ブラクリってどんな釣り!? No.3 とにかく現場で「ブラクリ」チャレンジ!
いろいろ釣れそうな初秋の日本海を探ってみた

ブラクリチャレンジ

海に囲まれた日本は数千種におよぶ魚類が棲息し、そんな恵まれた環境が世界でも有数の釣りが盛んな風土を育んだのは間違いない。そして魚種の数だけとは言わないまでも釣り方のバリエーションは他に類を見ないほど豊富である。
ということで「ブラクリチャレンジ」第3回は、これまでの総仕上げということで釣り場を瀬戸内海から日本海に方向転換。どんな魚が飛びついてくるか楽しみだ!

豊穣の秋。いろいろ釣れそう!
丹後半島の漁港巡りに出発

「ガシラ(カサゴ)はともかく、アコウ(キジハタ)にアオハタとかハタ類が釣れたら楽しいでしょうね」とスタッフD。「うんうん、いいですね。それにソイやアイナメとかも釣れないかなあ……」とスタッフFこと私。ということで一決! 9月初旬に京都府は丹後半島の漁港などを巡ってみることにした。

山陽道から舞鶴若狭道、京都縦貫道を乗り継ぎ丹後半島方面へ。現地の釣具店でアオイソメをワンパック購入。身エサがなかったので近所のスーパーで塩サバの切り身を仕入れ、とある漁港の外側、大きな防波堤へ。

防波堤外側は先端から中ほどまで大きなテトラ(消波ブロック)が入っていて、高さはあるが足場がよいケーソン上から、そのテトラとの隙間をねらえそう。途中から手前外側はテトラが際から沖に離れていくが、岩場の上に築かれた防波堤なのでボトムには魚が着いてそうだ。

02 堤防とテトラ
岩場の上にテトラがびっしり。根魚の宝庫間違いなし!?
A サバの切り身
B アオイソメ
エサは現地のスーパーで仕入れた塩サバをカットして。もちろんエサ店でアオイソメも

ブラクリ恐るべし!?
イシガキダイが釣れちゃった

スタッフDは、これまで通り穴釣り用のショートロッドでテトラとの隙間、足下の深みをねらうという。「じゃあ僕は!」とショートロッドでは届かないケーソン際から離れたテトラの隙間をねらうべく5mクラスの磯竿で釣ってみることにした。

すぐに結果が出たのはスタッフD。ミニガシラに続いて、まずまずサイズのガシラを連発。サバの切り身でけっこうアタリが出るという。その直後、スタッフDにそれまでにない魚の引き! ショートロッドをギュンギュンしならせて上がってきたのは何と! 20cmほどのイシガキダイ!

03 ガシラ(カサゴ)釣果_岳原雅浩
C 根魚用ショートタックル
ショートロッドで足下をねらったスタッフD、ガシラを連発!
04 イシガキダイ釣果_岳原雅浩
何と! イシガキダイ! 老成すると口の周りが白くなりクチジロと呼ばれるようになる。イシダイよりも南方系の魚だ

丹後半島などの日本海側にも、もともとイシダイは多く生息しているが、イシダイより南方系のイシガキダイを見るのは個人的に初めて。温暖化の影響で平均水温が上がったためかもしれない……。ともかく、この「ブラクリチャレンジ」では初お目見えの魚だ。

「少しでも深いところ」
穴ねらいのセオリーは丹後半島でも!

さて磯竿使用のスタッフF、さっぱりアタリが出ない。遅れてやってきたカップルもケーソン際をねらってガシラを好調に釣り上げているというのに、ケーソン際から離れたテトラの隙間からは反応が出ない。

D 足下を釣るカップル
テトラとの隙間をねらうカップル。ガシラ釣りデート?

そこで磯竿のままで釣りにくいが足下をねらってみるとアタリが出る。ここで気が付いた。足下のほうが水深があるのだ。なるほど! 岩礁の上に積み上げられているテトラの下はケーソンから離れるほどに浅くなっていたのだ。やはりブラクリでの穴ねらいセオリー「少しでも水深があるピンポイントに仕掛を入れる」を改めて実感、遅ればせながらガシラを釣り上げることができた。

E 釣りシーン
05 カサゴ釣果
長い磯竿のまま足下ねらいにシフトしてなんとかガシラをゲットしたスタッフF

そうしているうちにスタッフDのショートロッドがグニャリと曲がったまま動かない。根掛かり? 「いや、タコが掛かったんですけど、途中のテトラ壁面に張り付かれちゃいました」とのこと。一瞬、タコの姿を確認できたそうなのに残念!

キスねらいは不発
朝夕のマズメ時なら……

午後からはポイント移動。まずは近く海水浴場外側にある大きな防波堤へ。足場も海面から低くフラットで、内外にはこれまたフラットで釣りやすそうな消波ブロックが敷き詰められている防波堤だ。根魚がたくさん着いていそうだが、水深があり本命と思われる防波堤外側は風波が強く釣りにならず。浅い内側では反応がなかった。

06 フラットな防波堤
フラットで釣りやすそうな防波堤。根魚が着いていそうだったが……

そこで「直撃 ルアー系ブラクリ メタルリグ スイムタイプ」をセットし、アオイソメのエサでフルキャスト。砂底をゆっくり引いてキスでも……と思ったがアタリは出ず。キスが岸寄りの浅場を回遊する朝夕のマズメ時ならアタリがあったかもしれない。

07 キャストシーン
F 直撃 ルアー系ブラクリ メタルリグ スイムタイプ
「直撃 ルアー系ブラクリ メタルリグ スイムタイプ」にアオイソメをセット、内向きにキャストしてキスでも……と思ったが、真昼間のためかアタリなし

アオイソメでキャスト
正体不明の魚にラインをブチ切られる!

そして最後の場所移動。車を30分ほど走らせた別の漁港波止へ。テトラの隙間や防波堤際のボトムで細かいアタリが出る。何だろう? 犯人はどうやらアナハゼ。スタッフDが釣り上げて判明!?

08 アナハゼ
小アタリの犯人はアナハゼ!?

一方のスタッフF、キスをねらった「直撃 ルアー系ブラクリ メタルリグ スイムタイプ」に、またまたアオイソメを刺してシーバスロッドで港の奥に向かってキャスト。基本は砂底のようだが、ところどころに仕掛が引っ掛かる岩がゴロゴロある。そしてヤツは突然やって来た!

コツっと竿先に反応。「ん? またアナハゼ?」と思ってチョコンとアワセを入れるとガシッと引っ掛かって動かない。「ありゃ? 根掛かりか……」と気を抜いた瞬間、強い魚の引きが伝わってきた。ロッドを立て引き寄せにかかるも根掛かって動かない。仕方なくラインを緩めると、またしてもロッドを締め込む魚の動き。

09 釣りシーン2
最後のポイントで港内向きにキャスト。この数投後に正体不明の魚にラインをブチ切られる。ブラクリの可能性は無限大!?

「あかん! 切れる」と思った瞬間、張りつめていた細いPEラインが空に舞った……。良型のアコウ? チヌ? いったい何だったんだろう? とにかく穴釣りだけではないブラクリの奥深さと秋の日本海のポテンシャルを実感。後ろ髪を引かれる思いで帰路についた。

 

エサも魚の切り身、虫類だけにこだわらずカニや貝類、オキアミ、ボケなどいろいろ試してみたり、ルアーでのロックフィッシュねらいのようにワームを使うのも選択肢のひとつだろう。いろいろ可能性を秘めたブラクリの釣りをみなさんもぜひ! シンプルな釣りなので海釣り入門にもぴったりだ。