未開拓の地「下田・神子元」へ
大物マダイをねらって挑むタイラバゲーム!

状況変化に苦心…
一筋縄ではいかない2日目

そして2日目。やはり雲が厚いものの前日に比べ海は穏やかになっていました。ファーストスポットは前日ウネリで行けなかった場所。船長の説明を聞いただけでもワクワクする場所です。しかし、数投でそう甘くないことを悟ります(笑)。
クリアな潮はやはり前日と同じ…見えすぎて騙すことができていないのか? 根魚のアタリも遠いような状況です。続くセカンドスポットで同船者がマダイをキャッチしましたが延々流しての1枚。まとめてバタバタくるわけでもなく、根魚ラッシュともならず、前日に比べてもさらにアタリは少ない日のようでした。珍しいオゴダイがポロンと釣れたりはしたものの、本来のポテンシャルはこんなモノじゃありません。

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タイラバはいろいろな魚を魅了します。めすらしいオゴダイ、人気のアオハタも姿を見せました

「状況が急に悪化したのか?」「雨で冷えたのか?」「(ドがつく)アフターで追いきれないのか?」悩みながら釣りをする展開となりました。さらにこの日はスコールのような雨も。目の前を塞ぐ大粒の雨に負けないよう、思考を止めないようにしました。

前日に比べても潮は速く、押し戻されたり転がされたり…ほかの方が使用するタイラバを見ていても絡みが増えているような気がしました。前日のヒットタイラバ・フリースライド TGヘッドの160g、220gを軸に、スピードに変化をつけながらローテーションを繰り返します。分かってはいるもののアタリは遠い。釣れないときほど迷いが生じるのは仕方ないことです。アベレージサイズを手堅く拾えるであろうネクタイパターンも、なんとなく分かってはいるのですが…。

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スコールのような雨がピンポイントでドバーっと振る。いかなるときも集中力を切らさないようにしなければなりません
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私のボックスの中身。迷いを象徴する散らかりよう(笑)。魚の反応を見つつここから自分の信じるカラーに絞っていきます

終了間際のビッグワン!?
高速巻きと信頼のタックルが功を奏す!

これまでも、みなさんには「タイラバは最後まで…残り1分まで信じて巻きましょう!」と伝えてきたものの、まさに自分が今「無=ノーマダイ」との背中合わせの展開をしているわけで。誰の教えも、応援も、知り合いもいない状況で、自分の選択をするしかありません。「ほかと違うことをするのか?」「ほかが釣れている無難なタイラバを選択し確率を上げていくのか?」そんな心理状態が試されているのです。
そして残り1時間。「どうせ釣れないなら…」と周りと違う選択をすることにしました。ビッグワンを釣りに来ているから“リスクも伴うこと”を覚悟で。そして選択したのは、グリーンのタコベイトに「フリースライド カスタムシリコンネクタイ ツインカーリー(スペシャルグリーン)」のセッティング。大きなカーリーがシルエットにアピールを加える、過去にもビッグワンを仕留めた信頼の組み合わせです。本当に何を投入してもダメなときやデカイ魚の雰囲気があるフィールドで、ベイトフィッシュをイメージして投入します。

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高速巻き(回収)でガツガツというアタリから穂先が水中に引き込まれる。長いファイトのはじまり

漁場規則13時の沖上がり制限時間まで残り50分。海底が一気に盛り上がり、その先には異様な波がザブザブ立つほどの浅瀬を控えるスポット。船を流しその浅瀬に近付いたため回収のアナウンスが流れます。しかし、さらにもう1回落とし、ボトムを丁寧に探り、そのままピックアップに移行、高速巻きを始めたその瞬間…!! 前日に続き、テイルウォーク「22タイゲームTZ C71XUL/FSL」の穂先がガツガツと震えたのです。この日は意図的に速巻きを取り入れていたのにこの不意討ちでくることが不思議です(笑)。

私が愛用するタイゲームTZシリーズはフルソリッド特有の無段階の曲がりと、そのロングレングスの曲がり幅で魚のわずかなタッチを弾かず、違和感なく魚を反転させてフックアップに持ち込むことができるロッドです。ロッドをフルに曲げ込む重さからビッグワンと確信! 頭の振り、右左への反転、幾度となくドラグを引き出すパワーですから丁寧にファイトしました。
余談ですが「突然の魚の突進」など本当にヤバいときに、いきなり締まったり一気に緩んだりする調整幅の狭いリールはビッグマダイとのファイトでは命取りになります。一番使用したいドラグの調整幅を確保したテイルウォーク「エランSW VTN73」なら安心。微調整が可能です。長期使用でもコンデションが変わらないのも特長です。

