身軽に楽しむ管釣りトラウト【フライ編】
高速バスで行く東山湖フィッシングエリア

静岡県御殿場市にある「東山湖フィッシングエリア」は、管理釣り場のさきがけとして昔も今も人気の釣り場。魚影の濃さはもちろんのこと、東名高速の御殿場インターから至近の立地で、晴れた日には正面に富士山の雄姿を望めるなど、ロケーションのよさも人気の秘密です。
今回はそんな東山湖に高速バスで釣行。身軽な冬の釣りをレポートしたいと思います。

懐の深さが東山湖の魅力

東山湖フィッシングエリア(=以下東山湖)は南北に350m、東西110m、周囲1km(いずれも地図からの概算)にも及ぶ止水の管理釣り場。水深は最深部で4mもあります。湖岸は一周すべてがポイントと言っても過言ではなく、中央部には桟橋も設置されているため釣り座も豊富。岸際を回遊するトラウトをルアーで攻略したり、桟橋でバックを気にせずフライキャスティングを楽しんだり、それぞれが思い思いの釣りを楽しむことができる懐の深さが魅力です。

01_ 富士山
正面にそびえる富士山の雄姿。春は満開の桜も見ごろになる

ポイントを大きく分けると、湖岸の大半を占めるコンクリート護岸、南側の土のバンク、沖の桟橋3通り
コンクリート護岸は足場がよく、コンスタントな釣果が望めるスポット。空いている日は岸と平行に探るのも効果的です。南側の土バンクエリアは比較的遠浅で、足下をトラウトが回遊するためサイトフィッシングも可能。大型魚の実績も高いポイントです。桟橋はスペースが広く水深があり、フライフィッシングにはとくにおススメです。

02_ コンクリート護岸
03_ 土バンク
04_ 桟橋
広大な面積に護岸エリア、土バンク、桟橋と釣り座も多い。どんな釣りも受け入れてくれる懐の深さが特徴だ

釣れる魚はレインボートラウトを筆頭に、コーホーサーモン、サクラマス、イトウ、各種F1など多彩。サイズは30cm前後が中心ですが、50cmを超える大物も多数放流されていて、思わぬヒットにハラハラさせられることもしばしば。数釣りに飽きたら大物を専門にねらったり、いろいろな魚種にチャレンジしたりするのもよいでしょう。

05_ レインボートラウト(ニジマス)
06_ 魚1
07_ 魚2
ニジマスを中心に魚種も豊富。楽しみ方もいろいろだ

高速バスで身軽に釣行

今回私は、居住地である静岡県浜松市から御殿場まで高速バスを利用。御殿場インターのバス停に午前9時30分に到着し、そこから徒歩で東山湖に向かいました。
高速バスは便利で楽ちんで運賃も安く、自分で運転していくのと比較してコスト面、安全面でのメリットがあるため、単独で東山湖に行く際はしばしば利用しています。クルマに比べると荷物は制限されますが、そのぶん自分のやりたい釣り、使いたいタックルを極限まで絞り込んで釣る面白さがあります。実際、今回の私の荷物も写真のようにひじょうにコンパクトです。

08_ 高速バスの車窓
車窓からの景色を眺めつつ、高速バスで身軽に行動。冬場は雪になることも多いが、そんなときでもチェーン装着や交通規制などの心配は不要だ
09_ 荷物はコンパクトに
今回の荷物はこれだけ。デイパックのなかにはリール、フライボックス、折り畳み式のネットのほか、防寒用のネックウォーマーやグローブ、ダウンベストにオーバーパンツまで入っている

到着時刻は若干遅めですが、日が昇ってからゆっくり準備するくらいでちょうどよい冬の釣りにはむしろ好都合。御殿場インターのバス停から東山湖までの約1.5kmはウォーキングを楽しむのに適した距離で、現地に着くころには身体も温まって一石二鳥です。

シンキングラインをメインにフライで楽しむ

私は当日、フライロッドを手にして桟橋にエントリー。前述の通り、桟橋はバックを気にせずフライをフルキャストできるのが利点ですが、もうひとつ、シンキングラインを使った中層からボトムの攻略を試せるのも大きな魅力。遠投したフライを沈めてトラウトを誘うこのスタイルは、広く、水深のある東山湖ならではの楽しみなのです。

タックルは9ft(フィート)・6番指定のロッドにWF6番のタイプⅡ(ファーストシンキングライン)、その先に3Xのリーダーを結び、ティペットとしてフロロカーボンの6lb(ポンド)をつなぎました。このくらいの番手だと、1本で幅広いフライパターンに対応しやすいというのがその理由。
6番を基準に、大型ねらいをメインにするなら7番~8番、数釣りに主眼を置くなら5番といった具合にタックルを選んでいます。また、魚のレンジが浅い場合に備えてフローティングラインを巻いた替えスプールも持参。様子を見ながら使い分ける作戦です。

11_ タックル
タックルはオールマイティな6番を選択。ラインはシンキングのタイプⅡとフローティングを持参した

フライは管理釣り場の定番ともいえるマラブー系をメインに、対大物用のストリーマー(小魚を模したフライ)も少々。カラーはよく目立つチャートリュース系、黒などを用意しました。
私の経験では、派手系ではチャートリュース、赤、オレンジなど。地味系では黒、オリーブ、ベージュなどがあればOK。もとより「これでなければ釣れない」というほどシビアなものではないので、難しいことは考えず、自分が釣れそうと思えるフライを信じて投げればよいと思います。

12_ フライ
フライは定番のマラブー系とストリーマー