こんにちは! 5cmの段差でもつまずく、不器用な「さかなのおにいさん」かわちゃんこと川田一輝です。
サッカーをすればボールの上に乗ってこけたり、紙切ろうとして指ごと切ったり…。昔から不器用すぎて情けなくなったりしてきましたが、海の中を見れば「自分だけじゃないんだ」と安心できます。
今日は深くて暗い海で過ごすあまり「不器用」な進化を遂げたさかなたちをご紹介します。
不器用!でも可愛い深海魚たち
まずさかなじゃないんですがメンダコ。
っていうかそもそもタコでもないんじゃない? と思うほど不器用な生き物。
タコなのに墨袋を持ってないので墨は吐けないですし、生命力が強いタコとは思えないほど繊細な生き物。漂う様子が可愛いですが、水族館でフワフワしてるときは弱って死にそうなとき……だそうです。
続いて不器用なのはこのさかな!
さかなやけど、泳ぐのや~めた!
水深740mまで生息することが確認されてるワヌケフウリュウウオ。背中に、名前の由来である「輪」の模様があります。
ワヌケフウリュウウオは泳ぐのが不器用すぎて「もう泳ぐのや~めた!」と海底を歩くことにしたさかななんです。胸ビレと腹ビレを進化させてテクテク歩くように移動します。
ちなみに危険が迫るとその発達した胸ビレで立ち向かう! …かと思いきや、胸ビレで体をただ「固定する」そうです。いや、不器用すぎ!!
続いてはこちらのさかな!
あうあおあ!何いうてるか分かりまへん!
水深500~3000mに生息し、なんと5000 m近くからも見つかってるオニキンメ。
オニキンメは成魚になると長い牙(歯)が生えてきます。この牙のおかげで一度噛みついたエサは逃しません。
そう聞くと器用やん! と思うかもしれませんが、エサを逃がさない代わりに「口を閉じられない」さかななんです。いや、やっぱり不器用!!
ちなみに似てないですがキンメダイの仲間です。
さて最後のさかなは信じられない不器用さを持つさかな!
腹八分目?僕は腹十五分目です
深海600~1200mに生息するオニボウズギス。
特徴的なのは大きく開く口! 自分の体の数倍もある大きな獲物も食べることができます。…ただし、そのあとのことは考えてません。
自分より大きな獲物を食べたあとは、胃が猛烈に膨れ上がり、中の様子が透けて体表から見えるほどです。さらに大きなものを食べた日には、お腹が裂けて死んでしまうことも…。
「加減せぇよーーーー!!!」
深海はエサが少ないため長期間栄養を貯められるように進化した、不器用な(実は器用な?)生存戦略でした。
そんな深海魚たちを見ていると、もしかしたら不器用でもいいのかもな? と思うのです。
もし周りと比べてできないことがあっても、自分しかできないことが一つあれば、それが何よりも素敵なこと! あなたが輝ける海がきっとあります。
深海魚のように愉快にタフに人生を楽しみましょうね。さかなの魅力を伝えながら応援しています!
じゃあまたね~!
大人も子どもも楽しめる、さかな4コマをまとめた書籍が発売されました。
「おもしろすぎる! 海の仲間たち ツッコミたくなる おさかな図鑑」(ワニブックス)
☆2021年12月14日発売の新刊!
水族館でお寿司が食べられたらなぁ、という空想から始まったエンターテイメント食育絵本。子どもがさかなを好きになる!
「すしぞくかん」(高陵社書店)
レポーターREPORTER
1990年大阪生まれ。さかなたちの“おかしな”生態を書籍やメディアで伝えることで、子どもの好奇心を育てる活動をしている。テレビ東京「シナぷしゅ」や釣り番組・情報番組に出演中。
著書に「ツッコミたくなる おさかな図鑑(ワニブックス)」「全国クセすご水族館図鑑(中央公論新社)」など。SNSの総フォロワー数70,000人以上
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