伝統の味「積丹干し」レシピ!
スケソウダラを使った春の珍味を自家製で

北海道はスケソウダラを干した珍味「積丹干し」という珍味が古くから浸透しています。
私の母は積丹半島のねもとに位置する、ニッカウヰスキーで有名な余市町の出身。私も子どものころからよくこの積丹干しをおやつ代わりに食べていました。積丹に限らず、北海道内の海辺の町では軒下にスケソウを干している光景がよく見られます。

春になるとショアもオフショアもサクラマスが釣れ始めるシーズンになります。船でサクラマスをねらうアングラーや船頭さんから、「ゲストのスケソウがうるさい」という情報が入りました。
というワケで、スケソウをたくさん釣って積丹干しを作りたいと思っていた私は、サクラマスねらいの船に「スケソウねらい」で乗船してきました。

02_ 釣りシーン

1人こつこつスケソウねらい

私が乗船した日の数日前まではサクラマスが好調だったとのことですが、この日からサクラマスの調子が悪くなったようで、サクラマスは船中1尾のみで終了…。しかし、それに反してスケソウは好調に釣れてくれ、サイズも40cm前後と型がよく、サクラマスをねらうバケと毛バリで釣れてくれました。

サクラマスねらいのお客さんは、水深80m前後のスケソウが居そうなタナを外してサクラマスをねらいますが、私はあえてスケソウのいるタナをねらいました。コツをつかみ始めてからは、一度にダブルやトリプルヒットでスケソウをGETすることができましたよ。

私はねらいのスケソウを順調に釣り上げホクホクでしたが、サクラマスが釣れないとのことで早上がりとなってしまい、スケソウの釣果は50尾程度で終わってしまいました。もう少し釣りたかったのですが、初めてスケソウをねらっての釣果なので上出来でしょう。

05_ 当日の釣果

実にかんたん!積丹干しレシピ

さて、ここからは念願の「積丹干し」の調理過程&レシピをご紹介しましょう。

ザっと下準備から

まず、釣ってきたスケソウは頭と内臓を取り、ウロコを落とします。ウロコは細かいので金ダワシを使うと便利です。

06_ ウロコを取る

次に腹骨を取ります。わざわざそぎ落とす必要はなく、ぶつ切りのようにカットしてOKです。

07_ 腹骨を取る

そして中骨の血合いを取ります。
硬めのブラシ、歯ブラシや掃除用の隙間ブラシを使えばキレイに取れます。

08_ 血合いを取る

最後にしっかり水洗いをすれば、下準備完了です。

09_ 水洗い

塩水に漬け込む

下準備ができたら、スケソウを塩水に漬け込みます。
私は飽和塩水(塩をめいっぱい使って水に溶けきれなくなるまでの塩水)で30分ほど漬け込みました。

10_ 塩水に漬ける

塩水から取り出したスケソウはキッチンペーパーなどでキレイに水分を取り除きます

11_ 水分を拭き取る

余談ですがスケソウの標準和名は「スケトウダラ」。タラ(マダラ)の仲間となります。
タラに比べたらかなり小ぶりで細い魚ですが、繊細な白身はやはりタラと同じで、ちり鍋にしたらとても美味でした。

12_ スケソウダラのちり鍋
繊細な白身はやはりちり鍋がよく合う!

1ヵ月干せばできあがり

あとはスケソウを干し網にセットして干すのみです。
今回は3つの干し網を使用しましたが、カラスに壊され10尾ほど盗まれてしまいました…。ある程度水分が抜けたらカラスも盗らないのですが…。

約1ヵ月干せば、ようやく水分がすべて抜けカチンコチンな積丹干しが完成
実はこのままでは固すぎて手では割いたり剥いたりできないため、ハンマーで叩いて柔らかくします。コンクリートブロックの上でスケソウにタオルを巻いてハンマーで叩きます

15_ ハンマーで叩く

真空パックして冷凍しておけば長期間の保存も可能です。

16_ 積丹干しの保存

美味しさ抜群!美人女将のお墨付き

さてお味の方はというと…?? 我ながらひじょうに美味しくできました
市販品よりも塩がしょっぱくならないように心がけていましたが、思い通りになってくれました。マヨネーズと七味に少し醤油をつけて食べるのがオススメです。

17_ 積丹干し
18_ 美味しくいただく
積丹干しにマヨネーズと七味に醤油…見るからに美味しそうな組み合わせでしょう?

せっかくなので、私が書かせてもらっている記事でおなじみの「深夜食堂」にも持ち込み、お裾分け。
石狩市の隠れ家的なお店で、これまで店名の紹介は控えさせてもらっていたのですが、既にGoogleマップにも記載されてしまったのでここで紹介させていただきます(笑)。この積丹干しも美人女将より「大変美味!」とお褒めいただきました~。

19_ 女将のお墨付き

わんわん

住所:〒061-3202 北海道石狩市花川南2条3丁目78
HP:なし

「深夜食堂」の記事はコチラ:
今年の北海道はサバ釣りが熱い!爆釣のあとは「深夜食堂」で塩焼きを堪能!
今シーズンのニシンは大漁!!「深夜食堂」へ持ち込む(?)糠ニシンに挑戦!
北海道ならではの釣果!ハチガラを「深夜食堂」に持ち込んでお煮付けに!

20_ 市販の積丹干し
市販されている積丹干しです

私が釣ったスケソウは実は太平洋苫小牧沖なので、積丹干しというのはちょっと違うのですが…、同じスケソウということと子どものころから慣れ親しむ味ということで今回は「積丹干し」と書かせていただきました。

この積丹干しに限らず、魚の完干し珍味は意外にもかんたんに作れます。保存も大変長持ちしますので、私のようなお酒好きのアングラーにはぜひオススメしたいレシピです!

レポーターREPORTER

北條 正史
プロフィール:北條 正史
1974年生まれ /北海道夕張市出身、札幌育ち、石狩市在住
オカッパリによる海釣りを好み、なかでも、投げ釣り、サビキ釣り、ロックフィッシュ、エギング、サーモンフィッシング、ワカサギ釣りを得意としている。ブログやSNSを通じ釣友たちとの釣行を楽しむ日々。
日本釣振興会北海道地区支部役員、小樽海上保安庁指定フィッシングセーフティーリーダーも務めている。