管釣りの疑問!スプーンはどれを選んだらいい?
ローテーションを意識したスプーンチョイス

エリアトラウトルアーと聞くと、多くの方がルアーの「スプーン」をイメージすると思います。しかし実際スプーンを使っても、「あんまり釣れなかったなぁ…」って経験はありませんか? 実はちょっとしたコツをつかみさえすれば、スプーンはすごく釣れるルアーなんです。なんてったって、ニジマスはスプーンが大好きですから!
「巻くだけで釣れる」「単純なルアーなのに奥が深い」そんなスプーンを上手く使いこなすために、スプーン購入時の選び方なども含め、「ローテーションの方法」についてご紹介していきましょう。

スプーンはたくさん必要?

釣り場では、タックルボックスの中に数えきれないくらいのスプーンを入れているエキスパートアングラーを見かけることがあります。でも実は、持っているスプーンの大半はその日使わない物なんです。ではなぜそんなにたくさん持っているのでしょうか?

それは、スプーンの釣りが「ローテーションの釣り」だからなんです。管理釣り場のトラウトはプレッシャーが高く、同じルアーを投げ続けるとすぐに慣れてしまいます(=スレてしまう)。そのため、頻繁にルアーを交換し飽きさせず、また、反応してくれるルアーを探す必要があるのです。スプーンの多さは手数の多さなので、たくさんあると有利なのは間違いありません。
しかし、ポイントを押さえさえすれば、初めからそんなにたくさんそろえなくても大丈夫です。私もワレット1つ分くらいしか持っていませんが、それくらいでも十分にスプーンの釣りを楽しんでいます。

お店にたくさん並んでいるスプーン…
どれを選んだらいいの?

スプーンのローテーションは「線」のつながりを意識する

釣具屋さんのトラウトコーナーには色とりどり、さまざまなスプーンが壁一面に並んでいますよね。「○○ってスプーンが釣れるよ」「この色よく釣れるよね」って感じで選ぶのも楽しいのですが、ちょっと待ってください!

スプーンの釣りはローテーションの釣りです。一番意識する必要があるのは前のスプーンとの繋がりです。
スプーンを交換する際、「次はよく釣れるこのスプーン」「その次はよく釣れるこの色」という感じの「点」でローテーションしていくと、選んだスプーンにスレてしまった場合、また一から当たりスプーンを探すことになってしまいます。そうならないためにも、前のスプーンとの繋がりを意識した「線」のローテーションがスプーンの釣りの基本となります。

「色」「形(アクション)」「重さ」の分類と選び方

さまざまなのスプーンがありますが、それらをかんたんに分けると「派手」「中間」「地味」3種類になります。ざっくりと、派手はが入っている色、中間はカラシ色、地味は茶色や深緑色といったところです。
そして、(アクション)も同じく3種類、「派手」「中間」「地味」に分けることができます。派手はウォブリング、地味はローリング、中間はその両方のアクションが入るウォブンロール。たいていのスプーンはパッケージにアクションの特徴が書いてあるので、形で見分けられなくても大丈夫です。

最後に重さですが、とりあえず1.5g~1.8gを基準とした重さと、1g前後の軽量スプーンの2種類からそろえてみてください。そこからマイクロと呼ばれるより軽い物や、2g以上の重い物などを、よく行く釣り場や季節に合わせて増やしてみてください。

ローテーションを意識したスプーンの買い方

スプーンのローテーションですが、派手な物から地味な物へ、そして色かアクションのどちらかをだけを1段階下げるようにしていきます。ですから、最低限購入しておきたいものとしては、基準の重さのものを「3種類のアクション×3色」、軽量も同じく「3アクション×3色」計18個は欲しいところです。もしくは、基準の重さのものは「派手なアクション×3色」「中間・地味アクション×2色(中間色・地味色のみ)」と、少しバリエーションを絞ってもよいかもしれません。
エリアトラウトでは活性が落ち着いてからの時間の方が長いので、落ち着いた時間に強い「地味目の色」を多くそろえていると長時間楽しめます。

【参考:形(アクション)の違う3種のスプーン】

強いウォブリングで広範囲にアピールしてくれるスプーン
ハイバースト(ヴァルケイン)

中間のアピールで少し活性の落ち着いた魚に効果的なスプーン
シャイラ(ヴァルケイン)

低活性の魚にじっくりアピールするロール系のスプーン
アキュラシー(なぶら家)

ローテーションによる、釣れるスプーンの見つけ方

釣り場でのローテーションのステップ

釣り場では毎回初めに同じスプーン、色もアクションも派手な物を投げてください。これが基準のスプーンになります。
スプーンは着水してから何秒かカウントして、一定の層を引いてきます。だいたい同じ層を3投くらい、3カウント刻みで底まで探っていきます。反応がなければ色かアクションのどちらかをだけを1段階下げ、同じように上から反応のある層を探っていくといった具合です。このようにして、少しずつアタリを探っていくようにローテーションしていきましょう。

実際にはこんな感じでローテーションしています

先日、スプーンの釣りを楽しむために、滋賀県にある管理釣り場「高島の泉」へ行ってきました。こちらでの私の釣りを例に、スプーンのローテーションについて見ていきましょう。

最初の1投目はウォブリングアクションの派手色スプーンを選びました。高島の泉はクリアな水質なので魚の反応が目で見えます。どうやら中層で追いかけてはきているものの、食いつかない様子。そこで、少しだけ色を抑えてみましたが、同様に食いつくまでには至らず…。さらにもう少し色を抑えて、中間色のカラシ色を投げてみるとやっとアタリが出ました。
しかしハリ掛かりしなかったので、もう少しゆっくり巻けるように重さを軽くしてみると、ここでヒット! そのあとも、カラシと同系色のスプーンでローテーションしましたが、スプーンへの反応自体がイマイチな感じでした。

クランクなど別の釣り方で楽しんだあと、午後から改めてスプーンの釣りを開始しました。
軽量で派手なアクションのカラシ色から始め、色を地味系の茶色にしたところでヒット。深緑にすると反応がなくなり、茶色に戻すとアタリが続きました。それでも長くは続かず、少し落ち着いてきたのでアクションをローリングのものにすると、またまたヒットが連発。こうして、ローリング系スプーンの茶色のローテーションで、終了時間まで楽しむことができました。

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この日反応があって釣果につながったスプーンを並べてみました。左上から右にカラーを落とし、上から下へアクションを落としていきました

このように、ちょっとしたポイントを押さえるだけで、今まで難しいと思っていたスプーンの釣りがラクに、そして、少ない数のスプーンで楽しむことができます。もしかすると、「なかなか釣れない…」と思っていた手持ちのスプーンも、よく釣れるルアーに早変わりするかもしれません。
ここで紹介した以外にも、スプーンの種類やテクニックはまだまだたくさんあります。この冬はぜひ、この奥深いスプーンの釣りに挑戦してみてください。


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レポーターREPORTER

東村 良平
プロフィール:東村 良平
兵庫県在住
海のエサ釣りに始まり、ライトゲーム、青物釣り、タイラバを経て、ここ数年は渓流ルアーやエリアトラウト、アユ釣りなどをメインに、家族で釣りや川遊び、キャンプなど自然を満喫。「ライトガチ」をモットーに道具や方法にこだわり過ぎず、楽しむことに全力を注いでいる。
インスタグラム:
@azuman1980 (URL:https://www.instagram.com/azuman1980/)