ムズ面白い!超ライトタックルでのタイラバ
手持ちタックルを上手く流用してみませんか?

みなさんは釣りをするとき、その釣りに合った専用タックルを使っていますか? いろいろな魚種(釣りモノ)に合わせて専用タックルをそろえるとなると、実際は、道具だけで結構大変なことになってしまいますね。そのため私は、たまにしか行かない釣りの際はよく行く釣りのタックルを流用しています。専用タックルには及ばないにしても、そのタックルの特徴や性能を理解すればタックルの流用は可能なことが多いのです。
そんなワケで今回は、トラウトタックルでタイラバに挑戦してみましたので、そのときに感じたことなどを紹介したいと思います。

超ライトなタックルで、タイラバもいいんじゃない?

久しぶりにタイラバに誘われたのですが…

川の釣りがひと段落した時期に、友人から「明石の美味いタイを釣りに行こう!」と誘われ、秋のよく肥えたパワフルで美味いタイをタイラバで釣りに行くことになりました。
しかし、最近は淡水の釣りがメインになっており、また、ほかにもいろいろと新しい釣りを始めたこともあり、自分の部屋を見渡してもどこにもタイラバタックルがなく……といった状況。そこで、ひそかに温めていた「超ライトタックルでのタイラバ」に挑戦してみることにしました。

トラウトタックルでタイラバ!?

01_ 15ロッド負荷

マダイ特有の渋い時間のついばむようなアタリや、食い込みきらずタイラバを追ってくるアタリ、通常のタイラバタックルでは違和感を覚えて(タイラバを)離してしまうような状況で、柔らかいロッドを使ってタイを絡め取っていこうと、少し強めのエリアトラウトロッドをチョイスしました。一方リールは、感度を高めるために小型のベイトフィネスリール0.8号のPEを巻きました。
家の中で80gのタイラバを吊るしてみると少しパワー不足を感じましたが、実際の釣りではその弱いところが逆にメリットになるはずです。

いざ、超ライトタックルでタイラバに挑戦!

02_ 12出船

今回お世話になったのは、明石から出ているタイラバ専門の乗り合い船「海豚」さんです。出船して30分ほどでポイントに到着し、早速実釣開始。最近流行の厚めのカーリータイプのネクタイを使用し、強い波動でタイにアピールしていくことにしました。また、流れの速い明石海峡で底を取りやすいようにと、ヘッドはスムーズなフォール姿勢の「フリースライド SFヘッド(ハヤブサ)」をチョイス。個人的にスカートはない方がネクタイの動きがよくなると思っているので、スカートレスで挑みました。

03_ 7+2フリースライド

釣りを始めると強い風のため船が安定せず、揺れる船上で我慢の釣りが続きます。それでも上手な常連さんたちはぽつぽつとタイを掛けています。活性は高くないもののタイはいるようです。

何度目かの小移動のあと、潮止まりに向けて明石海峡大橋下のポイントへ移動。ここは普段激流なうえに水深が80m以上あり、潮が緩くないと入れないポイントです。深くて流れのあるポイントでは超ライトタックルはデメリットの方が勝ってしまいます…
それでも何とか1尾は釣りたいと思い、底の流れにフワフワと乗せるように誘う作戦に。ヘッドはより動きの出るVSヘッドプラス(同フリースライド)に変更し、何度目かの流しで「ククッ」とついばむアタリが! そのまま直ぐにグッと食い込み、流れに乗って一気に竿を叩きながら走りだしました。リールにパワーが足りないため巻いても巻いても上がってこず、ポンピングでなんとか上がってきたのは57cmのパンパンに肥えたタイでした。きっとイワシなど小魚を追い回していたのでしょう。美しい抜群のコンディションのタイに思わずニッコリしました。

しかしボウズを逃れて一安心するも、そのあとが続かない…。巻きスピードを変えたり、レンジを絞って重点的に攻めてみたり、あの手この手と繰り広げましたが釣れるのはガシラのみ。そのまま最後にドラマが待っていることもなく、15時で残念ながら沖上がりとなりました。

超ライトタックルタイラバのメリット・デメリット

08_ 3船上からの風景

釣りを終えてみて、超ライトタックルでタイラバをして感じたことをまとめてみます。

まずメリットは、なんといっても「食い込みのよさ」です。残念ながらこの日はほとんどアタリがなかったのですが、数少ないアタリを確実に取ることができたのは柔らかいトラウトロッドのおかげだと思います。実際友人に借りて使ったタイラバロッドでは、アタリが何度かあったものの乗せることができませんでした。

逆にデメリットは、柔らかいタックルのせいで深場や流れの速い場所では巻きが安定せず、タイが(恐らく)違和感を覚えて食ってこなかったことです。また、せっかく掛けても流れに乗られると釣り上げるまでに時間が掛かってしまい、長い時間のファイト中にバレる可能性も考えられます。
そして今回使ったベイトフィネスリールは、感度がよいのでボトム感知に優れる反面、パワー不足のため掛けたあとのやり取りだけでなく、深場からの回収時にも一苦労しました…。

超ライトタックル1本で1日タイラバを楽しむのはちょっと難しいかもしれませんが、40mより浅いポイントだったり、潮止まり付近の流れの緩いタイミングでは、超ライトタックルのメリットをより活かせて有効な武器になると思います。

どんなジャンルの釣りでも、専用タックルは対象の魚が一番釣れるように考えて作られています。当然、専用タックルを使用するに越したことはありません。しかし、かといって専用タックルでないと釣れないこともなく、手元に専用タックルがないからといって、その釣りを諦める必要もありません。対象の魚の習性や釣り方を調べて、今自分の持っているタックルで流用できそうな物を見つけるのも釣りの楽しみ方の一つかと思います。
さまざまなタックルで、さまざまな釣りにトライしてみる! ぜひ、みなさんも手持ちのタックルで楽しんでみてください。

※乗合船で超ライトなタックルを使うときは周りの迷惑にならないよう、慣れるまではできるだけ人の少ない平日や気心の知れた仲間とのチャーター船で試すようにしましょう


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レポーターREPORTER

東村 良平
プロフィール:東村 良平
兵庫県在住
海のエサ釣りに始まり、ライトゲーム、青物釣り、タイラバを経て、ここ数年は渓流ルアーやエリアトラウト、アユ釣りなどをメインに、家族で釣りや川遊び、キャンプなど自然を満喫。「ライトガチ」をモットーに道具や方法にこだわり過ぎず、楽しむことに全力を注いでいる。
インスタグラム:
@azuman1980 (URL:https://www.instagram.com/azuman1980/)