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堤防からのオカッパリゲームでの大人気ターゲットといえば「タチウオ」。ウキがジワリと水中へ沈み込むあの独特の緊張感は、一度味わうと病みつきになる(もちろん、食味も病み付きになる!)。しかし、タチウオ釣りを楽しんでいる誰もが一度は直面する高い壁…それが「アタリはあるのに、どうしてもハリに掛からない!」というフッキングの難しさだ。
タチウオはエサを食べるのがお世辞にも上手とは言えず、何度も本アタリを待った挙句に空振りを引いてしまうことも日常茶飯事。そんなアングラーの「もどかしさ」を、圧倒的なハリ先数とこだわりの仕様でカバーしてくれる、攻めの仕掛がハヤブサから登場する。
そこで今回は、新型タチウオ仕掛4種類について、商品開発課の田中氏に話を伺った。
アタリがあっても掛からない!?
タチウオ釣りの「永遠の課題」に挑む
まだ気が早い気もするが、そろそろタチウオのシーズンが近付いてきた。アングラーによっては、堤防の調査(ややフライング気味だが…)を始める時期でもあることは確かだ。
田中さん:「一般的な本格シーズンは8月ごろから始まって、徐々にサイズアップしながら11月末や12月ごろまで楽しめます。エリアによっては、春に指3~5本クラスの大型がねらえる『春タチウオ』のパターンもありますが、関西なら大阪湾や瀬戸内などの身近な防波堤で盛り上がるのはやっぱり秋口からです」

そんなタチウオのウキ釣りだが、とにかく「アタリがあってもハリに掛からない」という声をよく耳にする。じっくり待って、満を持して合わせてもスカッと空振りを引いてしまう。あの悔しさは何とも言えないものだ。
田中さん:「タチウオって、本当にエサを食べるのが下手くそなんですよ(笑)。口の構造のせいなのか、なかなか一発で綺麗にハリを吸い込んでくれない。最もシンプルな1本バリの仕掛は玄人好みの面白さがありますが、アタリを待って待って…やっと合わせても、実はフッキング率がすごく悪いんです」
それがウキ釣りの駆け引きであり醍醐味でもあるのだが、あまりに掛からないとストレスが溜まってしまうのも事実だ。

出典:写真AC
田中さん:「今回の新商品は、まさに『あの空振りのイライラが嫌な人にどうぞ!』という割り切ったコンセプトで作りました。言葉を選ばずに言えば、『圧倒的なフッキング特化型の、ハリだらけ仕掛』です。よく言えば『たくさんハリが付いているからチャンスを逃さず確実に釣れる』、悪く言えば『ちょっと贅沢でズルい仕掛』ですね(笑)」
呼び方はどうであれ、アングラーのフッキングを全力でサポートし、貴重なアタリを100%近く釣果に結びつけるための、驚異のキャッチ率を目指した構造というわけだ。
田中さん:「そうです。テスト段階でも、とにかく『スカを引かない』という高い実釣性能を叩き出しました。見た目は正直、ハリが並んでいて少しイカついですが、背に腹は変えられません。とにかくアタリを逃したくない、釣果を確実に伸ばしたいという方には、これ以上ない強力な武器になります」
メインとなる「水平タイプ」3種類の特長と使い分け
今回発売されるのは全部で4種類。まずはキビナゴなどをセットしやすい「水平タイプ」の3種類から、解説をお願いしよう。
田中さん:「基本となるのはキビナゴの背中にハリをセットする水平タイプです。最もスタンダードなのが『水平2列 ワイヤー+ナイロン』で、トリプルフックが2個並んでいます」


シングルフックが2個並んでいる水平仕掛は一般的だが…これは、トリプルフックというだけで、確かに見た目がイカツい。
田中さん:「そこがミソです。シングルフック2個だとハリ先は2つしかありませんが、トリプルフックが2個ということは、ハリ先が“6つ”ある状態になります。これだけでもフッキング率は跳ね上がりますが、さらに攻めた仕様が『水平3列 ワイヤー+ナイロン』です。こちらはトリプルフックが3個並んでいるので、なんとハリ先が“9つ”になります」
ハリ先が9つ…これならどこを噛んでも、まず間違いなくどれかのハリ先が触れる。



田中さん:「そうなんです! まさに『超全力フッキング』仕様です。そしてもうひとつ、水平2列の仕様にはワイヤーだけでなく、ハリスにフロロカーボンを採用した『水平2列 フロロカーボン+ナイロン』も用意しています」
あえてワイヤーではなく、フロロカーボンをラインナップに入れた理由とは?
田中さん:「これだけハリをジャラジャラ付けておいて言うのもナンなんですが(笑)、やっぱりワイヤー(金属)よりフロロカーボンの方が、圧倒的に魚の食いがいいんですよ」
これだけ金属のハリが付いているのに、ハリスがワイヤーかフロロかで違いが出るというのか。


