根掛かりの回収に一役買ってくれる
コスパ最強!自作簡易ラインブレーカーの作り方

釣り初心者にとって、誤って仕掛やルアーを根掛かりさせた際の対処方法は、おそらく頭を悩ませるよくあるトラブルの一つだと思います。そのためどう対処したらよいか分からず、いきなり手元からラインを切ってしまう人も多いとか。

そこで今回、根掛かりした際の基本的な対処方法と根掛かりしたラインを引っ張るための専用器具「ラインブレーカー」の説明、そして手軽に作れる「自作簡易ラインブレーカー」の作り方を紹介したいと思います。

手元でラインを切ってしまうアングラーが増えている?

01 手元からラインを切る

近年、新型コロナ流行の影響もあり、密にならずに外で手軽に楽しめる釣りが見直され、釣りを始める人が増えているそうです。しかしそれゆえに、釣り場においてさまざまな問題やトラブルが生じているのも事実…。
そんな問題やトラブルのなかで気になるのが、(SNSなどでよく散見する)「根掛かりの対処とその方法」…。根掛かりが発生した際、ラインを引っ張って根掛かりした仕掛やルアーを回収するのではなく、手元でいきなりラインを切ってしまう人が増えているというものです。

根掛かりは釣りをする以上(とくにルアーフィッシングを含めた投げ釣り全般)、避けては通れない問題の一つではあるものの、釣り初心者にとってはその対処がなかなか難しいようです。やはり、ガッツリと根掛かりした仕掛やルアーをラインを直接手に持って強く引っ張るのは怖いのか、手元からいきなりラインを切ってしまう人が意外と多いようなのです。

素手でラインを引っ張るのは危険!!

この手元でラインを切ってしまうという行為は、根掛かりした仕掛やルアーのみならず、大量のラインを水中に残すことになります。釣り場にかける負担を考えれば、根掛かり対処方法としては当然おススメできません…。
これは(当HEATサイトも含め)、仕掛やルアーを根掛かりさせた場合の正しい対処方法について説明しているメディアが、意外と少ないこともおそらく影響しているかと思われます。

何をやってももはや仕掛やルアーが外れない場合、根掛かりの正しい対処方法は、直接ラインを手に持ってジワジワと力を掛け、(ルアーやフック、仕掛に一番近い)結び目から、もしくは結び目に近い箇所のラインそのものを破断させる方法。できるだけ水中にラインやリーダーが残らないように対処することです。
この際に一番やってはいけないことは、ラインを直接手に持って引っ張るのではなく、ロッドで激しく煽ったり、リールのドラグをフルロックしてラインを強く引っ張ること。これをやると最悪の場合、ロッドやリールそのものを破損させてしまう可能性があります。

02_ 素手にラインを巻き付けるのは危険

また、直接ラインを手にして引っ張るとはいっても、素手でラインを持って強く引っ張るのはひじょうに危険です。とくに、現在はナイロンラインやフロロカーボンラインではなく、引っ張り強度に優れたPEラインが主流になっていることもあり、素手でラインを手にして強く引っ張ると、手や指にラインが強く食い込んでスパッと切れたり、腕や身体に絡んだりした場合は大ケガにもつながります。
たとえフィッシンググローブを着用している場合でも同様。とくにPEラインは危険度が高いため、直接手でラインを引っ張ることは、慣れていない釣り初心者の方にはあまりオススメできません。

ラインブレーカーとは?

そこで登場するのが「ラインブレーカー」という、ラインを引っ張るための専用器具です。
「ライン破断」というストレートな商品ネーミングの通り、根掛かりしたラインを引っ張るための道具であり、本体にラインを数回巻き付けて使用します。ラインを巻き付け食い込ませながら、ジワジワと引っ張ることで強制的にラインを結び目から、もしくは結び目そばのラインから破断させるという便利アイテムです。

03_ カラビナタイプのラインブレーカー
カラビナタイプのラインブレーカー

ただ、この「ラインブレーカー」ですが、市販品を購入すると意外と高価。だいたい1000円くらいします。根掛かりの回収を安全に行える便利なアイテムではありますが、釣り初心者にとっては、根掛かりしたラインを引っ張るための道具にお金を掛けるのは、もしかすると抵抗があるかもしれません…。

そこで今回は、私が実際に釣行で使っている、コスパ最強! 総額たったの220円(税込み)で作れるかもしれない(?)「自作簡易ラインブレーカー」の作り方を紹介したいと思います。
ちなみに、2つ作れば摩擦系ノットでラインシステムを組む際にも使えますよ。

自作簡易ラインブレーカーの作り方

用意するものは、最近は100円均一ショップ(100均)でも購入することが可能なアウトドアや釣りなどで使う小型懐中電灯(LEDライト)と、好みの色のビニールテープの2つのみ。

04_ LEDライトとビニールテープ

ちなみにLEDライトに関しては、ラインを巻き付けて引っ張った際の強度面を考えると、樹脂製ボディのものよりも金属製ボディの物を選択した方がベストかもしれません。
(もっとも、樹脂製ボディでも今まで壊れたことは一度もありませんが)

作業手順

手順①:
LEDライト本体の中央にビニールテープを貼り、強くテンションをかけながら巻き付けていきます。
巻き付けるビニールテープの量ですが、ラインが食い込むだけの厚みが確保できれば問題ありません。

手順②:
ビニールテープを適量巻き付け終わったところでビニールテープをカットし、上からしっかりと圧着させて完成です。

おそらく何回か使っているうちに、巻き付けたビニールテープがボロボロになってくるかと思いますが、その場合は巻き付けたビニールテープをすべて剥がして、再び新しいビニールテープを巻き付ければOKです。

07_ 自作簡易ラインブレーカーの完成 

私はこの「自作簡易ラインブレーカー」を使って何度も、下は0.8号から上は5号までの太さのPEラインの根掛かりを回収していますが(時には根ごと回収)、今まで巻き付けたPEラインを傷めたり、逆に「自作簡易ラインブレーカー」を壊したことは一度もありません。

08_ 根掛かり回収
上手くテンションを掛けて引っ張ることができれば、破断させずに根ごと回収できる場合もあります

サイズが小さいので手軽にポケットに忍ばせることができ、また、本体のLEDライトを点灯しておけば夜間使用でも紛失しづらく、この点では市販のラインブレーカーよりも優れているかもしれません(笑)。一番のメリットはやはり安く済ませることができる点でしょうか。
よければ試しに自作してみてください!

それではよいフィッシングライフを。

レポーターREPORTER

ばんぱく
プロフィール:ばんぱく
ラパラルアーとアメリカンルアー、アニソンとZABADAKとPerfumeの曲をこよなく愛する心優しきオッサンアングラー。さらに競馬や雑学、サブカルチャー系の知識全般にやたら造詣が深い。