どうも! さかなのおにいさん かわちゃんこと川田一輝です。先日、播磨灘の沖堤防で釣りロケ中にスナメリに遭遇しました。
野生のスナメリに出会えると魚が散って釣れなくはなりますが、可愛くて微笑ましい気持ちになりますね。白いイメージでしたが灰色~ピンクに近い個体もいて、水族館で見るのとはまたイメージが違いました。
今回はそんなスナメリについての四コマ解説です。
瀬戸内海のにっこりクジラ!
ペルシャ湾からアジア地域沿岸に広く生息するスナメリ。
瀬戸内海ではゼゴンドウやナメクジラ、愛知の沿岸ではスンコザメなんて呼ばれますが、クジラ(イルカ)の仲間です。
大好物はタコやイカ、小魚! 瀬戸内海では食物連鎖の頂点として悠々と群れを作り泳いでいます。
世界最小級のクジラの仲間
大きくなっても体調は1.5~1.6m。英語名「Finless porpoise」の通り、ほかのイルカとの違いは背ビレがほとんどないことです。
頭の可動範囲も大きくて、ほかのマイルカなどとくらべてぐるぐる40°近く首を回すことができます。
漢字で書くと「砂滑」
スナメリは海岸に近い、浅瀬の海底が砂地になっているところを好みます。
砂の中に隠れているさかなやカニを食べるため、口から水を噴いて探す様子が「砂をなめている」ように見えることからスナメリとなったという説もあります。
人間との深~いつながり
1930年に広島県竹原市、阿波島周辺の『スナメリクジラ回遊海面』が天然記念物指定されました。
この海域では昔、スナメリを目印にスズキなどを釣る伝統漁法が行われていました。クジラの仲間に関連する天然記念物の指定としては唯一だそうです。
ただしこの漁、今は瀬戸内海のスナメリの数が昔と比べて減少したことなどを理由に行われていません。
瀬戸内海の昔と今
かつて瀬戸内海にはたくさんのスナメリが生息していました。1970年代にはおよそ5000頭はいたと言われています。
最近は少し回復し、関西空港沖で群れが確認されたりもしていますが、これからも身近な生き物であるように豊かな海を守っていきたいですね。
水族館では広島の「宮島水族館」や山口の「海響館」で会えるので、気になった方はぜひ会いに行ってみてくださいね!
出典:環境省
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レポーターREPORTER
1990年大阪生まれ。さかなたちの“おかしな”生態を書籍やメディアで伝えることで、子どもの好奇心を育てる活動をしている。テレビ東京「シナぷしゅ」や釣り番組・情報番組に出演中。
著書に「ツッコミたくなる おさかな図鑑(ワニブックス)」「全国クセすご水族館図鑑(中央公論新社)」など。SNSの総フォロワー数70,000人以上
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