田中さん:「これが不思議なことに出るんです。タチウオに直接理由を聞いたわけではないので推測になりますが、ワイヤー特有の硬いシルエットや、噛んだ瞬間の金属的な違和感のようなものを察知しているのかもしれません。昔から『ワイヤーよりナイロンやフロロの方がアタリは増える』というのは紛れもない事実なので、アタリの数そのものを最大化するためにはフロロカーボンタイプも絶対に必要だと判断しました」
少しでも違和感を減らしてアタリを増やし、触ってきたらトリプルフックで一網打尽にする…ひじょうに合理的かつ、恐ろしい仕掛である。
「食い渋り」を攻略する50cmロング仕掛の秘密
パッケージの仕様を見て気になったのだが、この仕掛は全長が「50cm」ある。というのも、一般的なタチウオ仕掛はもっと短いイメージがあるからだ。
田中さん:「そこが今回の隠れた“最大のこだわりポイント”です。一般的なタチウオ仕掛は全長が10cm~20cm程度と短く、オモリ(仕掛の上に位置する)のすぐ近くに直付けし形になります。ただ、それだとウキ釣りでロッドをアオって誘いを入れても、オモリとエサが近過ぎるので『フワッ』とした動きがホンの少ししか出ないんです」
タチウオが反応しやすい、ナチュラルな動きが出にくいということだ。
田中さん:「そこでこの仕掛は、幹糸(ナイロン)とハリスを接続して全長を50cmという長さに仕上げました。これにより、ウキを軽く動かして誘いを入れたとき、50cmの長さがあるお陰でエサが水中で『フワ~ッ』と大きく漂い、そこからゆっくりと自然にフォールするんです。この“間(ま)”が、タチウオに違和感なくエサを食わせるためにめちゃくちゃ効きます」

ハリをたくさん付けてフッキング率を高める一方で、仕掛を長くしてナチュラルに誘い、アタリの数自体も増やすという、ある意味「ハイブリッド」な発想だ。
田中さん:「ちょっと矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、トータルのキャッチ確率を極限まで高めるための計算です。『不自然なほどのフッキング特化型のハリ』と『自然に誘えるロングな全長』。この2つが組み合わさることで、アタリの数を落さずに、食ってきたタチウオを100%掛けに行く仕様が完成したというワケです」
サバやサンマの切り身にはこれ!
「縦3段 ワイヤー+ナイロン」の存在理由
そして、4つ目のモデルが「縦3段 ワイヤー+ナイロン」である。このアイテムだけフォーメーションが「縦」に並んでいるが、これはどういった使い分けになるのだろうか。

田中さん:「水平タイプがエサのキビナゴをメインに想定しているのに対し、この『縦3段』はサバやサンマの『切り身』を使うときに圧倒的にオススメしたい仕掛です」
切り身…確かに5cm~7cmくらいに細長くカットされた切り身は、水平仕掛にはセットしづらい、というか無理だ!
田中さん:「切り身は縦方向にまっすぐセットするのが基本になります。この仕掛は一番上のハリが長軸のシングルフックになっていて、ここは主に『エサのホールド』のために使います。そして、その下にぶら下がる2つのハリはトリプルフックになっています」
一番上のハリはエサだけのためだとしても、全部トリプルフックでもよさそうだが。ハリ先が増えた方が、フッキング率は上がるのでは?

田中さん:「タチウオのバイトを分析すると、圧倒的に『下側(お腹側や後ろ側)から噛み付いてくる』ことが多いんです。そのため、上のハリはエサがズレないようにしっかりホールドすることに特化させ、本命のバイトが集中する下部2つのトリプルフックで確実に仕留める、という役割分担にしています」
なるほど、そういうことなら理にかなっている。ちなみに、縦型仕掛にはもうひとつ大きなメリットがあるということだが…。
田中さん:「縦型は空気抵抗が少なく、飛行姿勢が安定するのでメチャクチャ飛びます! 水平仕掛はキビナゴを横向きに付けるので、投げたときに空気抵抗が大きくてあまり飛ばないうえ、遠投すると身切れしやすかったりもします。その点、縦3段仕掛に切り身をセットすれば空気抵抗が少ないので、防波堤から50m、100m先をねらうような遠投の釣りにも向いているんです」
「どうしても掛けられない」その悩み、新仕掛が解決!
今回の4種類の仕掛があれば、キビナゴを使う釣りから切り身の遠投、そして食い渋り時のフロロカーボン仕様まで、堤防タチウオのウキ釣りは完全に網羅できそうだ。

田中さん:「ウキ釣りをしていて『どうしてもハリに掛けられない』『アタリだけで終わってしまう』と悩んでいる方は、ぜひ一度使ってみてください。本当に釣りが変わると思います。もちろん、『あの掛け損じるもどかしさこそがウキ釣りの楽しさなんだよ!』という風流な方は、スタンダードな1本バリを使っていただいて(笑)。
今回の新商品は、効率と釣果を最優先に求めたハヤブサからの割り切った提案ですので」
実際のテスト時の釣果写真も見せてもらったが、どれもタチウオの顔回りにガッチリハリが掛かっていて、その威力がひと目で伝わった。確実に仕留める執念を感じる、頼もしい仕掛である。これならタチウオビギナーの貴方も、ヘタレな私も(?)高い確率で釣果が期待できるだろう。
そして、もし釣れた場合はハシャギたい気持ちを抑え、タチウオの鋭い歯に十分に注意を。プライヤーなどを使って安全にハリを外すことを心掛けよう。安全に楽しんでこそ、釣りである。

田中さん:「そうですね、そこだけは本当に注意しておきたいポイントです。今年の秋は、ぜひこの新しい仕掛をタックルボックスに忍ばせて、圧倒的なフッキング力を堤防で体感してください!」