今から知りたい!エギング STEP UP 【エギング実釣編】秋の場所別アプローチ!
アオリイカの反応とポイントを探り釣り歩く!!

3.早朝の堤防・漁港

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堤防・漁港は、足場がよくて釣りがとてもしやすいポイントなので人気の釣り場です。そのため釣り人も多く、競争率が高くなります。単純に100杯のイカがいたとして、そのイカをねらっている人が「1人なのか?」「100人なのか?」と考えたときに、当然少ないに越したことはありません。それでも、釣りのしやすさを優先して人気釣り場で釣りをするとなった場合、どうすればよいのでしょうか?

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個人的に、タイミングよく潮通しのよい場所に入れれば、回遊ねらいで粘ったりもします。ですが、秋というハイシーズンであれば誰もがねらっていないポイントにアプローチすることで、警戒心の薄いイカが釣れると考えています。
たまには予想外な発想も必要でしょう。思いもよらないポイントをねらえば、意外な場所で釣れるかもしれませんよ。

 

(1)やはりプレッシャーが高い人気の釣り場

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訪れた堤防は、平日にもかかわらず早朝からいたるところに釣り人がいて、人気の釣り場であることが伺えました。到着したのは潮が下げに向かって動き出したチャンスタイム、当然ですが先端には先行者が複数名いるといった状況。堤防や港内のスロープなどのちょっとした変化にも先行者がいて、誰もが釣れそうと思ってしまうような場所は、おそらく既に釣りをしたあとでしょう。まずは、釣り人が少なかった港内から釣りを開始しました。

最初は港内の先行者がいなかったスロープ周りを探りました。小南さんが足下で見えイカを発見しサイトでねらいましたが、まったく反応しませんでした。警戒心が高そうです…。早々に港内をあきらめて堤防へ移動し、先行者との距離を取って外向きで釣りをすることにしました。

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外向きにも意外に見えイカがチラホラといたので、サイトフィッシングでねらってみましたが反応はナシ。沖側もねらってはみたものの同様に反応を得られません。やはり釣り人が多く、どのポイントも警戒心の高いイカばかりなのでしょう。そこで、まだ手付かずになっていそうなポイントを予想して探ることにしました。

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まず、ねらってみたのは浅瀬です。キャストした先は着水からわずかで着底するほどの、深い場所でも1mもないポイント。海底は根が荒いので、着底させるとすぐに根掛かってしまうような釣りにくいポイントです。ところが、ゆっくりと沈む2.5号のエギに変更してロッドは立てたまま水平フォールで誘うと、すぐさまヒットしました。アタリも明確で、エギを見つけてすぐに抱いてきたような印象でした。

次にねらってみたのは堤防の内向きです。先行者の動きを横目で見ていましたが、誰もねらっている様子がありません。試しに堤防の内向きに軽くキャストし、着底後に目視できるところまでアクションを加えながらエギを寄せ、ステイさせたのちに反応がなければ回収するといった具合に、少しずつ移動しながら繰り返していきました。すると、数杯のイカが勢いよく追いかけてきて、エギをフォールさせるとすぐに抱きました。まさに灯台下暗し。型はそれほどでしたが、足下にイカは潜んでいました。

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早朝の漁港では大抵のポイントでイカがまったく反応してくれず、警戒心がひじょうに高い釣り場でした。ですが、ポイントによっては好反応を示すイカをヒットさせることができました。大勢の釣り人がいる釣り場でも、探せば竿抜け(≒手付かず)になっているポイントがあるということを実体験できました。

(2)「意外!?」なポイントをねらうのが近道?

本来であれば釣果が望める、潮が動き出した早朝のチャンスタイム。反応のよいイカがすぐに釣れてもよいタイミングだったと思います。ところが、足場のよい人気ポイント「堤防・漁港」であったことから先行者が多く、イカがひじょうに警戒しているポイントでした。そこで今回は、警戒心の低いイカを探すという発想で、誰もがあまりねらわないであろうポイントを探ることにしたワケです。

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すぐに根掛かってしまうような釣りづらいシャロー(浅瀬)や、見落としがちな堤防の足下(基礎や石積み)などには、意外にもイカが潜んでいます。プレッシャーの高い人気の釣り場でも、こうした「意外!?」なポイントを探し出すことができれば、まだまだチャンスがあるかもしれません。見方を変えて「釣れそう」なポイントをねらうのではなく、「釣れなさそう」なポイントをねらってみるのも、新しい発見があるかもしれませんよ。

今回の重要ワンポイント

  • ●昼間の「サーフ」はやってみないと分からない!? 広範囲に手早く探るべし
  • ●夕方の「地磯」ではイカの反応をまず見る!潮の動きにも注意を払うべし
  • ●早朝の「堤防・漁港」は「釣れそう…」に騙されるな!ときには新しい発想と視点も大切

 

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13回目の今回は、秋のエギングにおいて刻々と変化する状況のなかで、実際にどのようにアプローチしたかをお届けしました。
秋はイカを釣りやすいハイシーズンとはいえ、なかなか思うようにはいかないのが釣り。かんたんに釣れる場面もありましたが、苦労させられた場面の方が多かった印象です。とはいえ、どれだけ釣りに出掛けても新しい発見が尽きず、毎回勉強になり楽しかったですね。

さて次回もまた「シチュエーション別釣り方」についてです。連載もそろそろ終盤。具体的で細かい内容になってきますが、ぜひ引き続き「今から知りたい!エギング STEP UP」にお付き合いくださいね!

 

レポーターREPORTER

清水 雅史
プロフィール:清水 雅史
小学生のころ父親に連れて行かれた海上釣堀がきっかけとなり、釣り熱が加速。中学生になると、時間さえあれば近所の野池でバスフィッシングを楽しんでいた根っからの釣り好き。現在は釣具メーカー・ハヤブサにて開発課メンバーとして勤務し、ソルトルアー(エギ・オフショアジグなど)を中心に日々開発を行っている。
プライベートでさまざまな釣りを楽しむなか、とくにエギングとライトゲームを好み、近場だけでなく四国や九州にまで足を運ぶ熱血ぶり。