あなたも船釣りはじめませんか? 気を付けたい!船釣りのマナー
初心者アングラーのあるある解消法

最近、船釣りに行って気付くのは、20代と思われる男女や外国人(とくに中国人)の初心者グループが結構増えているなという点です。これは、釣り人の裾野が広がって、とても望ましいことですね。

そんな初心者の方たちは、基本、貸し竿で釣りをしていることが多いのですが、最近はどこの船宿さんでも、乗船前に船長さんや中乗りさんが実際に竿を手に持ち、釣り方のかんたんなレクチャーを行ってくれているので安心ですね。また、安全面にも細心の注意を払っているので、出船前に「救命胴衣の常時着用」、出船時には「船が走行している際は立って移動はしないように」といったアナウンスをしてくれます。
ただ、船上で起こるさまざまなケースを想定した注意喚起などは、なかなか事前に行えません…。

そこで今回は、ポイントに到着して釣り開始後に、初心者の方が「無意識にやってしまっている」行為で、次回からはできるだけ「やらない方がよい」という代表的な行動とその理由、そしてその解消方法についてお伝えしたいと思います。

その1:「オモリぶらぶら」に注意

01_ 船ベリの穴の写真DSC_0152

仕掛を巻き上げたあと、竿を船ベリにある穴(ロッドホルダー)に竿尻を差し込んで、天秤・オモリ(コマセカゴ)や仕掛を宙ぶらりん状態にしているケースをよく見かけます。
当然、波があって船は揺れていますし風がある場合もあるので、天秤・オモリ(コマセカゴ)が大きくぶらぶらと空中遊泳している状態です。これは、なぜダメなのでしょうか?

02_ おもりブラブラの写真DSC_0148~2
  • (1)大きな揺れでオモリが頭、顔、目などを直撃して大ケガをする危険性があります。これは、自分だけでなく隣の方も被害者になってしまう可能性もあります
  • (2)仕掛のハリが、顔や指などの露出部分に刺さってケガをする危険性があります
  • (3)竿が折れてしまう危険性があります

では、どのように対応すればよいでしょうか? ケースに応じて、次のように対処してください。

カゴにエサを入れる・仕掛を替えるなどの場合

03_ コマセの入ったバケツの写真DSC_0082
  • ①.仕掛を巻き上げた際、竿先から天秤やオモリまでを竿の長さよりも少し長めの状態(※)にし、片方の手で竿を立て、天秤かオモリをもう片方の手でつかみます
    ※船釣りで使用する道糸(PEライン)は1mごとにマークがあるので、それを目安にすればおおよその長さが分かります
  • ②.取り込んだオモリを船ベリの穴部分(もしくはコマセの入ったバケツ)に置きます
  • ③.竿尻を釣り座に置いて、竿先を船ベリに立てかけます
  • ④.仕掛を絡まないように手繰って、船中に取り込みます

魚が釣れた場合

  • ①.仕掛を巻き上げた際、竿先から天秤やオモリまでを竿の長さよりも少し長めの状態にし、片方の手で竿を立て、天秤かオモリをもう片方の手でつかみます
  • ②.取り込んだオモリを船内に取り込みます。余裕があれば、船ベリの穴部分(もしくはコマセの入ったバケツ)に置きます
  • ③.竿尻を釣り座に置いて、竿先を船ベリに立てかけます
  • ④.仕掛を手繰って、ゆっくりと魚を船中に取り込みます
  • ⑤.すべての魚を取り込み終了したら、手際よくハリを外しましょう
  • ⑥.魚が暴れて仕掛が絡まっている場合は、きれいに絡みを解消して、次の仕掛の投入に備えましょう

船が新しいポイントに移動する際は、船ベリにある穴に竿尻を差し込んでもよいのですが、その際、オモリは必ず棚に置き、オモリが飛び跳ねないように注意しましょう。極力、船ベリの穴に竿尻を差し込まない習慣づけが大切です。
また、少し釣りに慣れてきてロッドホルダーを購入すれば、オモリぶらぶら状態は基本発生しませんので、おススメですよ。

その2:「道糸の流しっぱなし」に注意

仕掛を投入後、オモリが着底してもそのまま巻き上げを開始せず、いつまでもクラッチを切ってスプールをフリーにしているケースもときどき見受けられます。これは、なぜダメなのでしょうか?

06_ 両軸リールの写真DSC_0156

クラッチを切ってフリーにしていると道糸が出続けます。これは海中で糸がフケている状態ですので、ほかの方に魚が掛かって巻き上げる際、糸が絡んでしまう可能性があるからです。仕掛同士のオマツリなら、最悪仕掛をカットしてしまえば問題は解消しますが、道糸のオマツリ、さらに周囲の複数の方も巻き込んだオマツリだと大変なことになってしまいます…。
そこで、未然にこのようなオマツリを防止するためにも、仕掛投入時に次の対応を心がけましょう。

  • (1)スプールに軽く指をあて、軽くブレーキが掛かった状態で落下させることで、なるべく真下に仕掛を落し着底させることができます
  • (2)着底したら速やかに糸を巻き取って底立ちをとり、糸フケが出ないようにしましょう

基本的には上記の2点を守ってもらうだけで、周りを巻き込んだオマツリを未然に防ぐことが可能です。

その3:「コマセお代わり時のポタポタ」に注意

07_ 実際にコマセの入った状態DSC_0160
準備されたコマセの入ったザル

コマセ釣りの場合、釣り座にはあらかじめコマセが入ったザルがバケツに入って準備されています。魚がまったく釣れないようなケースを除いて1回はお代わりが必要になるでしょう。
基本、お代わりはミヨシ(船首側)の箱の中に置かれています(わからない場合は、船長さんに確認しましょう)。コマセの残りが少なくなってお代わりをする場合、ミヨシまで移動する必要がありますが、その際、ザルだけ持って移動している方を見かけます。これは、なぜダメなのでしょうか?

08_ 船を上からみたイラスト(ミヨシの位置を説明)

ザルだけ持ってお代わりしてしまうと、ザルからコマセの汁がポタポタ落ちて、通路に置いてあるほかの方の荷物などを汚してしまうからです。とくにコマセはニオイがきついので、汚してしまうと色もニオイも落ちづらく、迷惑を掛けてしまいます。
そこでコマセをお代わりする場合、必ずバケツごと持ってミヨシまで移動してください。船長さんに注意される方もよく見かけるので、注意される前に気を付けておきましょう。

今回、代表的な3つの事柄について紹介させてもらいました。
もし「あっ、これ私やったことある」と思われた方は、ぜひ次回の釣行時から気を付けてくださいね。まずは安全第一、次に船上でのトラブル未然防止で船釣りをストレスなく楽しんでください。

これからも、船上でのトラブルに懲りて釣りが嫌いになる人が増えないように、初心者さん向けのお役立ち情報を紹介していきたいと思います。


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レポーターREPORTER

三宅 雄彦
プロフィール:三宅 雄彦
船釣り歴30年。ウイリー仕掛や短いビシ仕掛でのコマセシャクリを得意としたベテランアングラー。初心者向け釣り教室での講師経験も豊富で、わが子2人を5歳で船釣りデビューさせたほどの教え上手。全日本釣り団体協議会公認フィッシング・マスター。