実は“左”カレイもいるんです!
左ヒラメに右カレイ。ヒラメとカレイの見分け方を言い表したこの言葉、一度は聞いたことがあるでしょう。
背中を上にして、頭が左にくるのがヒラメ、右にくるのがカレイという意味ですが、実はカレイなのに頭が左にくる“左カレイ”もいたりします。日本ではヌマガレイがそうですね。また偶発的な奇形としても左カレイ・右ヒラメが現れることもわりとあるようです。カレイとヒラメ、目の位置ではない本質的な違いはドコにある?
海底にそっと紛れて暗躍する海の忍者 - カレイ
実はカレイって色んな種類がいるんです
ひと口にカレイと言っても、日本沿岸だけでも30種以上、世界的には100種を超すというバリエーション豊富な魚です。
体長は種によって様々。ヒラメより小さい魚というイメージがあると思いますが、カレイ科の仲間には、体長3m(!)を超えるものもいるオヒョウをはじめ、アブラガレイなど1m以上に成長する巨大種もいたりします。とはいえ平均的にはヒラメよりひとまわり小さく、最大で40~60㎝ぐらいの種が多いようです。
分布範囲・生息域に関してもひと口には語れませんが、基本的には冷たい海水を好む種が多く、日本では北海道や東北など北に行くほど、また日本海側の方に多くの種類が分布しています。
カレイはどうやって釣る?
カレイの好む砂底広がるサーフでの遠投釣り、気軽に堤防からのちょい投げ、あとはポイントを直撃できる船釣りの3つがメジャーでしょうか。前者2つはいわゆる陸っぱりの釣りなので、射程範囲以内にカレイが入って来ないと話になりませんが、秋から冬へと向かう今の時期は産卵に向けて接岸してくる種が多いので釣るには絶好の時期です。
サーフ投げ釣り編
広いサーフから大海原に向かって思いっきり遠投! 長い竿を力いっぱい振り抜き、重い仕掛をビシュ~っと飛ばす快感。投げるたびにスカッとストレスも解消できてしまいますね。
基本的には待ってアタリを引き出す釣りなので、複数の竿を出した方が効率的。複数の竿を用意できたなら、遠く・近く・その中間といった感じで距離を変えてみたり、扇状に投げて範囲を広げてみたりして、カレイと出会う確率を高めていくといいでしょう。
あとはカレイが食いつくまで一杯やりながらのんびり待つもよし、アクションを付けて誘うもよし、仕掛を移動させて広く探っていくもよし、です。
アタリの出方は、かすかに竿先を揺らすようなアタリ、ラインテンションがフッと緩むようなアタリなど、分かりにくい微妙なものがほとんど。カレイの捕食は砂泥底に潜んで目の前のエサを食むのが基本スタイル。エサを追ってキャッチして走るというような捕食は稀で、引ったくるようなアタリはあまり出ません。
カレイ釣りは潮汐の影響がかなり大きい釣りと言われています。潮の止まり際と動き始めにアタリが集中することが多いようで、それ以外は全く反応がないということもよくあります。事前に釣行日の潮汐表を調べておいて、満潮と干潮の前後は釣りに集中した方がいいでしょうね。
アタリに気付いたら、十分に食い込ませておいてから合わせを入れます。ここまでにアタリがあったのか今アタってるのかすら分からなくても、何となく違和感を感じるとか、時間も経ったしそろそろどうかな?とか、適当なタイミングで合わせを入れてみてもいいでしょう。合わせは竿を大きくあおる感じでOK。それで魚の感触が伝わってきたらヒットしているのでリールの巻き取り開始。反応ナシなら、糸フケを取ってからまた放置。空合わせついでに仕掛の位置を変えてみてもいいでしょう。
サーフ投げ釣り・ポイントの探し方
狙うべきは“変化”。変化の少ないサーフだからこそ、わずかな変化にも魚は付きます。川の流れ込みなど一目でわかる地形変化はもちろんですが、カケアガリや根(砂底の中に点在する岩場)など水中の地形変化、また離岸流など潮流の変化のある場所も有望です。
