もう怖くない!根掛かり回避の対処法 ちょっとした意識と知識で根掛かりは減る!
メタルジグの根掛かり回避術!

釣りをするうえで誰もが一度は経験する「根掛かり」。私自身、根掛かりによって大切なルアーをなくしてしまう苦い経験をしてきました。釣果を出そうすればするほど、際どいポイントを攻める必要が出てくるため、なかなか根掛かりを避けるのは難しくなります。アングラーを悩ますトラブルの一つではないでしょうか。

誰もがメタルジグをなくすのは嫌なものです。もちろん金銭面の問題もありますが、自分にとってお気に入りの相性のよいものを失うのは本当に痛手…。同じように見えるメタルジグのなかでも、よく釣れるジグとそうでないものがあるのは不思議ですね。
根掛かりを恐れていては釣果を得れず、釣果を得たければギリギリを攻める必要がある。そんな相反するミゾを少しでも埋めるべく、根掛かりを減らし釣果へとつなげる対処法はしっかりと身につけておく必要があります。

というわけで今回は、ショア・オフショアを含めたメタルジグでの根掛かり回避術を、私、井上(イノォ)がお届けします!

1.ロッドを軽く握ることで感知能力は上がる!?
違和感を覚えたら、優しく慌てずに

01_ ロッドを握る

メタルジグの釣り(ジギング)では、まずはしっかりと底を取ることが重要です。青物や根魚などは底付近でのヒットがよくあるからです。だいたい底から3巻目から5巻目でアタることが多いですね。なので、いかに底を感知できるかが重要となります。

02_ ロッドを握る2

ロッドを軽く握ることでロッドに伝わる振動を感じやすくなり、着底感が今まで以上に分かりやすくなります。さらに、ロッドは長いよりも短くなるほど感度は上がります。
潮が速い場合は、糸フケが多いとジグが潮に流されて根掛かりさせやすくなります。なので、糸フケはなるべく出さないほうが無難でしょう。次に着底したのか、魚のアタリなのか分からない場合は、メタルジグを動かさず止めて待つようにしましょう。分からないまま手前(自分側)へ引いてしまうと根掛かりを起こす可能性が出てしまいます。もし魚が食っていれば必ず動いてくれますので、そこからアワセを入れても十分に間に合います。
底が荒い場合は「重さを感じたから」「コツンとなったから」といってアワセてしまうと、根掛かりを悪化させる結果にもなりかねません。違和感(軽いスタックかもしれません)を覚えたら少し待ち、生命感があればアワセ、そうでなければ軽くロッドをあおって、優しく外すようにしましょう。

2.パーツ選択にこだわれば、根掛かり回避率は上がる!

03_ スプールとアシストフック

メタルジグでの釣りにおいて、根掛かりが起こりやすい原因にメタルジグの形状ハリの形状が関係しています。そして、ラインの太さによっても根掛かりのしやすさは変わります。この3つについて根掛かりの回避率を上げる策を紹介します。

 

(1)メタルジグの形状による回避

04_ メタルジグの形状

メタルジグにはさまざまな形状があります。ジグのサイズは小さいものより大きいものの方が根掛かりが少なくなります。
たとえば、同じウエイトのジグでもショートジグよりロングジグの方が根掛かりしにくくなります。リヤフックなしでのロングジグは、ショートジグよりも着底後に倒れるまでにタイムラグがあるからです。そのほか、フォール姿勢が横になるスロー系タイプのジグも、スタンダードなジグより根掛かりが少ないようです。
このようにメタルジグの形状により根掛かりのしやすさは異なりますので、今、「釣れる」ジグを選ぶべきか、「釣りやすい」ジグを選ぶのかを、シチュエーションに応じて適宜選択すると、根掛かりを少しでも減らせるようになるかもしれません。いろいろと試してみてください。

(2)ハリの形状によって根掛かりは減る

05_ アシストフック

メタルジグを根掛かりさせないハリのセティングも重要です。
大きなハリよりも小さなハリの方が根掛かりは少なく、また、ハリ先の形状がストレートよりもカーブしている(ネムッている)方が根掛かりしにくいのです。さらに、トレブルフックよりもシングルフック、アシストの長さが長いよりも短い方が同様に根掛かりが減ります。つまり、根掛かりを回避することだけを考えるのであれば、ジグのフロントにアシストの短いシングルフック、しかもカーブポイント形状で小さいサイズのハリを使用すれば、根掛かりしにくくなります。

とはいえ、「根掛かりが少ない≒フッキング率が悪い」ことにもなり兼ねませんので、ケースバイケース。まずは、リヤフックを取って釣りをするところから調整してみましょう!

