INDEX
- ● 旅の釣りに求められるもの
- ● 一緒に釣りをした友人
- ● 延べ竿の楽さ
- ● あの有名熱帯魚を釣る
- ● 細い小川でハゼ釣り
- ● 石垣島ならではの小物釣り
- ● 旅の醍醐味と原点回帰
- ○ ギア紹介
HEAT読者のみなさん、そして当連載の影響ですっかり旅好きになってしまったみなさんこんにちは! 「旅と釣りを楽しむ豆知識」としてギア類の紹介から旅のコツなどを紹介してきましたが、今回は少し釣りにフォーカス。家族や友人との旅行でも、どうにかして釣りを楽しみたいという人にオススメのスタイルを紹介したいと思います。
旅の釣りに求められるもの
旅と釣りを両方楽しむためには、超欲張りになり両方とも全力で楽しむのと引き換えに荷物を増やす「超過型」と、どちらかをメインに片方はついでと割り切る「軽量型」に分けられます。(なんとなく言葉の意味に矛盾もありそうですが昔からそう呼んでいます)
先日友人を訪ねて約2年ぶりとなる石垣島へ行ってきたのですが、あくまでメインは家族旅行。釣りの時間はもちろん確保しているとはいえ、移動の休憩時間やちょっとした空き時間に隙を見て釣り糸を垂らしたい。ということで夏以来ご無沙汰だった延べ竿を引っ張り出し、文字通り「釣り糸を垂らす」ことに。これは間違いなく軽量型、それもかなり気軽な究極のコンパクトフィッシングです。
一緒に釣りをした友人
今回、というか毎回石垣島を訪れたときは案内してくれるのが友人の長嶋祐成氏(以下ナガシ)。むしろ彼の元を訪れるために石垣島まで足を伸ばしているだけと言っても過言ではないのですが、数年前から島へ移住し画家としての活動を行っている、僕的にはめちゃくちゃカッコイイ釣り仲間です。そして、彼なしでは釣った魚が一体何なのか分からないままになってしまうほど魚に詳しい先生。本当は”ナガシ”とか書いたら怒られそうですが、毎回”氏”と書くのも疲れるので許してください。
数年前に彼の描く透明感のある魚の絵をネットで見つけて、全然柄でもないのに個展に行ってみたのがきっかけで知り合ったのですが、もしかしたら読者のみなさんのなかには既に知っている人も多いのでは? 興味のある人はぜひ彼の絵と文章もチェックしてみてください。
延べ竿の楽さ
もちろんルアーロッドも持って行っていました。しかし、ここ最近ナガシがエサ釣りでいろいろな魚を釣っていると聞いていたので久しぶりに僕もやってみたくなったのでした。「延べ竿=エサ釣り」というイメージがあるかもしれませんが、毛バリを使ったテンカラだったり小さなルアーを結んでみたりその使い方は自由でシンプル。日本古来の釣り道具であり誰でも一度は手に取ったことのある(だろう)懐かしい釣りで、久しぶりにやってみるとこれがまた楽しいのです。
今回はオーソドックスにエサ釣りで、水路や潮の引いた河口などでいろいろな魚をねらってみました。実際問題、子どもにルアーを投げさせると根掛かりされたらどうしよう? と思う方も少なくないはず。エサ釣りの仕掛ならリーズナブルですし(だからといって根掛かりしてもOKではないけれど)、釣り自体もかんたんですぐに覚えてくれるはず。
あの有名熱帯魚を釣る
移動中に見つけた水路を覗いてみるとメダカのような魚が群れているのが見えます。でもよく見てみるとぷっくり太ったのと尾ビレの付け根のくびれた部分が白っぽく派手なものがいる。これ実は野生化したグッピーなのです。
網でガサッとすくえば捕まえられそうなものでしたが、ここはあえて釣ってみようと竿を出しタナゴバリをセット。エサはいつもナガシが持ち歩いている小さなエビの身をハリ先に引っ掛け、小さなガン玉を付けただけのシンプルな仕掛とも呼べないような仕掛。それをそっと魚の群れに流し込むと驚くほどアグレッシブ! あっさりとキャッチできたグッピーは色は地味ながらも野性味があり可愛いメス。思えばグッピーを釣ったのは初めてでした。
※グッピーは特定外来魚ではありませんが、生体を別の場所に運んだり飼っているものを自然下に放すのは絶対にやめましょう
細い小川でハゼ釣り
グッピーを釣っているとときどき岩陰から顔を出すハゼのような魚。しかしハゼといっても実は日本だけでもハゼの仲間って600種類以上いるんです。石垣島にはホシマダラハゼやタメトモハゼといった南の島ならではのハゼもいますが、ここで登場したのは本州でも馴染みの深いクロヨシノボリ。
目が慣れてくると結構いたる所にいた、真っ黒で一際大きなオスをねらいうち。測ってないのですがおそらく自身のヨシノボリのレコードとなる魚でした(笑)。歌舞伎の化粧をしたような顔つきに「和」を感じる魚だなと小さいときから思っていますがそう見えませんか?
