まったくのビギナーでも大丈夫!
初めての管釣りトラウト入門
【後編】実践・釣り方を学ぼう

text_小西栄里子-photo_岳原雅浩

みなさん、「初めての管釣りトラウト入門【前編】」はもうお読みいただけましたか? 前編は「基礎・準備について知ろう」と題して、管理釣り場へ行くための事前準備から施設の利用方法、当日の大まかな流れをお伝えしました。
…では早速、準備ができたらいざ管理釣り場へ♪ といきたいところですが、「魚ってどうやって釣るの?」「ルアーってどうやって選べばいいの?」と新たな疑問も出てきますよね。やっぱり魚が釣れなきゃ面白くない!

そこで今回は、釣り方の基本動作から効果的なねらい方といった実践で役立つノウハウを、分かりやすく解説していきます。

5.釣り方・アクション

01_IMG_6660.JPG 釣りシーン

釣り場に移動した後、タックルを準備しルアーを選んだら、いよいよ釣り開始です。

基本的な釣り方は、背後に人や障害物などがないか周囲の安全確認をしてからキャストをし、適度な速さでルアーを巻いて回収する、という動作の繰り返しです。
その繰り返しのなかで、「コツンッ」と何かに当たるような感覚があったり、ラインに張りや弛みなどの違和感があった場合はすぐにアワセを入れましょう。うまく魚が掛かったら手前まで引き寄せ、ランディングネットを使って魚を取り込む。これが一連の流れになります。

各動作におけるポイント

(1)キャスト後~探り方

02_IMG_6670.JPG 釣りシーン(逆光)

まずはシンキングルアー(沈むルアー)を使って、おおまかな水深を把握しましょう。キャスト後ベールをフリーにしたままボトム(底)までルアーを沈めます。風が強いときには、フェザリング(ラインを指で触り優しく抵抗を掛けるテクニック。親指で行うサミングと同等)しながらラインを出すようにすると、余分な糸フケが出ず、ラインの絡まりを防ぐことができます。

底(ボトム)付近をトレースするなど、同じレンジ(タナ)を数回通してみて魚の反応がなければ、中層(ミドル)~表層(トップ)へとレンジを変えながら魚のいる場所を探っていきます。

(2)ロッドの角度

03_IMG_6687.JPG ロッドティップ

ルアーを巻く(リーリング)際、ロッドから出ているラインの状態は直線になるようにしておくのが理想です。アタリが出たときに、水面にラインが余っている状態だとアワセが遅れてしまうので、ラインに弛みがでていないかを確認しておくことが重要です。

基本的なロッドの角度は、ルアーが遠くにあるときはロッドを立て気味にし、ラインの張りや弛みを見てアタリを取ります。ルアーが近づくにつれて、ロッドの先端部分(ティップ)を下げ、できるだけ水面に近づけるようにし、手元でアタリを取ります。

04_IMG_6769.JPG 膝をついてリーリング

管理釣り場に行くと、かがんだり、顔の近くにリールを持ってくるような姿勢を取っている方を見かけます。あれはロッド・ライン・ルアーの3点を極力一直線に保つことによって、より感度が上がり手元にダイレクトにアタリを感じることができる姿勢なのです。ルアーの扱いに慣れたエキスパートの方の釣り方ですね。

(3)リーリング

05_IMG_6889.JPG リール手元寄り

一連の動作のなかで、最も重要なカギを握るのがリーリングです。フォール中にアタることも珍しくはありませんが、一般的にはリーリングの最中にアタリがでます。
リーリングにおいてビギナーの方に特に注意していただきたいポイントは、リールを巻くときにティップがブレないようにすることです。ティップがブレるとルアーの泳ぎが乱れてしまうので注意しましょう。

