どうも! 願わくば一生布団から出たくない、「さかなのおにいさん」かわちゃんこと川田一輝です。
本格的に冬がやってきて、寒くなるともう布団から出たくない、というか物理的に出られなくなりますよね。もはや布団がそのまま職場まで運んでくれたらいいのに…なんて思いながら二度寝の旅にまた繰り出してしまうんですが、タナゴの場合はそんなことができるかもしれません。
今日の話はタナゴのゆりかご。実は生きてるんです!!
タナゴのゆりかごはちょっとヘン!?
タナゴは池や川など、緩やかな流れの中に棲むさかな。食性は雑食で虫を食べたり藻を食べたりしています。
子どもから大人まで釣り人に愛され、専用の竿もあります。とくに産卵期に入ったときの婚姻色は美しい!!
そんなタナゴは3月~6月になると産卵するんですが、その方法…とてもクセが強いんです。
どこに卵産んでんねん!
タナゴの仲間はドブガイやカラスガイなど生きている二枚貝の中に産卵します。
メスが貝の出水管に産卵管を差し込んで卵を産み付け、オスは入水管付近に放精し、貝の中で受精するのです。
…貝にとってはいい迷惑!!
貝が子どもを守ってくれる
卵は貝の中で孵化し、1ヵ月ほどかけて貝の中で大きくなります。
生きた貝は敵が来ると殻を閉じて身を守るため、卵にとっては鉄壁のゆりかご。新鮮な水も送られるので、最高の環境です。
貝にとっては迷惑なことしかない…かと思いきや?
貝は貝で利用しちゃいまーす!
タナゴの稚魚をおとりに、寄ってきたハゼのヒレに貝も子どもをくっつけます。
貝の子どもは「グロキディウム幼生」と呼ばれ、ハゼのヒレに付着して大きくなるのです。
タナゴは二枚貝に卵を産み、二枚貝はハゼのヒレに子どもをくっつける。…なんていうか、どっちもどっち!!! 水の中ではクレバーな生存戦略が今日も繰り広げられるのです。
…という話をスマホで書きながら、今もまだ布団の中。もう9時ですが、もう1回寝ようと思います。
貝の中で寝るのも気持ちよさそうですね~。では、おやすみなさい!
大人も子どもも楽しめる、さかな4コマをまとめた書籍が発売されました。
「おもしろすぎる! 海の仲間たち ツッコミたくなる おさかな図鑑」(ワニブックス)
☆2021年12月14日発売の新刊!
水族館でお寿司が食べられたらなぁ、という空想から始まったエンターテイメント食育絵本。子どもがさかなを好きになる!
「すしぞくかん」(高陵社書店)
レポーターREPORTER
1990年大阪生まれ。さかなたちの“おかしな”生態を書籍やメディアで伝えることで、子どもの好奇心を育てる活動をしている。テレビ東京「シナぷしゅ」や釣り番組・情報番組に出演中。
著書に「ツッコミたくなる おさかな図鑑(ワニブックス)」「全国クセすご水族館図鑑(中央公論新社)」など。SNSの総フォロワー数70,000人以上
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