アナタの釣果写真をレベルアップ
スマホで撮影する「○○すべし!」の3ヵ条

自分で釣った魚を思い出として写真に残しておきたい。釣り人なら誰でも一度はそんな気持ちになったことがあるはず。最近ではSNSでもいわゆる「釣果写真」がさかんにアップされるようになり、撮った写真を人に見せる機会も増えていますよね。
そこで今回は、私がスマホカメラで釣果写真を撮る際に気を付けているポイントや、実践しているちょっとしたコツを伝授したいと思います。これでアナタの釣果写真も少しレベルアップするかも? 釣果写真に限らず使えるテクニックもあるので、ぜひご覧ください♪

※使用スマホは「iPhone12pro」です。機種によって設定方法や名称が異なる場合があります

その壱『魚にピントを合わすべし!』

 

メインはどっち?
人物と魚を撮影する際のポイント

たとえばこの2枚の写真、どちらがより魅力的に見えるでしょうか?

01_ ピント(人物)
02_ ピント(魚)

パッと見た目には、人物がくっきり写っている左側の写真の方が綺麗に撮れているように見えますが、釣果写真の主役はあくまでも魚。この場合、人物ではなく魚にピントが合っている右側の写真の方がベターといえます。このように、魚(または魚の顔や目)にピントをしっかり合わせ、よりリアリティのある写真を撮ることが、釣果写真を撮影する際の最も重要なポイントです。

とはいえ魚は生き物なので、せっかくつかんでもヌルヌルと滑るし、じっとさせられないため撮影を一発できめるのは至難の業。「ハイチーズ!」 と1枚ポッキリで終わらず、何枚か連続で撮影しておくことが必須です。できればシャッターを押しっぱなしにして連写する(=バースト撮影)のではなく、その都度魚にピントを合わせ直してシャッターを切るのが望ましいでしょう。

03_ 人物と魚1
04_ 人物と魚2
05_ 人物と魚3
個人的にはこれくらい人物がぼやけている方が好きです(ピントの強さはお好みで調整してくださいね)

魚の特徴を生かした写真を撮ろう

釣果写真は、いかに魚を生き生きとした状態で写真に収めるかも重要なポイントとなります。魚が可愛く見えるアングルを探したり、背景とのバランスを考えながら撮影するのも楽しいですよ♪

魚の基本的なフォルムは同じですが、魚種によって特徴やサイズ感はさまざま。小さいサイズの魚は人物と一緒に撮影しようとすると、どうしても魚の割合が小さくなってしまうため、個人的には魚を単体で撮るのがオススメです。

06_ フグ
海をバックに手乗り写真も可愛い
07_ カサゴ(ガシラ)
集合させると、よりチャーミングな印象に
08_ ヤマメ
川魚は模様がくっきり見えるように
09_ ヤマメ(水中)
少し難易度高めですが水中撮影も面白いですよ

逆に、青物や大型サイズの魚は全体像をしっかり見せる、または顔やヒレなど魚の特徴を生かしたアングルから撮影するとダイナミックで印象的な写真になります。

10_ キングサーモン釣果 /11_ ハマチ釣果
頭から尾ビレの先端まで欠けないように全体像を収める
12_ ニジマス釣果
13_ カラフトマス釣果
トラウト系は頭を手前(カメラ側)に向けて奥行きを出すとカッコよくキマリます
14_ ブラックバス釣果 /15_ スズキ(シーバス)釣果
ブラックバスやシーバスは口や頭を強調するとインパクト大

また、逆光や影の映り込みにも注意しましょう。釣り場での立ち位置などの関係で仕方のない場面もあると思いますが、できるだけ魚や人物に自然光が当たるような角度から撮影すると一眼レフにも負けないくらい綺麗な写真が撮れますよ。

その弐『カメラの設定をあらかじめ○○にすべし!』

 

「フィルタ」を活用してみよう

画角とピントが決まれば、次は色彩の調整にもトライしてみましょう。色味や鮮やかさによって写真の印象はずいぶん変わります。

16_ コイ(オリジナル)
17_ コイ(ビビッド)

たとえば上の2枚の写真を比較してみると、左の写真より右の写真の方が明るく鮮やかに見えませんか? 右側のような写真を撮るには、実は撮影時にとある設定を変えるだけなんです。それはズバリ! 「フィルタ」の設定。アプリの特殊な効果などを使わなくてもiPhoneの標準カメラのフィルタを「オリジナル」から「ビビッド」に変更するだけで、一発で色鮮やかな写真に仕上げることができます。とくに色彩を強調したいときにオススメです。

18_ フィルタ調整(前)
19_ フィルタ調整(後・ビビッド)
フィルタの設定を「オリジナル」から「ビビッド」に変更するだけで明るく鮮やかな撮影が可能に!