すっかり延べ竿の釣りが面白くなってしまい、翌日のお昼の時間の合間にも別の川筋で糸を垂らすとまたもヨシノボリ。が、今度はシマヨシノボリという種類で顔つきだけでなく模様や色味も前日に釣ったものとだいぶ違います。
たとえばルアーだけを投げていたらこういう小さなハゼや小魚は「ベイトフィッシュがいた」というマジックワード一言で終わってしまうことが多いと思いますが、こんな小さな魚や種類の違いにいちいち興奮できるのも間違いなく延べ竿の力だと思います。
石垣島ならではの小物釣り
ここからは、僕のルアー釣りを案内がてらナガシが延べ竿で釣っていた魚たちの一部を紹介。いつも必ず首から一眼レフを掛けて、たとえ釣ったことのある魚でもしっかり綺麗な写真に残していく彼のスタイルに毎回胸を打たれる僕ですが、遂にコンデジをポケットに突っ込むだけという有様で完全に逆行しています(笑)。
イシモチ類は夜の漁港でも常連ですが、そのほかの魚はこの釣りならでは。個人的にはガンテンメギスが昔飼っていたペルヴィカクロミスみたいでかっこいいなと思いました。なかには毒のある魚もいるので注意が必要ですが、子どもを連れた旅行でも絶対に喜ばれると思いますし、綺麗な魚を自分で釣り上げてケースに入れて観察することはよい思い出になるはず。ちなみに上で紹介したナガシの絵もミスジアカヒレイシモチ。
旅の醍醐味と原点回帰
小川や水路だけではなく漁港の足下や河口で作られた潮だまりなど、覗き込むとそこら中に生き物が溢れていて、小さなハリにエサをつけて落とし込めばウキさえ必要ないような手軽な釣り。しかしそんな小さな魚たちと遊べる唯一の釣りでもあり、竿も伸び縮みして仕掛も嵩張らないコンパクトな延べ竿フィッシングはある意味究極のついでフィッシングなのかもしれません。
いつもフナやタナゴを釣ってる人はもちろん、やれば釣れるだろうなぁといくつもの水路を素通りしてきた人にもぜひオススメしたい釣り。知らない場所で釣り糸を垂れる、これは間違いなくもっと旅と釣りを楽しむためのコツと言っていいのではないでしょうか。
ギア紹介
レポーターREPORTER
栃木県在住。国内のトラウトフィッシングから海外の釣りまで、人生を豊かにするライフスタイルとしての釣りを日々模索し発信しているフィッシングピーターパン。PIKE STREET MARKETディレクター。ひと×コト×Sakana栃木PRアンバサダー。
サポートメーカー:Huerco、BIGFISH1983、Rマジックテスター。VARIVASフィールドモニター、Patagoniaプロセールスプログラム。
インスタグラム:
@shota_jenkins_konno (URL: https://www.instagram.com/shota_jenkins_konno/)
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