ブラクリってどんな釣り!? No.2 とにかく現場で「ブラクリ」チャレンジ!
初回の反省点を踏まえつつ別のポイントで釣ってみた

ブラクリチャレンジ

海に囲まれた日本は数千種におよぶ魚類が棲息し、そんな恵まれた環境が、世界でも有数の釣りが盛んな風土を育んだのは間違いない。そして魚種の数だけとは言わないまでも釣り方のバリエーションは他に類を見ないほど豊富である。
ということで「ブラクリチャレンジ」第2回は初回で試せなかったポイントにGO!

初回にはなかったケーソン継ぎ目
その隙間をねらってみる

前回のチャレンジ釣行ではテトラの穴や岸壁際のボトムにある捨て石の隙間などをチェックしたが、今回目指したのはケーソン防波堤の継ぎ目にできた隙間。とはいうものの、その隙間がなかなか見つからない。当然、きっちりケーソンが組まれた新しい防波堤はまったく隙間がないし、古い防波堤でも改修工事などで隙間が閉じられているからだ。

記憶をたどり空撮で確認し、ようやく隙間らしい隙間を確認できたのが淡路島のとあるヨットハーバー外側にある防波堤。空撮で見るかぎり3ヵ所ほど隙間が確認できる。大阪湾の沖堤防のなかには画一に隙間が存在するポイントを何カ所か知っているが、このブラクリチャレンジでは手軽さ優先で渡船を利用しない前提なので釣り場探しに苦労した。とにかく現場に行ってみるしかない。

02 防波堤(堤防)
淡路島の大阪湾側、とある防波堤。空撮で見るかぎり何ヵ所か仕掛が入りそうな隙間がありそうだが……

やはり隙間は格好のポイント
いきなりガシラがアタった!

午前8時半ごろ現地到着。曇りでいまにも雨が降り出しそうな天候。風もけっこう強いが初回のようにウネリは高くない。さっそく空撮で見つけていた隙間を目指した。
防波堤中ほどから少し先に最初の隙間を確認。隙間幅10数cmぐらいで何とかブラクリ仕掛を落とせそうだ。岸壁際にワカメはまだ残っているが初回ほどではなく、ねらうのが隙間内部なので影響ないだろう。

03 ケーソンのスリット1
04 ケーソンのスリット2
釣りができそうな隙間はこれだけ。幅は10cmほどだが、なんとか仕掛を落とせそう

しかし釣りが可能なのはその1ヵ所だけ。あと3ヵ所は隙間があるにはあるのだが、幅が数cmしかなく、その隙間にはゴミなどが詰まっていて、隙間内に仕掛を入れることは不可能だ。

とにかく貴重な隙間に仕掛を入れてみる。ブラクリは4号。前回同様1.5mイカダ竿にタイコリール、ラインはフロロ2号。エサはサバの切り身が入手できなかったため冷凍キビナゴを2~3つにカットしてハリに刺す。

05 エサのアオイソメとキビナゴ
06 エサのセット例
準備したエサはキビナゴとアオイソメ。キビナゴはカットしてハリに刺した

防波堤壁面から20cmぐらい内側あたりに仕掛をスルスルっと落としていくと、水面下2mぐらいのところで仕掛の落下が止まる。ケーソン内部に段があるようだ。そこで仕掛を少し持ち上げてピタッと止めると、いきなりグリグリッとアタリが出た!

「しめしめ! やっぱりケーソンの隙間は好ポイントですな」とスタッフDに目配せし、隙間から掛かった魚を外部に引き出すように竿を持ち上げてゲットしたのは小さいながらもガシラ(カサゴ)だった。

07 カサゴ釣果
いきなりガシラが食ってきた。「やはり隙間は最高!」と出足好調だったが……

隙間奧をねらうのは要注意!
せっかく掛けた魚が抜き出せないことも

スタッフDも同じ隙間だが、さらに内部をねらう。ただし、この隙間の途中にも1mほど下がった位置にペットボトルなどゴミが詰まっていて、防波堤の外に掛かった魚を誘導することができないので、隙間幅より大きな魚は引き上げ不可。

08 スリットをねらう
同じ隙間の奥のほうをねらうスタッフD。この位置から岸壁外までの間に障害物があるので、掛かった魚はこの場所で抜き上げるしかない……

「小さいガシラならなんとか……」と願いながらブラクリを落としたスタッフDにもすぐアタリが出た。掛かったのは同じくガシラ。何とか隙間を抜けてくれ……と願いつつも、ハリに掛かってエラブタを大きく開いたガシラが途中で引っ掛かってしまった。何とか引き上げようと強く引くスタッフDだが、ハリが外れガシラは隙間内に宙ぶらりん。そのままでは可愛いそうなので、別の竿の穂先の尻部分を利用してガシラを優しく上から突いて隙間下の海中にお帰りいただいた。

09 なかなか抜きあげられないカサゴ
ガシラがヒットするも案の定、抜き上げの途中で引っ掛かってしまった

実はこの防波堤の内部は潮が抜ける中空構造になっていて、いろいろ魚が入っているようす。しかしスタッフDが同じポイントでギンポアナハゼなどをゲットしたものの、それっきりアタリが止まってしまった。

10 ギンポ釣果
11 アナハゼ釣果
同じ隙間でスタッフD、ギンポとアナハゼをゲット。ともに細くぬめっとした魚なのでスルッと上がってきた

 

今回唯一の教訓
無理して狭い隙間に仕掛を入れないこと。隙間の出口付近をねらうのが安全である。

天候悪化でロケ終了
夏の終わりから初秋に再起をかける

そのあと、風が強くなり何ヵ所かポイントを移動したが小アタリは出るものの目立った釣果は得られず、淡路島の西側に至った時点で雨が降り出した…。結局、最後に訪れた親水護岸のボトムでスタッフDがミニガシラササノハベラを釣り上げた時点で、この日はお開きとした。

12 フグ釣果1
13 フグ釣果2
14 ササノハベラ(イソベラ)釣果
15 ミニカサゴ
16 下部がスリットの防波堤
その後、フグ!フグ!ササノハベラ!ミニガシラ! がチャレンジ2回目後半の釣果。下部がスリット状の防波堤は潮位が高ければ……何か釣れたかな?

 

ということで、次回はガシラの活性が超高い夏の終わりから初秋に総仕上げロケを敢行する予定。アタリが多い時期に、いろいろなタイプのブラクリ仕掛も試してみたいと思う。