「ポートレート」を使う際のひと工夫

最近の機種に搭載されていることも多い「ポートレート」モード。「ポートレート」とは主に人物を被写体として撮影された写真のことですが、被写体である人物にピントを合わせ背景をぼかすことで、よりメインを引き立たせるという手法でもあります。この「ポートレート」モードを使うと誰でもカンタンにプロのような写真を撮ることができるのですが、できれば初期設定のまま使うのではなく、少し工夫することでよりナチュラルな写真を撮影することができますよ。

たとえばこの写真。

20_ ポートレート(高)
21_ ポートレート(低)

左の写真は一見、魚が強調されておりよい写真に見えますが、背景がぼやけすぎてどんなロケーションで釣れた魚なのかまったく分からないのも、少しもったいない気が…。あまりぼかしすぎると逆に不自然になってしまうので、設定を変えて少しマイルドにぼかすのがナチュラルで綺麗な写真を撮るコツです。

22_ ポートレート調整

ポートレート設定の「被写界深度」のレベルを変えることによって、どの程度背景(周囲)をぼかすのかを調整することができます。(撮影後に調整することも可能です)

ちなみに、これらのカスタムは、いちいち撮影時に調整しなくてもあらかじめお好みの設定を記憶させておくことが可能です。これで、時合いを逃さずスピーディーな撮影も可能になりますね!

23_ 設定1
24_ 設定2
25_ 設定3
「設定」→「カメラ」→「設定を保持」→「クリエイティブコントロール」を「オン」にする

その参『アプリの加工はあとからすべし!』

26_ サバ釣果(美肌アプリ)

これは友人に撮影してもらった写真です。美肌アプリのおかげでお肌が綺麗に、そしてうっすらピンクのフィルタがかかっているので全体的に柔らかい印象になっているのがお分かりになりますでしょうか? 魚、ルアー、人物がバランスよく枠内に収まっていてとっても素敵な写真なのですが、実はアプリ(=撮影時フィルタ)で撮影した写真にはちょっと困った経験も…

美肌加工ができるアプリやインスタントカメラ風のフィルタを使って撮影することができるアプリなど、カメラアプリは多種多様に存在しますが、それらで撮影した写真は「あとからオリジナルの写真(加工のない状態)に戻せない」「標準カメラに比べて画質が劣る」など、別の用途で使用したい場合に弊害が出てしまうことは否めません…。
SNSにアップするだけならアプリで撮影した写真でもさほど問題にはなりませんが、ほかのフィルタに加工し直したい場合や元画像を引き伸ばして印刷したい場合、また、雑誌やWEB媒体などへの記事投稿に使用したい場合に画素数が足りず使えなかった…なんてこともあります。なので、まずは標準カメラを使って可能な限りベストな状態で撮影し、そのあとにお好みのアプリを使って必要な加工をするのがベターですね。

また、同様の理由で「ズーム」機能を使うのもできるだけ避けた方がよいでしょう。
iPhoneのproシリーズのように、カメラのレンズを切り替えることによって望遠・広角をチョイスできるものは問題ありませんが、自分でズームをした場合(=デジタルズーム)はどうしても画像が粗くなってしまうので、ズームをせずできる限り自分が被写体に近づいて撮影するようにすると画質の劣化を防止することができますよ。

27_ 近づいて撮影

 

いかがでしたか? 今回は私の経験をもとに、ちょっとしたひと手間を加えたり操作の手順を変えるだけで、少しレベルアップした綺麗な写真を撮ることができるコツをご紹介してみました。すぐにでも実践できるカンタンなテクニックですので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
みなさんの釣果写真がよりベストな状態で撮影できることを願っています!

 

レポーターREPORTER

小西 栄里子
プロフィール:小西 栄里子
京都府京都市在住
不動産会社に勤務する傍らハヤブサフィールドスタッフとしても活動中の週末アングラー。渓流でのフライフィッシングが一番の癒し。釣りだけでなく、キャンプやスノーボード、お笑い観賞にカラオケまで(笑)
とにかく楽しいことが大好きなアウトドアガール。
インスタグラム:
@fishingram_connie (URL: https://www.instagram.com/fishingram_connie/)