INDEX 【前編】
一眼レフカメラ顔負け!? いまのスマホって本当に優秀! 誰もが高画質の釣果写真を手軽に撮れる時代だからこそ覚えておいて損はない綺麗に釣果記録を残す方法。
教えるのは「決して写真家じゃありません!」という釣り場取材歴40年のベテラン記者(現HEATスタッフF)。数多くの失敗から学んだ釣果写真の失敗しない撮り方。
現場で画像チェックできる現代ではありえない失敗
かつてフィルムカメラしなかったころ……。思い出しただけでも冷や汗が出る失敗をした。現在のデジカメのように撮った画像をすぐチェックできない時代、「数打ちゃ当たる」で、じゃんじゃんシャッターを切り続け、ある時点でふと気が付いた。フィルム1本で撮れるのは36枚なのに……。そうフィルムを入れ忘れた空のカメラで撮影を続けていたのだ。時すでに遅し! それまでのシャッターチャンスをすべてふいにしてしまったのだ。
後にも先にも、こんな大失敗はこれこれっきりだが、かつて釣り場で切ったシャッター回数、おそらく200万カット以上。そのなかには当然、失敗写真も数多い。そんな経験から学んだ釣り上げた魚を綺麗に撮影するコツを公開しよう。ただし私は写真家ではなく、あくまで編集記者なので、玄人好みの高度な撮影技術は持ち合わせていない。そのあたりをご考慮いただいたうえで読み進めてほしい。
釣り上げた魚を綺麗かつ生き生きとした状態に保つべし!
釣果写真には魚だけを撮る場合と、釣り人が手持ちした魚を撮る(いわゆるニコパチ)場合があるが、魚を綺麗に撮影するという点で基本は同じだ。
心得その1【魚に付いた砂やゴミ、血をきれいに洗い流そう】
抜き上げた魚でもネットですくった魚でも、一旦防波堤や護岸の上に置いてしまうと、間違いなく小さい砂やゴミが付着してしまう。撮影時には気が付かなくても、後に画像を確認すると砂やゴミが目立つことがあるので注意。
同様に魚のエラブタなどから流れる血にも気を付けよう。自分で釣った魚を単体で撮る場合は間違いなく気が付くが、自分の魚を手持ちして周囲の誰かに撮影してもらう場合、カメラ側の魚側面に流れる血には気付きにくいものだ。
砂、ゴミ、血のいずれも釣果写真を台無しにしてしまうので、撮影前に海水などで洗い流すのが鉄則だ。そのためにはロープ付きの水くみバケツは必携だ。
心得その2【タチウオなど体表が傷つきやすい魚は取り扱い注意】
とくにタチウオなどウロコがない魚は体表が傷つきやすい。地面に置くだけでザラザラになるし、フィッシュグリップで挟む場合も何度も挟みなおすと、その跡が思い切り目立つ。
ということでタチウオの場合、抜き上げてリーダーやハリスをキャッチしたら地面には置かず、ぶら下げた状態のまま撮影してもらうのがベスト。フィッシュグリップを使用する場合もねらい定め一発でグリップ。握り直しは厳禁だ……が、ドラゴンクラスの大型にもなると、なかなかそうもいかない。一気に抜き上げてドスンと着地させたらタオルなどでつかみ、体表の汚れを海水で洗い流そう。
撮影環境にも配慮しよう!
心得その3【レンズの水滴に注意】
釣り上げたばかりの魚たちは当然元気だ。身体をくねらせ尾を振り逃げようと大暴れする。そのときに海水や体表のヌルをまき散らし、それがカメラのレンズ表面に付着することは日常茶飯事だ。
ファインダー越しやスマホのモニター越しだと、その水滴になかなか気が付かないことが多いのだ。撮影直前に必ずレンズ面を確認し、水滴や汚れが付いていたら、きれいな布で拭き取ること。レンズに水滴や汚れが付いたまま撮影すると、肝心な部分(魚や人物の顔など)が水滴できちんと写っていない……ということがよくある。
心得その4【背景・バックを整理しよう】
撮影対象の魚だけでなく魚の周囲や背景にも気を配ろう。魚を置いた周囲の地面のゴミは小さいものでも除去、タバコの吸い殻など落ちていて写り込んだら興ざめしてしまう。ちぎれたエサや放置された仕掛の切れっ端などにも要注意。また防波堤など乾いたコンクリート面などなら海水で濡らすのも写真を綺麗に見せるコツ。細かいゴミを洗い流す効果も期待できる。磯などで浅い潮だまりに魚を入れるのも面白い。
魚を手持ちで記念撮影する場合も、バックの荷物などに気を配る。きちんと整理されていればまだしも、派手に店開きした荷物類やゴミ袋が写真に写り込むのも考えものだ。
※次回【後編】では撮影技術の基本とイメージアップのかんたんなノウハウをお届けする予定です