リールを巻く速さは、使用するリールのスペックやルアーの種類によっても異なりますが、意識していただきたいのは「ルアーが綺麗に泳ぐ速度」です。巻き速度がゆっくりすぎるとルアーが水の抵抗をうまく捉えられずちゃんと泳がない、極端に速すぎると魚に見つけてもらえない、ルアーの特性を生かせず綺麗に泳がせることができない、なんてことになってしまいます。自分のルアーがどこをどうやって泳いでいるかを把握しながら、リーリングするように心がけましょう。
また、新しいルアーを使用する際は、手前で少し泳がせ、水中での動きを確認してからキャストするのも有効です。

(4)ランディング(取り込み)

06_IMG_6871.JPG ランディング

初めて魚が釣れたとき、驚きと嬉しさのあまり、ついついリールをゴリ巻き! なんてシーンを見かけることもありますが、魚が掛かったときは慌てず、魚のテンションに合わせて巻くのが大前提です。

魚が掛かったら焦らずゆっくり、まずはロッドを立てます。ラインが弛まないよう気を付けながらリールを巻き、魚が走ったときは無理に巻くのではなく、ロッドの弾力を利用して耐え、魚のテンションが弱まったらすかさずリールを巻きましょう。このとき、巻きすぎないように注意し、手前まで魚を寄せてきたら一旦巻くのはストップ。ロッドをしっかりと立てて、ランディングネットを使って取り込みます。

ルアーの種類と選び方

07_IMG_6977.JPG ルアー(スプーン)ケース

ルアーは擬似餌なので、泳ぎ方や動かし方を工夫することが大切です。魚が違和感を覚えないようにルアーを操作しなければ、ニセモノだと勘付かれてしまいます…。なので、ルアーの動きや特性を理解し、より自然な泳ぎ方で魚を誘惑しなければなりません。
そこで、ルアーにはどんな種類があり、どう使い分けるのかをおおまかに紹介したいと思います。

(1)スプーン

08_IMG_6959.JPG スプーンの種類

まずは、管理釣り場の定番、「スプーン」と呼ばれるルアーです。
ひとくちにスプーンといっても、サイズや形、重さ、カラーには幅広い種類があり、管理釣り場でよく使用される重さは0.5g~2g程度のかなり軽量のものです。シルエットも小型の方が反応はよいのですが、形状により泳ぎ方も異なります。1タイプだけでなくさまざまな形状のものを用意して、ローテーションするのが効果的です。

また、スプーンを選ぶときにはサイズや形よりもカラーバリエーションを豊富に取りそろえておく方が、魚に飽きられずに誘い続けられます。特に管理釣り場でエサとしてまかれる「ペレット」に似たカラー(ベージュ・茶・オリーブ系)は、忍ばせておきたいところです。

(2)プラグ

09_IMG_6966.JPG プラグの種類

プラグとはプラスチック樹脂などで作られた、小魚を模したルアーの総称で、ミノーやクランクベイト、シャッドなどのハードルアーのことを指します。ルアーの先端にリップと呼ばれるパーツが付いており、その角度や長さによって巻いたときに潜る深さが異なるのです。

一見扱いが難しいように思えますが、投げて巻くだけで一定のレンジをキープしながら泳がせることができるため、実はスプーンよりも比較的扱いやすく、ビギナーの方にもオススメなんです。ただし、レンジを変えるためには、潜る深さの異なるプラグに交換しなければならないので、リップ形状の違うタイプをいくつか準備しておきましょう。

(3)その他

10_IMG_6840.JPG その他特殊なルアー

エキスパートの方には「反則技」と言われてしまいそうですが、どうしても釣れないときはこれらに頼ってみるのもいいでしょう。
(※管理釣り場によっては禁止されているところもありますので、必ずレギュレーションの確認をお願いします)

  • ・ビーズでできた螺旋状のルアー:絶妙な泳ぎ方で魚の食い気を誘います
  • ・ペレット(マスのエサ)を模したルアー:ペレットタイム以外でも効果を発揮します
  • ・フェザージグ:毛バリのような見た目ですが、フライフックではなくジグヘッドを使ったもの。羽や毛を使用しているので動きが柔らかく魚に違和感を与えにくい
  • ・虫系ルアー:昆虫などを模したプラグ系ルアー