INDEX
- 1.天候による海中の変化とは?
- (1)晴れ
- (2)曇り
- (3)雨
- 2.天候別、適切なアプローチ方法
- (1)晴れのときのアプローチ
- (2)曇りのときのアプローチ
- (3)雨のときのアプローチ
- ● 今回の重要ワンポイント
前回は潮の動きに合わせた釣り方を解説しました。さて今回は、日々目まぐるしく変わる「天候別の釣り方」について解説していきます。
釣りといえば自然の中で楽しむ遊び! 天気のよい晴れた日は気持ちがよくていいですよね。夏場であれば、晴れた日の日中は日差しも強く暑くなるので、多少は曇っているほうが快適に楽しめるかもしれません。快適さを優先するのであれば雨の日は避けたいところです…。レインウェアを着るなど、何かと面倒が増えますからね。
では、釣果を最優先にすればどう変わるのでしょうか? 天候が違えば海中はどのように変化しているのか。そして、どのようにアプローチすればよいのかをご紹介します。好釣果を得るには、もしかすると多少の我慢も必要かもしれません。人間側が快適でない状況だとしても、海中は快適な場合もある!! ということを、まずは知っていただけたらと思います。
とらえ方が変われば、釣り方も大きく変わると思いますよ。
1.天候による海中の変化とは?
(1)晴れ
晴れの日は太陽光が差し込み、陸上だけでなく海中にも明るさと温かさが届いていることでしょう。浅瀬であれば水温も上昇しやすく、高水温を好むアオリイカにとってはよい影響かと思います。また、透明度が高く澄んでいるときは、海中の状況もよく分かるのではないでしょうか? こういうときこそ、見える範囲内で底の地形変化などを観察するのはイイですね!
しかし、「見えやすい」ということにはデメリットもあります。
たとえば、見えイカが見つけやすいということは、イカからも人を見つけやすいということが考えられます。また、アオリイカにとってエサとなる小魚(ベイト)を見つけやすいということは、小魚からも天敵であるイカを見つけやすいということにもなるでしょう。おそらく「エギ(≠エサ)」ということにも気付かれやすくなっていると考えてよいと思います。
警戒心を抱きやすいだけでなくエギを見切りやすい「晴れ」の天気。イカにとっては捕食しにくい状況でもあるため、活発には活動していないことが考えられます。
(2)曇り
曇りの日は太陽が雲で隠れてどんよりと暗くなります。陸上が暗ければ海中も暗くなっており、晴れた日とは反対に見えにくい状態だと考えられます。
「見えにくい」ということは、見つけにくくなります。しかし、こういうときにこそフィッシュイーターは高活性になります。エサとなるベイトからアオリイカが発見されにくければ近づきやすいので、捕食がしやすくなるからです。見つかってしまうと、すぐに逃げられてしまいますからね。
ちなみに、曇りの日は意外にも紫外線が強く降り注いでいます。気象庁によると快晴のときの紫外線を100%としたときに、晴れの日は約95%、薄曇りの日は約80~90%、曇りの日は約60%、雨の日は約30%の紫外線量だそうです。そして、意外にも知られていない(!?)のが、雲の間から太陽が出ている場合は、雲などにより太陽光が散乱することで快晴時よりも紫外線の量が多くなるそうです。可視光線が届きにくいため視覚的には暗く感じていても、紫外線は強く降り注いでいるということですね。
紫外線が海中に特段変化をもたらすわけではありませんが、青や紫といったカラーの外側の波長(より短い波長)に反応するカラーである「ケイムラ」であれば、薄暗い曇りの日でも紫外線の効果によりしっかりと発色します。曇りの日はカラー選択も含め、イカに発見してもらいやすい工夫が必要です。
(3)雨
雨の日は濁りや水潮を発生させます。水潮の影響で必ずしも釣果が悪くなるというわけではありませんが、少なからず影響を受けて釣れにくくなる魚種がいるとされています。また、海水の方が真水よりも比重が約2.5%重いため上潮(うわじお)と底潮にわかれ、二枚潮で釣りがしにくくなったりもします。
※二枚潮とは、水平方向に潮の流れるスピードが違う層ができること
一方でデメリットばかりでなく、海面がざわつくことで陸上からの視界が悪くなり、警戒心を与えにくくなったりもします。雨粒が海面を打ち付け、海水中の溶存酸素量が増すことでプランクトンの動きが活発になり、食物連鎖が活発化するというメリットもあります。ねらう魚種によっては、雨の日の方が釣れやすい状態になる場合もあるのです。