「ジャックアイ」シリーズは釣れない川で通用するのか?
SLSの可能性を検証!

ここ数年、サーフや堤防からのゲームを中心として一種のブームとなりつつある「SLS(スーパーライトショアジギング)」。定義的には長さ8~9ft台のライトクラスのスピニングロッドに、3000~4000番台のスピニングリールを組み合わせて、重さ30gまでのメタルジグを用いて行うゲームとされています。
一般的なショアジギングゲームと比べると、アングラーの身体にかかる負担が少なく、かつさまざまな獲物をねらえる手軽さがウケて、昨今流行っているようです。

このスタイルの釣りを、私がメインフィールドとしている埼玉県某所にある「釣れない川(あまり釣れない都市型の中河川)」で上手く応用できないものか? と思いチャレンジ! 淡水でのSLSは可能なのかを検証してみました。そんな模様をお届けします。

「ジャックアイ」シリーズを使ったフレッシュウォーターでのSLS

とはいえ、満水時期であっても一番水深があるところで1mちょっとしかない「釣れない川」。たとえ15gのメタルジグであっても重い。重すぎるのです…。
そこで私が目をつけたのが、水深があまりない「釣れない川」でも使い勝手がよさそうな、ハヤブサの「ジャックアイ 豆マキマキ」「ジャックアイ 豆ヒラリン」「ジャックアイ ヒラリン」といったライトメタルジグの3種類。まずは、それぞれどんなジグなのかご紹介しておきましょう。

01_ ライトメタルジグ1
アジやメバルをメインターゲットに想定している純正フックだと、いろいろな魚を相手にするには強度が足りないため、今回はフック周りを中心に自己流でいじってあります

ジャックアイ 豆マキマキ

02_ ジャックアイ 豆マキマキ

今や定番ブレードジグの一つ「ジャックアイ マキマキ」のダウンサイジングモデル。一般的なメタルジグと違ってシャクる必要がなく、その名の通り、ただ巻くだけで魚が釣れるというお手軽さ。小型ブレード付きジグなので、ただ巻き時やフォール時にヒラヒラとブレードが回転し、オートマチックに魚のバイトを誘発。ジギング特有のシャクる動作が苦手な方やルアーフィッシング初心者の方にオススメのライトメタルジグです。

  • 重さ:3g~10g
  • カラー:全5色
  • 純正フック:トレブルフック

ジャックアイ 豆ヒラリン

03_ ジャックアイ 豆ヒラリン

アジング&メバリングゲーム特化型低比重ライトメタルジグ。鉛よりも比重が軽いすず合金を使用することで、水中を超絶スローフォールさせることができるのが最大の特長。また、ただ巻きで使用すると、低比重素材ゆえにマイクロスプーンに近い動きで水中をヒラヒラと泳ぎ、魚を誘います。

  • 重さ:1g~3g
  • カラー:全5色
  • 純正フック:アシストフック2本バリ

ジャックアイ ヒラリン

04_     ジャックアイ ヒラリン

「ジャックアイ 豆ヒラリン」のオリジナルモデルである、スローフォールで幅広いターゲットをねらうことが可能な万能ライトスロージグ。極小ボディのスローフォールが、ロックフィッシュねらいや低活性の青物を食わせたいときに威力を発揮。左右でボディカラーが異なり、視覚変化で魚のバイトを誘発します。

  • 重さ:3g~10g
  • カラー:全5色
  • 純正フック:アシストフック2本バリ

実際に使ってみた結果は?

05_ ライトメタルジグ2

これら「ジャックアイ」シリーズを持って、実際にいつも通っている「釣れない川」に出掛け、約1ヵ月にわたって使い込んでみました。果たして私の目論見通りに魚を連れてきてくれたでしょうか?

まずは「ジャックアイ 豆マキマキ」から。
飛距離とフォールスピードを考慮して、5gと7gを選択。8ft台MLクラスシーバスロッドと、PEライン1.5号の組み合わせで投げてみると、おおっ、思ったよりも飛ぶ!

