【検証】10数年前のバスルアーで
沖縄のルアーフィッシングは楽しめるのか?

私は10年ちょっと前に沖縄に引っ越してきたので、その際にあまりにも膨大であった釣具を「スリム化」しました。とくにそれまでメインで楽しんでいたバスフィッシング用のタックルは、一部を除いてほとんど某○ックル○リーさんに買い取ってもらいました。

というのも、知る人ぞ知る? なのか、周知の事実なのかはわかりませんが、沖縄県にはブラックバス生息しているものの、その場所は釣りが禁止されているダムの中。結局のところは“いないと同じ”なのです。
ダムから流出している河川には一部生息が確認されているみたいですが、そのほとんどがけっこうなジャングル地帯。毒蛇のハブがいつ出現してもおかしくないような場所が多く、ヘタレな私はリスクを犯してまで釣る気は毛頭ございません…。

しかし、バスルアーってけっこう『万能』って話も聞きます。シーバスが釣れた、チヌが釣れた、などなど。「ならば沖縄の海でも何かしら釣れるんじゃないの?」という、安直な発想からはじまったのが、今回のお話です。

10数年ぶりにバスルアーが出てきた。
さて、どうしたものか…

と、前置きが長くなりましたが…、ある日部屋を掃除していると、処分したと思っていたバスフィッシング用のルアーがポロポロと出てきたんです。沖縄にも某○ックル○リーさんはあるので、

「売りに行こうか? それとも…あ、もしかしたら近くの海で投げりゃ、何か釣れるかも?」

なんてテキトーな思い付きで、バスルアーを持って近くにある運河? 水路? みたいなところで、満潮のタイミングを見計らってキャストしてみました。
沖縄の海岸線およびシャローエリアは珊瑚礁やガレ場が多いだけに、根がかりには細心の注意が必要です。ということで、最初に選んだのはダイワのシャロークランクベイト。購入してからすでに10数年の月日が経っているだけに、目玉シールは行方不明の傷物ですが、動きはまったく問題なし。海水なだけに、浮力もさらに強くなっている感じです。ボトムのコツコツを感じつつ、ゴロタ石エリアで四方八方投げまくっていると…。

02_ ヤイトハタ
釣れたヤイトハタの幼魚。沖縄では幼魚のときはユダヤーミーバイ、成魚になるとアーラミーバイと呼ばれ、最大で1.3m、50kgもの巨体になるそうです

ん? 何か引っ掛かった? まさか魚じゃない…ィヤ、魚だよ! 釣れちゃったよ!!
釣れたのは沖縄で『ミーバイ』と呼ばれるハタ類の仲間。おそらくヤイトハタの幼魚で、20cmあるかないかだけれども魚が釣れたのは事実。

「コリャ…バスルアー、意外と沖縄でも釣れちゃうんじゃね~の!?」

なんて、たまたま釣れただけなのかもしれないのに「今後も釣れ続くだろう」という、何の根拠もない謎のポジティブ思考にひたりながら、イイ気分のまま帰路につくべくこの日は納竿しました。

偶然なのか?それとも必然なのか!?
子どもオジサンの検証が今、はじまる…!!

釣れた日の夜。イイ気分を引きずるかのごとく普段はあまり飲まないビールなんか買っちゃって、チビチビと飲みながら釣れたダイワのクランクベイトを筆頭とするバスルアーを眺めていると…、妙なチャレンジ精神がわき起こってきたのです。

「10数年前のバスルアーだけで、沖縄のルアーフィッシングは楽しめるのか?」

と、イイ歳した子どもオジサンが変なテーマをかかげて“新たなルアーフィッシング”を開拓しようと重い腰を上げました。釣り人あるあるだと思いますが、1尾でも釣っちゃうと完全に気持ちが前向きというより暴走気味になってしまい、このためだけに新たなパックロッド&リールも購入です。
あぁ、せっかくスリム化した釣具が、ホンの気まぐれでまた増加の一途をたどろうとしている…。

07_ タックル収納
パックロッドにしたのは、バイクのリアボックスにすべてを納めて身軽に動き回りたいから。タックル2本にルアーが入ったウエストバッグ、膨張式ライフベストと、ラン&ガンをするには最適な装備です

ヘタなりに考えてトライしてみたら…スピナベでも釣れた!!

