今から知りたい!エギング STEP UP 場所別エギング攻略!
釣り場の特徴を知って、場所に適した釣り方をチョイス!

(3)磯(地磯)

12_ 磯・地磯

足場の悪さや釣りのしづらさから釣り人が少なく、地形的に身を隠せる場所が多くエサとなる小魚も集まりやすいことからイカの警戒心が薄れる場所。磯は1級の釣り場です。
豊富な地形の変化に身を潜めながら、居着きのイカは小魚が泳いでくるのをねらっています。そのためエギを見つければ、すぐにでも反応してくれると思います。しかし、足場の悪さや根掛かりのしやすさから、ほかの釣り場と比べて経験者向けの釣り場でもあります。

13_ 磯・地磯での釣りシーン

釣り方は、足場が悪いためサーフのように輪切りにするように探ることは難しいでしょう。なので、釣りのポジションを決めたのち、自分を起点に扇状になるように探ってみましょう。反応がない場合はカラーローテーションやアクションのテンポ(速い・ゆっくりなど)を変えるなどして再度探ってみてください。もし反応が得られないときは、サーフと同様に捕食活動中ではないなどの別の要因が考えられます。時間をおくことで状況が大きく変化することもありますので、「釣り場や身体を休める」「違うポイントを釣る」など、磯の上での過ごし方にも工夫してみましょう。
また、多くの磯は海中が地形変化(かけ下がり、シモリ、藻など)に富んでいます。地形の変化が豊富ということは根掛かりや根ズレを起こしやすいので、こまめにリーダーをチェックし傷がないか確認したり、(慣れれば)底から少し浮かせたタナ(中層)を探ることでエギのロストを減らせます。シャクリの回数を増やすだけでも底取りの頻度が減り、根掛かりする確率も下がると思いますよ。

14_ 磯の干満

地磯の注意点は、潮位の差で干潮時には干上がって歩けた場所が満潮になると沈んでしまう場所もあることです。干満の差には十分に注意が必要です。また、満潮時に沈んでいた場所は足場が悪く滑りやすくもなっているので、最低限の知識がないと歩くことも難しく、経験者に同行するのがおススメです。磯靴などの最低限必要となる道具をそろえる必要もあります。

【根掛り軽減!? ワンポイントアドバイス】
シャクリをいれるとエギは頭を上げて跳ね上がろうとします。そのときエギの後方が下がり、エギが着底していれば海底に勢いよくカンナが接触することで根掛かりしやすくなります。着底中のエギをいきなりシャクルのではなく、優しくロッドでエギを引き底から少し浮かせた状態からシャクリ始めると、多少根掛かりが軽減されます。
また、シャロータイプなどのゆっくり沈むタイプであれば着底の勢いが弱いため、ストンっと着底するよりも根掛かりしにくいようです。地形変化に富んだ磯での根掛かり対策のひとつとして試してみてください。

(4)沖堤防・沖磯・イカダなど

15_ 沖堤・沖磯・イカダ

船(渡船)を利用した釣り場は比較的潮通しがよく、水深がある場所も多いので、地磯以上にねらう幅が広がる釣り場です。さらに、渡船を利用するメリットを活かして、釣果情報だけでなくヒットエギなどの情報を船長から直接聞くことで、釣果アップも見込めます。
地続きの場所と比較して1日に釣りができる人数や時間も限られているため、居着きのイカも警戒心が高くなりにくいと考えられます。また沖に出ている分、潮がぶつかる沖堤防・沖磯・イカダなどが変化そのもの! 新たなイカが回遊し集まりやすい場所でもあります。ここでの釣り方は、船長に聞くのが一番ではないでしょうか(笑)。

16_ 渡船

先述したとおり事前に最新の状況をしっかりと聞いておきましょう。「どこをねらってキャストすればよいのか?」「どの時間がチャンスタイムか?」「釣れているカラーは?」など、船長だからこそ知っている情報を確認しておくのは大切です。まずは、アドバイス通りに釣りをするとよいと思います。
それでも反応を得られなければ、ほかの場所と同様に自分なりの攻め方を模索しましょう。潮目はねらい目ですし、シモリや藻などの変化にはイカがついているかもしれません。限られた場所での釣りになるため、イカに飽きさせないようにカラーローテーションやアクションのテンポ(速い・ゆっくりなど)を変えたり、底~中層までとタナも幅広く探るのもよいと思います。同じことを続けるよりは、いろいろと試して絞り込みましょう!

17_ 沖堤・沖磯・イカダでの釣りシーン

また、沖の釣り場では地域や季節にもよりますが、大型漁の回遊が多い場合があります。大型魚が近くを回遊すると、それまで積極的にエサを求めて泳ぎまわっていたアオリイカも警戒してしまい、身を潜めてしまいます。そのようなときは、底の地形変化をゆっくりとしたテンポであまりエギを浮かせず探ってみてください。アオリイカは警戒しつつも、身を隠しながら捕食のタイミングを伺っているはずです。場合によっては着底のまま待つ(ステイする)のも効果的です。

18_ 救急セット

沖にでる際の注意点は、短い時間である渡船利用であっても(船に弱い方は)船酔い対策はしておいた方がよいということ。そして、沖の釣り場に渡ってしまえば戻りたくても戻れませんので、それなりの準備が必要ということです。
海に囲まれ日陰すらない場所がほとんどですので、お弁当の保管や飲料水の確保、ケガや防寒、熱中症への備えは意識しておきましょう。何かあった際、船長に連絡を入れればもちろん迎えに来てくれますが、時間は掛かります。不意な状況に備え、自分なりの救急セットがあると安心です。

今回の重要ワンポイント

  • ●「居着き」と「回遊」を意識して釣ろう!
  • ●釣り方とはイカの好みを探る方法!
  • ●釣り場の特徴を知り、適した釣り方をチョイス!

 

19_ アオリイカ釣果

9回目の今回は、場所別の釣り方をご紹介しました。釣り場の特徴を知ることも重要ですが、釣り場に適した釣り方を上手くチョイスすることで、よりよい釣果につながると思います。
釣り場の特徴は何度も足を運べば見えてきます。しかし、イカの行動はどれだけ釣りをしても、分からない日はまったくわかりません…(笑)。それでも、経験値を高めて地形を読み、少しでもイカの気持ちが分かるようになれば、釣れない日の頻度は減らせると思いますよ。

さて次回は「シチュエーション別の釣り方」についてです。連載もそろそろ終盤。具体的で細かい内容になってきますが、ぜひ引き続き「今から知りたい!エギング STEP UP」にお付き合いくださいね!

 

レポーターREPORTER

清水 雅史
プロフィール:清水 雅史
小学生のころ父親に連れて行かれた海上釣堀がきっかけとなり、釣り熱が加速。中学生になると、時間さえあれば近所の野池でバスフィッシングを楽しんでいた根っからの釣り好き。現在は釣具メーカー・ハヤブサにて開発課メンバーとして勤務し、ソルトルアー(エギ・オフショアジグなど)を中心に日々開発を行っている。
プライベートでさまざまな釣りを楽しむなか、とくにエギングとライトゲームを好み、近場だけでなく四国や九州にまで足を運ぶ熱血ぶり。