(3)使用するラインの太さも大切

06_ リールとライン

根掛かりが少ないポイントでは、ルアーに違和感を与えず魚に見切られにくい細いラインが有利なのはご承知の通り。私もできるだけ細いラインを使用しています。リーダーに関しても細いほど水切りがよく、意外に根掛かりしにくいのです。
しかし、根掛かり回避よりも回収を考慮すれば、根掛かりを外す際は太いラインのほうが有利となります。根の荒いポイントで根掛かりを覚悟して釣りをする場合、太いラインを使用することで強引に引っ張ってハリを折ったり、曲げたりして回収できることが多々あるからです。
私自身は少しでも根掛かりしたルアーを回収できればと、ショアジギングではPE2号を使うようにしています。

3.どうしても外れないときの対処法

07_ 釣りシーン(根掛かり)

根掛かりしないように常に集中して釣るのは難しいものです。ふと気を抜いた瞬間に根掛かり…などといったことは誰にでもあるもの。そんなとき、ラインを指で摘んで揺すってみたもののピクリとも動かない場合は、完全にロックしてしまっている重症なケースです。どうしても外れない場合は切るしかありません…。
こんな状況に便利なアイテムを2つご紹介します。もしかしたら、ハリが折れたり、曲がったりしてでも、ルアーを回収できるかもしれません。

 

(1)回収機を使ってみる
お手軽・安価な自作もアリ!

ラインを切る前の手段として、回収機を使うことによりルアーをロストせずに済む場合があります。現在ではいろいろなルアー回収機がありオススメですが、回収機を使わずとも根掛かりを外せる安価な方法を紹介しましょう。

08_ オモリ(自作・回収機)

用意するものは、船釣りで使用するナス型オモリスプリットリング、スナップの3つです。この3つで簡易的な回収機を作ることができます。作り方は、オモリにスプリットリングを付け、さらにスプリットリングにスナップを付けるだけで完成です。かんたんに作れますよ!
根掛かりしてしまったらラインテンションを張り、スナップのロックを外してラインをくぐらせスナップをロックして、スルスルとオモリを滑らせていきます。オモリが根掛かりしたジグに到達したら、ラインスラックを取るようにロッドをシャクると、オモリの暴れ効果でルアーが外れやすくなります。ただし、外れないときは自作回収機ごとロストにつながりますので注意が必要です! これで大切なルアーを回収できたら安価でお手軽。現場で対応できるのでとても便利ですね。

(2)引っ張ってラインを切る
でも、極力ラインを海中に残さないように

どうしても外れないときはラインを切るしかありません。
ラインカッターでラインを途中で切ると海中にラインが残ったり、手で引っ張ると怪我の恐れもあります。また、ロッドで直接引っ張る場合は、引く向きによりロッドの破損などにもつながる可能性がありますので、あまりオススメしません。ラインを引っ張って切る場合はラインブレーカーを使うのが安全です。
ラインブレーカーは糸を巻きつけて引っ張ることで、しっかりと根掛かったラインに力を掛けることができます。そのため海中にラインが残りづらく、メタルジグのフックを曲げて回収できる確率も上がります。安全に確実に、ラインブレーカーを使って根掛かりに対応しましょう!

09_ すりこぎ棒(自作・ラインブレーカー)

とはいえ、ラインブレーカーの価格もピンキリ。高価なものは購入に躊躇してしまうかも…。
ここで便利グッズをご紹介。身近な100円均一ショップで購入できる「すりごぎ棒」です。安価で重たくなく手軽に使用できるすりこぎ棒を利用して、糸を巻き付けて引っ張るだけです。意外にラインブレーカー同様に使用できとても便利なので、ぜひ一度お試しください!

 

私も以前、底の荒いポイントであるにもかかわらず、釣果を出したいがために根掛かり覚悟で攻め、大切なルアーをたくさんロストした経験があります。「釣果を得たければ根掛かりを恐れず…」ではありますが、お財布事情に優しくないうえ、釣り場環境にもあまりよくありません。

ちょっとした意識と知識で根掛かりを少なくできれば、釣りは楽しく快適になります。ロッドを少し軽く握って、手先の感覚に集中してみてください。これだけでも根掛かりは軽減できます。あとは実践しながら「根掛かりしない」感覚を身につけましょう!
ぜひ、頑張ってみてくださいね。

10_ 釣りシーン

 

レポーターREPORTER

井上 隆史
プロフィール:井上 隆史
休みの日も家でのんびり過ごせない昭和のアラフォー世代。人なつっこい笑顔と誰とでも仲良くなれる性格とは裏腹に、ライトソルトをメインにワカサギ釣りまでこなすマルチなハヤブサフィールドスタッフでもある。『イノォさん』の愛称で親しまれ、関西圏を中心に週末の釣りを存分に楽しむ生粋のサラリーマンアングラーだ。