INDEX
- ● タックルの違いについて知ろう
- (1)イナワラ・ワラサ専用船のケース
- (2)マダイ五目船のケース
- ● タナ取りの基本動作
- ● アタリがあったら…
- (1)専門船でのアドバイス
- (2)マダイ五目船でのアドバイス
- ● 取り込み方のコツ
今回は豪快なファイトが楽しめることで人気の青物である、イナワラ・ワラサ(※)釣りの基本をわかりやすく紹介させていただきます。
イナワラ・ワラサは、関東では専用船でねらうケースとマダイ五目船でねらうケースが一般的です。当該ケースの違いによって、準備するタックルや仕掛が違ってきます。
知っておいて損はありませんよ。ぜひ、少しの間お付き合いください。
※いずれもブリの幼魚で、関東では成長順に「ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ」と呼ばれます。最近、イナダとワラサの中間サイズを釣り雑誌や船宿でイナワラと呼ぶケースが一般的になっています。関西では、「ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ」と呼ばれます。
タックルの違いについて知ろう
(1) イナワラ・ワラサ専用船のケース
- ●竿: 2.4m程度 /オモリ負荷50号程度 /7:3調子(もしくは6:4調子)
- ●リール: 中型電動リール
- ●道糸: PE3号~4号(10m、5m、1mごとにマーキングがあるもの)
- ●片天秤: 45~70cm(弓型もしくは形状記憶タイプ)
- ●ビシ: 40、60、80号(船宿に確認しましょう)
- ●クッションゴム: 3mm径×1m
●仕掛:
状況に応じて仕掛の使い分けが重要です。
<イナワラがメインの場合>
・ハリス: フロロカーボン6号×4.5m
・ハリ: 伊勢尼9号
<ワラサがメインの場合>
・ハリス: フロロカーボン8号×6m
・ハリ: 伊勢尼11号
※チモトには、ソフトビーズや夜行パイプも付いているものもおススメです
●エサ: イカ短のオキアミサンド
イナワラやワラサには、イカ短は効果抜群です。必ず持参してください。私はいつも冷凍庫に100円SHOPで購入した冷凍のイカソーメンをストックしています。丁度良いサイズにカットされており、コスパ最高で、いつも好釣果に貢献してくれます。
(2) マダイ五目船のケース
- ●竿: 2.3~3m程度 /オモリ負荷30号程度 /6:4調子(または7:3調子)
- ●リール: 小型電動リール
- ●道糸: PE2号~3号(10m、5m、1mごとにマーキングがあるもの)
- ●片天秤: 45~70cm(弓型もしくは形状記憶タイプ)
- ●ビシ: 40、60、80号(船宿に確認しましょう)
- ●クッションゴム: 2mm径×1m
●仕掛:
状況に応じて仕掛の使い分けが重要です。
<イナワラが混じる場合>
基本、強引なやり取りをしない限り、マダイ仕掛で対応可能です。食い渋り時にハリス号数を(4号から3号に)落としたいという気持ちは分かります。相手がイナダであれば号数を落として3号でも対応可能ですが、相手がイナワラだと3号ではハリス切れのリスクが大きくなります。
・ハリス: フロロカーボン4号×10m
・ハリ: マダイ5号(メーカーによっては9号)もしくは伊勢尼9号
<ワラサが混じる場合>
マダイ五目船でワラサが回遊してきた場合、即座にワラサ専用仕掛にチェンジしましょう。魚の個体差やハリのかかった場所にもよりますが、マダイ兼用仕掛だと、一瞬でハリス切れが起きることがよくあります。また、ハリが伸ばされたり、折れたりすることもあります。
・ハリス: フロロカーボン8号×6m
・ハリ: 伊勢尼11号
●エサ: オキアミLサイズ(1匹掛けもしくは抱き合わせ)
食い渋り時には、長ハリスの仕掛に交換してみましよう。また、頻繁に誘いをかけるよりは、待ってみる戦法の方が効果的です。
タナ取りの基本動作
船長の指示にしたがって正確なタナ取りを心掛けましょう。基本的には次のような動作の繰り返しで、指示ダナに仕掛を送り込んでいきましょう。
