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試される大地、モンゴル
しかしこの魚を釣った直後から天気はさらに荒れ始め、風上を見ていられないほど痛い雪の礫が顔を叩き始めます。
この日は少し早めに上がり、翌日も雨と強い風が止むのを待ちながら、焚き火をしたりご飯を作ったり。そしてしまいには強風でテントの骨組みが折れるというハプニングもあり、その夜からは近所に暮らす現地の方のゲル(モンゴル移動式住居)を一棟お借りすることに。しかし今思えばこの寝床のチェンジは絶妙なタイミングで、この日を境に毎晩マイナスを大きく下回り始めました。そもそも毎朝ウェーダーやブーツは凍っていたけれど、それよりももっと寒かったなんて…。ゲルの快適さと薪ストーブの暖かさを改めて実感しながら残りの日程を過ごしました。
前日の夜は雪も止み星が綺麗だったのですが、釣り最終日も朝起きたら風と時々雨というお決まりの展開。少し車を走らせてもらい釣り場に着くと間もなく雪が降り始め、その勢いは増す一方。どんな魚でもそうかもしれませんが、温度が下がったり上がったりしている時というのはなかなか釣れないものです。まさに秋から冬に変わる境目とも思える天気の変化が目まぐるしい数日間でした。紅葉を思わせる秋の雰囲気を感じた初日とは、同じ場所とは思えない雪景色。結局午後は釣りをすることなく今回の釣行日程は終了したのでした。
厳しい! 寒い! だけど本当に楽しい!
結果だけみると、3人で釣りをして顔を見せてくれたタイメンは1匹。場合によっては惨敗と言われてしまうのかもしれませんが、当の僕ら本人達は常に楽しむことができました。釣りに行けなければ写真を撮ったり、今にも吹き飛びそうなテントの中すらをも楽しみ、電波の全く届かないモンゴル奥地はいわば “強制休息システム” なんて見方もできるので、各々思い思いの時間を過ごすこともできます。
さらにこれは人それぞれの受け取りかただったり、メンバーもあるのだろうと思いますが、旅を通して僕が改めて感じたのは信頼できるギアの大切さ。HEATスタッフらしく(とか言ってしまうとわざとらしいのだけど)僕がホームである栃木は日光中禅寺湖、北海道や海外の寒冷地で必ず使用しているのがFREEKNOTのFOURONネオプレングローブと、光電子®レイヤーテックソックス。ここ3シーズンはずっと同じ物を着用していて、もう結構ボロボロだけど本当に手離せないアイテム。愛着も湧いてくるもので、数々のメモリアルフィッシュを一緒に見届けて、なかなか買い換えられないんですよね。
次はいつになるかまだ分からないけど、また必ず戻ることを現地で出会った人達とも約束しました。帰りのドライブでは車が故障したり、バスに乗ろうにも街のATMがほぼ全て使えなかったりと、ハプニングに見舞われながらもどうにか無事にウランバートルへと戻り帰国しました。
日本に戻るとまだ日本は少し蒸し暑いぐらいで、つい数日前までのあの過酷で濃密な旅が夢だったかのような「安心感」がそこにはありました。旅ってやっぱりいいな。安全に、無事に帰って来られるだけで昨日までの苦労は笑いに、事件は思い出に変わります。次はどこに行けるかな。
ギア紹介
レポーターREPORTER
栃木県在住。国内のトラウトフィッシングから海外の釣りまで、人生を豊かにするライフスタイルとしての釣りを日々模索し発信しているフィッシングピーターパン。PIKE STREET MARKETディレクター。ひと×コト×Sakana栃木PRアンバサダー。
サポートメーカー:Huerco、BIGFISH1983、Rマジックテスター。VARIVASフィールドモニター、Patagoniaプロセールスプログラム。
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