今から知りたい!エギング STEP UP エギ開発担当者が語る、
「高アピールタイプ」エギの使いどころ!

「釣れるエギ」とはどんなエギなのか?

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エギングは長年やっていたものの、個人的に釣れた実績が高いモノがすなわち釣れるエギと認識していた程度で、そのエギのどんな要素や性能が釣果に結びつきやすいのか? などと深掘りして考えたことはほとんどありませんでした…。
そんな折、いざ新しいエギを生み出す機会を与えてもらえた際にはとても悩み、開発チームでアレやコレやと右往左往し、試行錯誤を繰り返したことを思い出します。

今回は、個人的に思い入れ深い商品でもある「スクイッドジャンキー ライブリーダート」の開発経緯や特長をお届けしつつ、当エギも含め、「高アピールタイプ」といわれるエギの使いどころをご紹介したいと思います。

1.「ライブリーダート」は、シンプルかつリアルな発想で開発をスタートした

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昨今のエギング人気で、シーズンともなれば多くのエギンガーをいたるところで見かけるようになりましたが、人気の高まりに比例して年々釣ることが難しくなっていると感じます。
ではいったいどんなエギが、釣れづらい状況下でも釣果を得られるエギなのでしょうか? 開発をスタートするにあたりまず着目したのは、シンプルにエギの“動き”でした。

03_ IMG_000099 平打ち
魚のウロコのキラメキは、まさに生命感の表われ

海中を眺めると小魚が泳いでいますが、ふとした瞬間「キラッ」とウロコを反射させながらターンして、逃げるような動きを見せます。そこにヒントを得ました。その“生命感ある”動きをエギで再現することができれば、今にも小魚を捕食しようとするイカが本能的にエギを抱いてしまうのでは…? そんな発想から「生命感ある動き」を目指し、開発を開始したのです。

2.「ライブリーダート」の真価は
小魚の動きを模した平打ちアクション

名前の由来でもあるライブリーアクションとは、「なめらかなダートアクション」「ヒラッとアクション」の2つが合わさった動きのことです。キラッとウロコを反射させてターンする小魚の動きを再現するため、本体形状とシンカー形状の調整を繰り返し行い、絶妙なバランスに仕上げました。開発当初の思惑通り、ダートアクションをさせた際にボディがしっかりと横になり、ヒラッと平打ちするような動きを演出しています。

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一般的な横方向にかっ飛ぶようにスライドするダートアクションに加え、平打ちアクションがプラスされた分アピール力があり、また、小魚が逃げるような動きを模しているので警戒されにくいという利点もあると考えています。

(1)随所にこだわった工夫

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ライブリーアクションを特長とした高アピールタイプエギ「スクイッドジャンキー ライブリーダート」 ●サイズ:2.5号、3号、3.5号 ●カラー:全20色 ●価格:825円(税込)、847円(税込)、869円(税込)

もう少し具体的にお話させてもらいましょう。
生命感ある「ライブリーアクション」を実現するためにこだわったのは、独自の「薄型シンカー」「スリムボディ」です。この2つの仕様のお陰で、アングラーのシャクリの負担を軽減し、軽い力でアクションさせられるエギになりました。
また、シンカーにはメッキ加工を施し、平打ちアクションの際に強いフラッシング効果を発揮するようにしています。光が届く水深であれば、その効果で小魚が反転した際のウロコの反射をよりリアルに再現できていると思います。

06_ IMG_3372_2024 エギ寄り

ほかにも、サイズ別で調整した「オリジナル段差フック」や、そのフックに「フッ素コーティング」を施すなど、貫通性能を高めバラシを軽減するといったフック(カンナ)周りの仕様にもこだわりました。見た目としては一般的なエギと同じように見えるものの、実は随所に釣れる工夫を施しているのです。

(2)使い方のワンポイントアドバイス

当エギの特性をうまく引き出し、魅力的なライブリーアクションを演出するには、メインラインをやや垂らした状態で「はじく」ようにシャクることがポイントです(=スラックジャーク)。水中のエギが「ヒラッヒラッ」となるようイメージしながら、ややスローテンポで動かしてみてください。

07_ IMG_3334_2024 シャクリイメージ

反対に気を付けてほしいのは、メインラインを張った状態でシャクったり、ハイピッチジャークのような動かし方をした場合、どうしても平を打つタイミングが取れずにライブリーアクションにつながりにくいこともあり得ます。イカにしっかりアピールするために、ラインスラックを上手く活用するのがポイントです。

3.高アピールタイプの使いどころ

さて、少々前置きが長くなってしまいましたが、(ライブリーダートのような)高アピールを特性としたエギを使うシチュエーションとは、一体どんなシチュエーションでしょうか?
アピール力が高いとは「海中で目立つ」ということ。つまり、イカに気付いてもらえやすいエギが高アピールタイプです。イカの活性が高く捕食活動中といった、エサを探すようなシチュエーションであったり、海中の視認性が悪い状況などに効果的。イカに対して「ここにエサ(=エギ)があるよ!」と知らせるイメージで、テンポよく使ってみてください。

