
実は私がホームフィールドとするこの川は、ブラックバスも生息しているのです。私はバス釣りもやりますから、バスの魚影を見つけたらボリュームのある毛バリでねらいます。その際、太いラインの方が都合がよいのです。
……話が長くなりましたね。さあ、足を水に浸してカワムツと対面しましょう。


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レポーターREPORTER

小島 満也
プロフィール:小島 満也
埼玉県在住
釣り雑誌「北の釣り」(廃刊)東京支局員後、地域紙の記者を勤め、現在は業界紙に記事執筆中。淡水の釣りがメイン。幼少より清流で遊び、青緑やオレンジに体を染めるオイカワや愛らしいカジカの存在を知る。フライフィッシングから和式毛バリ釣りに転向したものの寄る年波に勝てず、近年は釣り場が渓谷から民家近くの里川に。オイカワやカワムツといったチャブフィッシングに興じながら、河原でエモーショナルな夕焼けを待つのが楽しみ。そんな釣り場への移動は50ccのエコなカブ。Cubに乗って、Chub釣りへ!