ここまでシステマチックにそろえてしまっただけに、もう後戻りはできません。再び潮の巡りがよい日を見計らって、前回釣れたのと同じ場所でトライしてみました。
スタートは実績を重んじて、前回釣れたダイワのクランクベイトです。広範囲を探りながらボトムをコツコツ…コツコツ…コツコツ…釣れん! 同じくラッキークラフトのクランクベイトにローテーションしつつ、ボトムをコツコツ…コツコツ…コツコツ…。

やっぱり釣れん!! 前回の釣果はマグレか!? 自他ともに認める「ヘタの横好き」アングラーなだけに、もはやビギナーズラックと同等の釣果だったのでしょうか…。
しかし、クランクベイト以外にもルアーはあります。周囲を泳ぎ回っているベイトフィッシュのサイズを考慮して、ノリーズのスピナーベイトをチョイス。1/4oz(オンス)なのでシャローもキープしやすく、時折ボトムをコッ…コッ…と小突く程度のスピードで巻いてみました。

08_ 水面
おおよそ2~3cmの小さなベイトフィッシュの群れが、辺り一面をおおい尽くしています。潮もこれから満潮に向けてのタイミングなだけに、期待は持てるハズ…なのですが。ちなみに、沖縄中南部の河川は海と違ってけっこうマッディです…
09_ 敷石
足下から沖にかけて、大きめの石が規則的に並べられています。その隙間にミーバイと呼ばれるハタ類の仲間が潜んでいるのだと思われます。魚たちがルアーにアタックしやすいようにボトムに当てながら、もしくはスレスレをキープするのがコツ…かな?

すると……。なんとっ、また同じヤイトハタの幼魚が釣れたのです!
前回のように知らないうちに釣れていたという感じではなく、今回は水深50cmほどの超シャローエリアでスピナーベイトに食い付く様子まで丸見えでした。サイズはやっぱり小さいですが、これはひょっとして…!?

10_ ヤイトハタ釣果
今度はスピナーベイトで釣れました! 幼魚時代はオカッパリから届く範囲でも釣れますが、成魚になると生息場所を深場の岩礁帯へと移すそうです

2回釣りに行って、同じ魚が再び釣れたとなれば、これはルアーゲーム成立の基準ともなる「再現性」があると解釈してもよいのでは!? 結論! 10数年前のバスルアーだけで、沖縄のルアーフィッシングは…十分に楽しめます!!
次こそはサイズアップを期待して、デカバスキラーと唱われたデプスのスピナーベイトを筆頭に、強気のルアーを駆使してガンガン攻めていく所存です!!!

2尾釣れたくらいでは「ゲーム成立」とは言いがたし…??
やっぱり激ムズ!!

11_ 往年のバスルアーたち

…と、いきり立っていた昨年の秋が、すでに懐かしい…。
そのあと今日に至るまで、何度となく釣行を重ねたのですが、10数年前のバスルアーだけで魚が釣れてくれることはありませんでした。やっぱり偶然なのか? それとも沖縄とはいえ冬になればシャローから魚は去って行くのか? それ以前に…単に私がヘタなだけなのか!?

イロイロ想いは巡りますが、とにかくこのままでは終われません。何としてでも納得できる答えを見つけるべく、次回はボートゲームでチャレンジしてみたいと考えています。
子どもオジサンの気まぐれから始まった「10数年前のバスルアーだけで、沖縄のルアーフィッシングは楽しめるのか?」の検証、その結果はもうしばらくお待ちくださいませ…(いつになるのか、知らんけど)。

レポーターREPORTER

くどぅちゃん
プロフィール:くどぅちゃん
バイク雑誌→釣り雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライター&編集者に。個人的な趣味としてもバイク&釣りを楽しんでいるが、完全にヘタの横好きで費用対効果がひじょうに悪いのが悩みドコロ…。