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こんにちは! フィールドスタッフの井上(イノォ)です。ここ最近は釣りをメインに空いた時間でグルメや観光…といった旅に出ています。しかし、ついつい釣りに夢中になり過ぎてしまい観光に使える時間が少なくなってしまっているのが現状です。そんな反省から、やはり旅は「みんなで楽しめなければ!」と考え直した結果、水族館なら魚好きな私も家族も一緒に楽しめるのではないか? とひらめいたワケです。
釣りをするだけでなく水族館で魚に関する知識を学ぶことも、とても大切だと感じます。私はオフショアのジギングが好きなこともあり、いつかはメタルジグで深海のアブラボウズを釣りたいと思ったことが中深海や深海に興味を持つキッカケとなりました。そこで、いろいろ調べるうちに静岡県の沼津港に深海水族館があることを知り、絶対に行きたい! と思っていたら…ナイスタイミングで連休到来! さっそく、ぶらり旅をかねて「沼津港深海水族館(シーラカンスミュージアム)」へと出掛けたのでした。
というわけで今回は、未知の世界であり、魅力がたくさんの深海水族館についてのお話しです。なかなか全部は書くことができないので、私がとくに面白かったところやこんな知識を学んだなど、かいつまんで紹介させていただきます。
それでは、深海への大冒険のスタートです!
沼津港深海水族館
住所:〒410-0845 静岡県沼津市千本港町83(港八十三番地内)
TEL:055-954-0606
HP:http://www.numazu-deepsea.com
駿河湾に棲む深海生物を学ぶ
駿河湾は日本一深い湾といわれ、最深部は2500m。これを聞くだけでも想像ができない海の深さで、どんな魚や生物が生息しているのか見当もつきません。未知の世界であり秘密のベールに包まれています。恐らく光も届かないでしょうし、水温や水圧、魚はどうやってモノを見ているのかなど、とても気になることばかり。私たち人間が想像もできないような環境化で生物が生息できるのかすごく興味が湧いてきます。
そして、「深海とは何mからなの?」と気になりませんか? そう深海は…水深200mを超えると深海と呼ばれるそうです。要するに大陸棚といわれる海岸の浅い海から水深200m範囲を超えると「深海」になるということですね。さらに、魚はどのようにして水族館に来るのでしょうか? 深い海から上がってくるときに死んでしまったりしないのでしょうか? なぜ深海の生物が水族館で生息できるのかも気になるところですよね。
深海生物はどのようにして捕獲されるの?
駿河湾では3つの捕獲方法で深海生物を捕獲しているようです。
- 1.底引き網漁 (深海まで網を降ろして、船で網を曳いていく方法)
- 2.はえ縄漁 (縄に釣り糸を付け、エサに獲物がかかるのを待つ方法)
- 3.かご漁 (エサを入れたかごを沈めて、数日後に引き揚げる方法)
なかでも盛んな捕獲方法は深海の「底引き網漁」で毎年9月中旬に解禁となり、5月のゴールデンウィーク明けごろまでが漁期だそうです。
捕獲の際は漁船をチャーターして生物の収集をするのがおもな捕獲方法です。深海生物の捕獲は船上でのケアがとくに重要となり、太陽の光にさらさないように1個体ずつビニール袋に入れて水温も深海と同じ10~12℃に保たれ、遮光された保冷容器で持ち帰るなどの丁寧な管理がされて水族館へ運ばれるそうです。
禁漁期間には、深海生物を集めるために海外からも輸入するようですよ。
ヘンテコ生き物が世界中から大集合!
まず館内に入ってすぐにあるのが、ヘンテコ生き物たちが世界中から集められ展示されたコーナー。この生き物は何の仲間? どんな生物? などなど気になるところが多く興味津々。なかでも人気が急上昇し、全国でも人気者となった「メンダコ」はアイドル的存在。水深200m付近の比較的浅いところに生息している生き物だそうです。デリケートな生き物だけに長期での飼育が難しく、駿河湾の底引き網漁が行なわれる10月から4月に比較的展示されている可能性が高いそうです。私が訪れたときは残念ながら展示されていなかったので、とても残念でした。
ほかにも、有名なチンアナゴ、イロカエルアンコウ、ミドリフサアンコウ、ベリテグリ、テヅルモヅルなど、普段では見ることができない生物ばかりでした。生物の特徴を読んでいるだけでも楽しいものですね。
とくに、私が興味を持った魚は「イロカエルアンコウ」です。この魚にはこんな特徴があります。
体色は黄色や黒、赤と個体によりさまざまですが、面白いのが筋肉が発達した胸ビレを用いて海底を歩くように移動すること。頭の上にある擬似餌(エスカ)で獲物をおびき寄せて、すばやく丸のみにして捕食する変わったお魚だそうです。
深海のプラネタリウム!
強い発光能力を持つヒカリキンメダイ
私がこの水族館でもっとも興味を惹かれたのは深海のプラネタリウムというコーナーです。そう、このコーナーの主役であるフィリピンの深海に住む「ヒカリキンメダイ」は発光生物のなかでも最も強い光を出す発光魚の1つだそうです。このヒカリキンメダイは目の下にそら豆型の発光器があり、発光バクテリアが共生しているといわれています。この発光器は常に光っているのですが、ヒカリキンメダイはこの発光器を180度反転させることにより、まるで電気のスイッチをON–OFFするように光ったり、消えたりを操作することができるとのこと。暗い空間での神秘的な光の乱舞は、まさにプラネタリウムを彷彿させる輝きでした。
そして、このON–OFFがメタルジグにも応用できれば面白いと考えたのは私だけでしょうか(笑)?
たとえば、ジャークして上げのときはOFF。バイトが多いフォール時にはONなど、状況に応じて発光をコントロールできるとおもしろいなー! なんて妄想をしながら、いろいろと楽しむことができたコーナーです。今でもこの発光をグローカラーに見立てて、ヒカリキンメダイのようにできないかと毎日考えています(笑)。