(1)海中の視界が悪いとき

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朝マズメや夕マズメ、曇天や雨天といった光量が少ないときは、海中が暗くイカがエギを見つけにくい状況です。その一方で光量の変化するマズメ時や、イカがほかの魚から捕食されづらいローライト時は、イカの活性も高いハズ。こういった状況下ではイカに気づいてもらうためにも、アピール力が重要になってきます。
活性が上り捕食に意識が向いている状態であれば、エギの存在に気付きさえすればヒットに持ち込みやすいハズ! 視認性の悪さと相まってエギをエサと勘違いし、すぐに乗ってくることでしょう。

(2)エサとなる小魚を確認できたとき

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地磯や沖磯など地形的に身を隠せる場所が多いエリアでは、エサとなる小魚が集まりやすくなっています。小魚が逃げるような動きが生きるのは、とくに小魚を捕食しにやってきた高活性なアオリイカに対してでしょう。
捕食活動中のイカに巡り合う確率を高めるためにも、アップテンポでキャストコースやレンジを変えながら探ってみましょう。

(3)水温が安定したとき

10_ IMG_3476_2024 暖かいイメージ

高水温を好むアオリイカは、水温が高く安定することで食欲旺盛になります。地域は限られますが黒潮の影響を受けるエリアなどでは、冬場から春先にかけて、基準となる16℃を下回っていた水温が海流の影響を受けて16℃を超えて安定すると、急に高活性になるといった具合です。
エサを活発に探し始めたイカに対しては、高アピールタイプで気づかせることが効果的。地上は寒くてスローテンポを意識してしまうかもしれませんが、海中は予想とは全く違う状態になっていることもあります。アピール力を活かし、テンポよく探ってみましょう。

(4)ハイシーズンの秋イカねらいに!

11_ IMG_3276_2021 秋イカ・新子

高活性な状況としてまず思い浮かべる、秋イカねらいにも高アピールタイプは大活躍。新子(=イカの子ども)はスレていない場合が多く、エギを見つけるとすぐに反応を示してくれます。
堤防の基礎やシモリなどで身を隠しつつ捕食活動している可能性が高い新子は、回遊しながら捕食活動しているわけではないので、地形の変化を探し、高アピールタイプで気づかせるように探りましょう。

4.ときにはナチュラルアピールタイプも使いよう!?
新モデル「ハグハグ」が登場予定!

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アクションに着眼点を置いたライブリーダートは、小魚が逃げるような動きでイカを誘惑し、寄せて抱かせるアピール力のあるエギでした。それに対して今期(2024年)、“布”に着目したエギ「ハグハグ」を発売する予定です。

ライブリーダートに対して、「ハグハグ」は低活性時やスレているときに活躍するナチュラルアピールタイプです。活性が低く、しっかりとエギを抱き寄せる体力(気力(?))がないような状況でも、エギが滑らずにしっかり引寄せやすい「滑らかでシルクのような布」を採用しています。また、一般的なエギとは少し違った見え方をする「オリジナル下地(部分ホロ塗装)」は、スレて警戒しているイカも思わず反応してしまうでしょう。

今回の重要ワンポイント

  • ●海中の視界が悪いときや小魚が豊富な場面では、高アピールタイプが効果的
  • ●水温の安定する春先や好奇心旺盛な新子がいる秋には、高アピールタイプが効果的
  • ●高アピールタイプ「ライブリーダート」は、小魚が逃げるような動きでイカを誘惑する
  • ●イカの活性が低い、スレている場合は、ナチュラルアピールタイプの出番
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既によく知られたことではあるかもしれませんが、イカの活性が高い場面では高アピールタイプがオススメです。遠くのイカに気付いてもらえるようにアピールできれば、釣れる確率は高くなります。また同様に、海中の視界が悪い場合やエサとなる小魚が多くいる場面でも、アピール力が高い方が有利でしょう。

イカに気付いてもらうことがまず第一で、それからイカを誘惑する、思わず抱いてしまいたくなるような生命感のある動きで演出する…。ダートアクションに平打ちアクションが付加されたライブリーアクションが効果的な場面は多いはずです。
ぜひ、高アピールタイプの「ライブリーダート」を、そんな場面で使ってみてください。きっと釣果に結びつくはずですよ。そして、ときには状況に応じてそのほかのタイプ(=たとえばナチュラルアピールタイプ)も効果的に使い分けてみてください。

レポーターREPORTER

清水 雅史
プロフィール:清水 雅史
小学生のころ父親に連れて行かれた海上釣堀がきっかけとなり、釣り熱が加速。中学生になると、時間さえあれば近所の野池でバスフィッシングを楽しんでいた根っからの釣り好き。現在は釣具メーカー・ハヤブサにて開発課メンバーとして勤務し、ソルトルアー(エギ・オフショアジグなど)を中心に日々開発を行っている。
プライベートでさまざまな釣りを楽しむなか、とくにエギングとライトゲームを好み、近場だけでなく四国や九州にまで足を運ぶ熱血ぶり。