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フルに曲がったロッド…周囲が見守る緊張感のなか、魚の大きさを感じながら丁寧にファイトします。潮に乗って魚、ラインが払い出されているのがわかります

このタイミングでの奇跡に感謝しつつユラユラと上がってくる魚を無事ネットイン。思わず拳を雨空に突き上げました。
美しい産卵から回復に向かうナナマルオーバー。私の手は震えていました。

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ネットインの瞬間、淡いピンクのボディに青いヒレが美しい。この瞬間のためにわれわれタイラバアングラーは挑んでいるといっても過言ではありません

厳しい2日間…
まだまだ答えは見えないが、素直に受け入れよう

結果的にマダイのアタリらしきものは2日間で3回。初日は11時。2日目は12時すぎ(根魚は釣れます)。本当に厳しい2日間でした。しかし、両日ともにナイスフィッシュを触ることができ、スポーツでたとえるなら、最終回? アディショナルタイム? からスレスレのところでの逆転劇のようです。深く記憶に残るゲームとなりました。

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歓喜と安堵。フリースライド TGヘッドの220gで仕留めたナナマルオーバー。感動の1枚。信頼のタイラバヘッドです

喜びと同時に「朝から無難に釣れていたら…この選択をしていただろうか?」「そのまま数釣りの展開に浸る感じにならなかったか?」あるいは、「そのまま“無”で終えることがあってもそれを我慢し、次回も同じことができるのか?」と、釣れてもなお帰りの車の中で自問自答を繰り返していた私…。自分の釣りを貫くことで生まれた奇跡へのご褒美(?)ですね。

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デップリとしたナナマルオーバー。釣れたパターンも前日と同じ。ゆっくり巻いて…回収の始まりで「ゴン」と。以前は「ねらっていない魚だから」と冷めていた自分がいましたが、最近では「自分の能力外の魚と出逢えた! 運命を感じよう!」と思うようになりました

 

20_ 船長
伊豆下田港・千鳥丸船長。ご予約TEL:090-7908-5960

「シビれるゲームがしたい!」と敢えて1人挑み、ねらって“この瞬間のために”ココに来て、そして魚が応えてくれた感動。さらに、「1日1枚でいい…、記憶に残る魚を…」を達成できた、まさに充実感に満ちた釣行となりました。
伊豆の先端、下田・神子元でのタイゲーム。私のゲームを隣で見守ってくださった下田・千鳥丸さんに感謝します。

 


基本タックル

21_ タックル
2日間使い続けたタックルたち

ロッド:  TAIGAME TZ 22” C71XUL/FSL(テイルウォーク)
リール:  ELAN SW VTN73R(テイルウォーク)
ライン:  パワーアイWX8マークド(テイルウォーク) 1号-300m
リーダー: ディテールプレミアムプロハリス(サンヨーナイロン) 5号
タイラバ: フリースライド TGヘッド(ハヤブサ) 220g /160g /125g
ネクタイ: フリースライド カスタムシリコンネクタイ ツインカーリー(ハヤブサ)
フック:  T.R.Bリングアシスト(イチカワフィッシング) L
ワーム:  タコベイト(NIKKO化成)

 

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レポーターREPORTER

中村 宗彦
プロフィール:中村 宗彦
ルアーブランド・テイルウォークのタックルをプロデュースしロッドやリールなど世に送り出す。開発・販促・生産・営業・タックルテスト…etc に携わるかたわら、国内外を飛び回り、隙を見ては釣りをすることが日常となっている。好きな釣りはタイラバとバスフィッシング。タイラバでは駿河湾をホームフィールドとし、プレジャーボートで魚を探すことを一番の楽しみにしている。かつてはJBバスプロトーナメントでの優勝経験を持ち、現在でも芦ノ湖(神奈川県)で開催されるNBCトーナメントに参戦。2019年は年間チャンピオンを獲得するほどの腕の持ち主。静岡県在住。
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フェイスブック:中村 宗彦
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ブログ:テイルウォーク開発日記