こんにちは!
言いたいことも言えない世の中なので、たまには毒を吐きたくなる「さかなのおにいさん」かわちゃんこと川田一輝です。ポイズン!
今日は毒でお馴染みフグのお話です。青酸カリの500~1,000倍もの毒性があり、ほんの1~2mgで人の命も失われる猛毒といわれています。
そんなフグですが……衝撃の事実!!
フグってもともと
実は、フグは生まれたときは毒がないのです。
古くは縄文時代から食べられていたフグ。当たると死んでしまうことから、江戸時代はフグ=鉄砲とよばれていました。
鉄砲の刺身でてっさ、鉄砲のチリ鍋でてっちりとなったワケです。
あまりにも中毒死が相次いだため研究が始まりました。そう、フグの毒を初めて解析したのは日本人なんです!
江戸時代、食べて~
昭和に入ってフグ毒を突き止めた、フグはかせの谷博士と福田博士。
分かったのは大きく分けて3つです。
②とくに卵巣と肝臓の毒性が強い
③古来より猛毒といわれてたフグの血液は実際には無毒だった
この2人の博士がいろんなフグの種類と毒の場所を一覧にしてくれたから、今僕らが安心してフグを食べられるんですね。
つづいてこの毒に「テトロドトキシン」という名前をつけた田原博士。研究によって、フグはもともと生まれたときは毒を持ってないことも判明!!
マンボウでもわかる
海のそこら中にいる海洋細菌をヒトデや貝が食べて、それをフグが食べて……。体の中で小さな毒を濃縮して強くする「生物濃縮」によって作られるのが、フグの毒なんです。
この技術を応用して、毒のないフグを養殖で作ることに成功しました。
ただし一つ問題点があったのです。
それは……!?
逆に言うと養殖で
精神的に不安定になりました!
フグにとって毒は身を守る鎧。毒がないと不安になったり、一説には毒を取り入れようとして、周りのフグに噛み付いたり、暴れることがあるそうです。そのため養殖のフグは周りを噛まないように歯を切られます。
人間も少々毒っ気がある方がいいのかもしれませんね。
ちなみに、石川名物フグの卵巣のぬか漬け※。
猛毒のフグの卵巣を2~3年糠漬けしたら、毒が抜けて美味しく食べられます。ただし未だに誰も理屈は分かっていないそうな……。
※「フグの卵巣のぬか漬け」は免許を取得した石川県内の業者様のみ取扱い可能なものです。
毒性検査をクリアしたのち、出荷されております。
危険性が高いため、一般の方は作ることができませんのでご注意ください
まだまだ研究の途中!
今回は知ってるようで知らないフグ毒の豆知識でした。じゃあね!
レポーターREPORTER
1990年大阪生まれ。さかなたちの“おかしな”生態を書籍やメディアで伝えることで、子どもの好奇心を育てる活動をしている。テレビ東京「シナぷしゅ」や釣り番組・情報番組に出演中。
著書に「ツッコミたくなる おさかな図鑑(ワニブックス)」「全国クセすご水族館図鑑(中央公論新社)」など。SNSの総フォロワー数70,000人以上
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