サーフ投げ釣り・タックル
竿は、投げ釣り専用竿があれば文句なしですが、カレイ釣り自体がそれほどシビアな釣りではないので、そこまでコダわる必要はありません。4m前後の長さがあり、20~40号ぐらいのオモリが背負えれば十分使えます。
リールも、飛距離の出る投げ釣り専用リールがベストですが、こちらも中~大型スピニングリールの流用で十分です。スズキなど大型の外道が掛かることもあるのでドラグ付の方がいいでしょう。
ラインは、ナイロン4号あたり。飛距離や感度を重視するならPEラインに分がありますが、食い込みのよさや使い勝手、コストも考えるとナイロンで十分。長さは200m以上欲しいところです。
サーフ投げ釣り・仕掛
仕掛は、道糸の下にオモリを付け、その下にいわゆる投げ釣り仕掛を結んだものが基本。投げ釣り仕掛は、鈎に注目して買うこと。アオイソメをたっぷり掛けることができて、なおかつカレイの小さな口にも入りやすいカレイ専用鈎が必須です。
その上でカレイへのアピールを担う発光玉やエッグボールやフェザーといったアクセサリーパーツの装備具合で選ぶといいでしょう。アクセサリーは、単純に派手でアピール力が強い方がいいというものではありません。アクセサリーには確実にカレイの集魚効果がありますが、フグやベラなどのエサ取りも集めてしまうので。目立つ物、目立たない物、その中間ぐらいを用意しておいて、状況に合わせて使い分けていくのがベストですが、釣り場で頻繁に仕掛を変えるのは面倒ですよね。
そこで、あえて1つだけに絞るなら(筆者の個人的なオススメで恐縮ですが)、弊社の『投げの達人・速潮カレイ・全身ブラック仕様・フェザー付』が万能で使いやすいですね。ブラックフェザーの地味な色合いがエサ取りの興味を引かないのかエサ取り被害は最小限。しかし仕掛が目立たない全身ブラック仕様は、その分エサの存在を際立たせるのか、カレイへのアピール力も高いと実感しています。
鈎の号数は10~14号あたりで。号数が小さすぎるとエサが付けにくくエサ取りにやられがちですが、エサの垂らし部分ばかり食われる時は号数を下げてやるといいことが多いです。またフグの多い場所ではハリスが痛められやすいので予備にバラ鈎を用意しておくといいでしょう。
オモリは、遊動式の天秤オモリで。仕掛が自由に動く遊動式は、カレイが違和感を感じにくく、また天秤はキャスト時にアームの分だけ仕掛がラインの外側にオフセットされるので絡みにくいのがメリットです。重さは20~40号(1号=3.75g)あたり。号数は風や潮流の速さに合わせて、仕掛が流されないように調整します。根の多い場所ならジェット天秤が根がかりしにくいので使いやすいでしょう。
ラインは、ナイロン4号あたり。飛距離や感度を重視するならPEラインに分がありますが、食い込みのよさや使い勝手、コストも考えるとナイロンで十分。長さは200m以上欲しいところです。
サーフ投げ釣り・エサ
エサはアオイソメがメイン。ヤワだけど集魚効果バツグンなマムシ(ホンムシ)や外皮が硬くエサ取りに強いユムシなども、値段は張りますが、好適です。それら以外でも地元スペシャルみたいなエサもあったりしますので、釣り場近くの釣具屋さんでオススメを聞いて購入した方がいいでしょう。
エサの付け方は、アオイソメは房掛けで。1匹を通し刺しにしてから2~3匹ぐらいをちょん掛けにします。マムシは1匹を通し刺しに。ユムシは大きいので半分ぐらいにカットしてから通し刺しにします。いずれも垂らしが4~5㎝ぐらいになるように切りそろえておきましょう。長すぎると鈎がカレイの口の中に入ってくれないので。もちろん短くし過ぎるとアピール力が落ちてしまいますよ。