知って得する!川田一輝のお魚あれこれ No.12 うなぎ、謎多き人生ドラマ

illust_川田一輝

お魚大好き「かわちゃん」こと川田一輝さんがお届けする、ほのぼのイラストコーナー!
第12弾となる今回は、蒲焼で人気!スケールが大きい「ウナギ」の人生のお話。 では、どうぞ~!

 

つい7~8年前まで、海のどこで生まれるのか、卵も親ウナギも誰も存在すら知りませんでした。

研究の結果わかったウナギの人生は、思った以上にドラマチックだったのです。

うなぎの人生(魚生)は謎だった!

01_ウナギ

日本人だけでなく古代ギリシャの時代から「あいつ気づいたらおるけどどこから来てるんやろ?」と謎だったようです。
今回はドラマチックな魚生を歩むウナギの話。

誕生~幼魚時代

02_レプトケファルス

マリアナ沖(グアムらへん)で生まれます。
大きさわずか1.6mm。

レプトケファルス(レプトセファルス)と呼ばれる、黒潮に流されやすいよう葉の形で生まれ、半年かけてどんぶらこっこと日本へ!

日本の沿岸まで来るとシラスウナギ、すなわち、小さくて透明な子ウナギになります。

イケイケ~成魚時代

03_川で大きくなるウナギ

5~15年川の中でエサを食べて成長します。
なんと飼育下では80年生きたうなぎも!

好物はカニ、エビ、小魚やミミズ、川の中では生態系の頂点です。

そして産卵へ…帰郷!

04_生まれ故郷に帰る

十分な大きさになると、銀ウナギというメタリックシルバーのギラギラ輝くウナギになって川を下ります。

産卵場まで約1500~2000kmほどの距離を一切エサも食べずに泳ぐんです。 自分たちの生まれた産卵場に戻って、新月の夜、真っ暗な中で産卵をして死にます。
なぜ新月かというと、群れで移動しないので、オスとメスが出会えないから。
新月の夜に待ち合わせをしてるようです。

 

新月の夜に2000km離れたところで出会った二人、真っ暗な中、子孫を残して次の命にバトンを託す。
合計移動距離4000km、年月15年近くのひじょうにスケールの大きいウナギの一生。

ウナギの蒲焼きを食べるときは、ウナギのドラマごと噛み締めてみてはいかがでしょうか?

 

レポーターREPORTER

さかなのおにいさん かわちゃん
プロフィール:さかなのおにいさん かわちゃん
1990年大阪生まれ。さかなたちの“おかしな”生態を書籍やメディアで伝えることで、子どもの好奇心を育てる活動をしている。テレビ東京「シナぷしゅ」や釣り番組・情報番組に出演中。
著書に「ツッコミたくなる おさかな図鑑(ワニブックス)」「全国クセすご水族館図鑑(中央公論新社)」など。SNSの総フォロワー数70,000人以上
ツイッター:https://twitter.com/sakana_bro
インスタグラム:@kawayanfishing (https://www.instagram.com/kawayanfishing/)
Youtube:さかなのおにいさん かわちゃんねる
公式HP:https://sakana-bro.com