例えば、船宿標準仕掛が9m(仕掛が8m+クッションゴム1m)で、船長のアナウンスが「ハリス分+2m」の場合、魚が回遊しているのは底から2mということになります。言い換えるならば、ビシ(オモリ付きのエサカゴ)の位置を底から11mにもっていく必要があります。
- ①.着底したら、すぐに糸フケをとりましょう。
- ②.すばやく3m巻き上げて、竿を大きくあおってコマセを出します。(1回目)
- ③.3m巻き上げて、竿を大きくあおってコマセを出します。(2回目)
- ④.3m巻き上げて、竿を大きくあおってコマセを出します。(3回目)
- ⑤.3m巻きあげて、竿をゆっくりあおったあと、竿ホルダー(竿受け)にセット。
- ⑥.手で1mくらい糸を送りだす。
※潮の速さや向きおよび釣り座によって、タナの微調整が必要となります。基本的にはアタリが出るまで最低でも指示ダナの上下1mは探ってみましょう
アタリがあったら…
イナワラもワラサもアタリは強烈で竿先が海中に突っ込むほどです。落ち着いて竿ホルダーから竿を外し、竿を手に持ちます。魚の引きを感じたら軽く竿を立てましょう。
魚を取り込むまでは慎重に、強烈な引きに対処してください。
(1) 専門船でのアドバイス
前述した通り仕掛は専用仕掛なので、ハリス切れは基本的に発生しません。ドラグも固めで、ある程度強引に巻き上げて大丈夫です。常に魚の群れをねらって船は移動を繰り返しているので、1人アタリがでると周りもバタバタとアタリだします。
のんびりやり取りをすると周りの方とオマツリ(仕掛と仕掛がもつれること)して迷惑をかけてしまいます。また、オマツリによって、せっかくヒットした魚をバラすことになりかねません。まずは、最初の1本を確実にゲットしましょう。
(2) マダイ五目船でのアドバイス
アタリは突然やってきます。前述した通りマダイに合わせた仕掛のため、ハリス切れのリスクは大です。ヒット前のドラグ調整が重要です。
ドラグ調整していても、魚の引きが通常の魚の比ではないので、1番最初の突っ込みでバラすことがよくあります。その原因としては、次のような事柄が考えられます。未然防止策も説明しておきますので、ぜひ覚えて、実釣の場で対応してみてくださいね。
- ①.ハリス切れ(ハリスの傷): まめな仕掛交換を心掛けましょう。釣りあげた際に飲み込んでいるような場合には、即仕掛交換した方がいいですね。
- ②.道糸(PE)の結束箇所切れ: PEの先に輪を作ってスナップ付サルカンのリング部分と結束する方法は弱いため避けて、直結をおススメします。
- ③.道糸(PE)切れ: 隣の方とオマツリした際、PEにハリが刺さっているような場合は一旦切断して、道糸を結束しなおしておきましょう。
- ④.天秤の折れ: 形状記憶系の天秤なら折れる心配はないと思いますが、弓型天秤などの場合は、あまり使いすぎたものは使用せず、なるべく新しく購入したものを使用しましょう。
- ⑤.クッションゴム切れ: 必ず新品のものを使用しましょう。
取り込み方のコツ
魚を寄せてきたら、必ずタモで取り込みましょう。
タモ入れは失敗しないように頭から取り込みます。上手く取り込めないと魚が暴れ、目の前でバラすリスク大です。最後まで気を抜かず、慎重に行ってください。
以上のように、イナワラとワラサ釣りの基本をいくつかピックアップして紹介させていただきました。ぜひ、豪快なファイトにチャレンジしてみてくださいね。
私がワラサを一番最初に釣ったのはアジの泳がせ釣りでしたが、そのときの海中に竿が突っ込んだことへの驚きと、イナダとはまったく異次元の強力な引きに緊張しながらファイトした記憶は今でも覚えています。
みなさんも今後、記憶に残るような大物釣りをいろいろと体験してみてくださいね。
レポーターREPORTER
船釣り歴30年。ウイリー仕掛や短いビシ仕掛でのコマセシャクリを得意としたベテランアングラー。初心者向け釣り教室での講師経験も豊富で、わが子2人を5歳で船釣りデビューさせたほどの教え上手。全日本釣り団体協議会公認フィッシング・マスター。