5gモデルでも20mは間違いなく飛んでますね。取り敢えずはただ巻きで使用すると、ブレードの効果かボラがガンガンとルアーにアタってきます。そのうちに魚がヒット! ちゃんと口周りにフッキングしている(ボラはスレ掛かりが多いのです)。しかし、残念ながら岸際に生えている冠水植物群にダッシュで逃げ込まれてしまいガッツリと根掛かり。釣り上げることはできませんでした…。残念無念。

次に「ジャックアイ 豆ヒラリン」
ヒラリンと同じボディサイズでフォールスピードを極端に落とせるのがこのルアー最大の強み。最大ウェイトでも3gという重さゆえにやはり飛距離に期待するのは無理があり、足下から岸近くに投げ込んでひたすらフォールさせるのが基本的な使い方。

ボディが一般的な鉛ではなく、比重が軽いすず合金でできているため(同サイズのヒラリンが7gなのに対して、豆ヒラリンは半分以下の3g)、超絶スローフォールさせることができ、水深のあまりない「釣れない川」には正にベストマッチ。しかしここで想定外のアクシデントが…。
ボトムまでフォールさせたわけでもないのに、なぜか豆ヒラリンがガッツリと根掛かり。どうやらフックではなく、ボディ自体がボトムに転がっている岩の隙間に入ってしまったらしく、何をやっても外れない。おそらく比重の軽い素材ゆえに、水門からの水の流れに乗って、タイミング悪く一気にボトムにまで流されてしまったのでしょうね。残念ながらそのまま痛恨の根掛かりルアーロスト。

最後は「ジャックアイ ヒラリン」。こちらは5gと7gを選択。
小粒ながら空気抵抗をほとんど受けないボディデザインが功を奏して、飛距離はかなり出ますね。ただし「ジャックアイ 豆マキマキ」とは違い、飛距離を出して広範囲を探るような類いのルアーではなく、やはり足下や岸近くに投げ込んで、シャクってはフォールさせるのが一番効果的な使い方。

この日は水門からの払い出し口の、水深があるポイントでひたすらヒラリンをリフト&フォールさせるように魚を誘っていたのですが、メタルジグをシャクった瞬間にロッドが曲がり、ラインテンションが掛かった状態で動かなくなってしまいました。「あれ? 払い出し口のボトムに根掛かったかな?」と思いきや、ロッドティップが急激に引き込まれる! 根掛かりじゃない、魚だっ!

すかさず掛かった魚を一旦岸際から強引に引き剥がしてファイト開始。左右にウネウネとパワフルに走りつつ姿を見せたのは、ベイトをたらふく食べて腹パン状態のナマズ。いつもはバーブレスフックを使っているため、岸に魚を引き上げる際に躊躇するのですが、今回使っているのはカエシがあるシングルアシストフック。どうやらカンヌキ付近にフッキングしているらしく、これならよほどヘマをやらかさない限りフックアウトすることはないと判断。意を決して一気に抜き上げました!

06_釣果3

無事に上がってきたのは全長57cm、グッドコンディションのナマズ。右カンヌキ付近にしっかりとフッキングしており、カエシがあるフックならまず外れない状態。
ちなみにヒットカラーは「ケイムラブルーイワシパール」。こんな色のベイトは「釣れない川」には棲息していないハズなのですがね(笑)。

実はこのナマズ以外にも後日ヒラリンで、ルアーで口を使わせることがなかなか難しいボラを仕留めており、“色々狙えるひらひらライトスロージグ ジャックアイ ヒラリン”という商品キャッチコピーは伊達ではないことをみごと証明してくれました。すごいぞ「ジャックアイ ヒラリン」。

フレッシュウォーターゲームでのSLSの可能性は無限大!

11_釣果2

結論…3つともすべて「釣れない川」の魚からの反応がありましたが、そのなかでもとくに抜きんでていたのが「ジャックアイ ヒラリン」という結果に。あと共通していえるのは、これらのライトメタルジグの横の動きよりも縦の動き、とくにフォールアクション時に魚が好反応を示したということ。

ちなみにソルトウォーターゲームのように、メリハリのあるジャークアクションでメタルジグをシャカリキに動かす必要はなく、むしろヌルいジャークアクションで動かした方が、魚は積極的にバイトしてきたということを付け加えておきます。

今回試してみた結果から、フレッシュウォーターゲームでのライトメタルジグを用いたSLSは個人的にはアリだと感じました。海と同じく1つのルアーでさまざまな魚種をねらえるのは、ルアーフィッシング初心者さんにとっても比較的ハードルの低いフィッシングスタイルといってよいのではないでしょうか?

それではよいフィッシングライフを。


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レポーターREPORTER

ばんぱく
プロフィール:ばんぱく
ラパラルアーとアメリカンルアー、アニソンとZABADAKとPerfumeの曲をこよなく愛する心優しきオッサンアングラー。さらに競馬や雑学、サブカルチャー系の知識全般にやたら造詣が深い。