季節を楽しむ釣りキャン
秋の東古屋湖でフィッシング&キャンプ(栃木県)

秋の東古屋湖でフィッシング&キャンプ(釣りキャン)_text-photo_ショータ・ジェンキンス

トラウト(鱒)釣りが好きな人にとって秋は、川や湖が禁漁期間を迎えオフシーズンに突入。僕もこの時期になるとオフトレと称して各地の管理釣り場に足を運ぶでのすが、今シーズンはもう少し贅沢に、よりアウトドアの要素を取り入れた「釣りキャン」を楽しみたいと思っています。
そこで今回は美しいロケーションでのキャンプとトラウトフィッシング、そして何より気軽さをテーマに、栃木は東古屋湖に行ってきました。

釣りキャンの頼もしい相棒

「餅は餅屋~」とばかりに今回の釣りキャンを一緒に楽しむのにお誘いしたのは「+FISHING/繋がる幸せ」をコンセプトに、釣りとアウトドアライフスタイルのプロダクトを展開しているJointerのブランドディレクター石川友也氏。仰々しく紹介しましたが、石川さんは僕がまだ千葉に住んでいたころに初めて中禅寺湖に連れていってくれたり、家に餃子を作りに来てもらったり(?)、長年にわたり公私ともにお世話になっている釣り仲間。というか先生。

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「アーバンフィッシングの連載がコロナでアレなので、代わりの外遊びとして釣りキャンしたいんです」と先生に正直に相談したところ、急遽お互いのホーム栃木での釣りキャンが決定。面白くなる予感しかしません。

冬季も自然のフィールドで釣りができる東古屋湖

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通常秋から春にかけて禁漁となる多くの川や湖と違い、3月の解禁後12月いっぱい釣りができる東古屋湖。ダム湖に魚を放流し、オカッパリだけでなくバス釣りのようにレンタルボートで大型トラウトをねらえる、ちょっと変わった釣り場でもあります。家からそう遠くないにも関わらずこれまで訪れたことのなかったフィールド。しかも石川さんも数年振りということで釣りに関する前情報はゼロ、大丈夫か(笑)??

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ひとまず漁券を取り扱う管理事務所でキャンプサイトの受付も済まし、東古屋キャンプ場へ
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その他のフィールドや管理釣り場に比べると若干割高な印象。その分放流にも力を入れているとか

東古屋湖(栃木県鬼怒川漁協)

住所:〒329-2216 塩谷郡塩谷町大字上寺島字東古屋
HP:http://www.kinugawa-gyokyou.com/higasigoyako/

 

テントを設営して腹ごしらえして、午後からのんびり釣りしましょうと余裕のわれわれ。
しかしこのときはまだ東古屋湖の洗礼の厳しさを知る由もないのでした…。

くつろげる&カッコイイ空間を作る

まだ真っ赤な紅葉も残るキャンプサイトは地面も平らな場所が多く見晴らしも抜群。平日とはいえ思っていたよりソロキャンを楽しんでいる人や、グルキャン(ソロテントを距離をとって設営しみんなで楽しむスタイル)も多く見られ、実に「こんな時代らしい」楽しみ方なんだなと思いました。

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tent-Mark DESIGNSのパンダTCを使用して、真ん中にタープでリビングスペースを作ってみた

われわれも負けてはいられないとばかりに、折角だから秘密基地風の楽しい空間を作ろうと釣りのことをすっかり忘れて設営。実際釣りなんてそっちのけで楽しむのもよし、仮に釣れなくてもよしぐらいで挑むのが、ひょっとすると釣りキャンのコツなのかもしれません。

スタートフィッシング

軽い食事とコーヒーを済ませ、結局14時前ぐらいから釣りを開始。まずはキャンプサイトのすぐ前のシャローエリアからスタート。何度かライズはあったものの、想像していたよりも浅いのとあまり水がよくなさそうに感じたので、後ろ髪引かれつつエリアを大きく移動。

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キャンプサイトの目の前に広がる釣り場。もう少し水量のある時期ならかなり有望ポイントだと感じました

車の停められそうな場所をいくつか見つけてポイントを周りましたが、例年より水位が低いようで投げられるところも少なく、また、ところどころでヘラブナ釣りを楽しむ釣り人の方との距離を考えていたら管理事務所付近の船着場エリアに到着。ちなみにキャンプ場と管理事務所は車で2、3分の距離です。

管理釣り場とは違うワイルドな釣り場の洗礼

時には70cmを超えるレインボーなどがねらえる釣り場ということで、前半は強気に大きめのミノーやスプーンを投げるも反応はなし。だんだんと夕マズメも近づき正直焦り始めるわれわれ。口では「釣れなくてもいいよね!」なんて言いながらも、一度釣り始めてしまえばどうにかして1尾を手にしたくなるのが釣り人の性。だんだんと口数も少なくなり真剣モードに(笑)。

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今回はあえてウェーダーやベストを”封印”。オカッパリのバス釣りのように気軽に楽しむスタイルでトラウトをねらいました

ライトタックルに持ち替えて、2.8g~3.5gぐらいのスプーンでボトム付近を攻めているとようやくバイト! 一瞬ジジっとドラグを出すもすぐにバレてしまいましたが、このバイトのおかげで一気に集中が高まります。

待望のキャッチ

時合いでも訪れたのか、2人とも何度かバイトを得ることができ少しずつ1尾に近づいてきた感じはありますが、食いが浅くお互い2バラし…。東古屋湖は朝7時からボート釣りは15時半、オカッパリは16時半までで、この時点で残り時間15分を切っていました。
これは明日の朝も延長ラウンドかなぁ…と思いながらボトムを取っていると明確なバイト! 今回だけは逃したくないと強めにフッキングしファイトも強引! そのときの僕は、のんびり釣りキャンなんて似つかわしくない形相だったに違いありません(笑)。

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30cmあるかないかの、東古屋湖にしては随分と可愛いサイズだと思いますが、思えば結構ランガンしてようやくたどり着いた魚に大興奮でした

持ち帰りがOKなので釣れたらキープして、久しぶりに塩焼きでも食べようなんて考えていたのですが、いつもの癖で撮影を済ませてさっとリリースしてしまいました。いやー釣れてよかった! まぁ釣れなかったとしてもきっと、それはそれでイイって言い張ったでしょうけど…。

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実際に使用したのはこれだけ。遠征で鍛えた「あるものでどうにかする」が活かされます(笑)