From HEAT the WEB DIRECTOR 釣りに行けない…でも大丈夫!
釣り人目線でおススメする!水族館6選
【前編】

水族館のイルカ_text-photo岳原雅浩

「釣りに行きたい、いつも釣りたい!」と、釣りへの情熱や願望とは裏腹に、なかなか満足に出かけることができないのが現実…。天気や仕事の都合もさることながら、家族の手前、そう安々とは釣行させてもらえない。まして、小さな子どもを抱えたパパさんアングラーならなおさらではないだろうか…?

そんなフラストレーションを溜めに溜めたアングラーに私がおススメするのが、ズバリ「水族館」! なぜなら、単純にお魚と触れ合え、お魚のことを学べるから…。今回、私がこれまで訪れた水族館(地域にかたよりがあるのをお許し願いたい)を紹介するとともに、釣り人目線で水族館の魅力をお伝えしてみたい。ぜひご参考に!

どうして水族館が釣り人におススメなの?

01_水槽越しに眺める子ども

まず、なぜ釣りに行けないときに水族館がおススメなのか? 冒頭でも述べたように、「魚と触れ合える」「魚のことが学べる」のは、みなさん百も承知。ご想像に難くないだろう。
ただ、単に水槽越しに眺めるだけではなく、水中の魚の様子を間近に、そしてつぶさに観察できるところがメリットだ。魚によって、水槽の中心(中層)にいるのか、隅(底や岩陰)にいるのか、水面(表層)付近にいるのか、常に動いているのかなど、いる場所が全く違う。また、姿勢も横を向いているだけではなく、縦に泳いでいるものもいる。いずれも、魚が過ごしやすい状態やエサを捕食するための行動を、細かくじっくりと観ることができるのがイイ。そして水族館では、ちゃんと魚の生態についてパネルや映像で紹介してくれている。

02_ゴマアザラシに触ってみる

また、観るだけでなく、実際に触れることができるコーナーがあることも。後で紹介するが、子どもと一緒に楽しめる「タッチプール」や、実際に魚を釣ることができるコーナーを設けている水族館もある。週末の家族サービスが必須のパパさんアングラーには、「お魚と触れ合え」「お魚のことを学べ」「家族サービスにもなる」。当然、見て・感じて・学んだことは、釣りをする際に水中をイメージするのに役立つし、魚を狙う戦略に活かすことができる。まさに、一石三鳥のスポットなのだ!

水族館に出かけたら、ここを見逃すな!

03_水槽内の魚の群れ

というわけで、早速私がこれまで楽しませていただいた水族館をご紹介。各水族館の概要や特色だけでなく、釣り人目線での見逃せないポイントも、独断ではあるがお伝えしたい。

神戸市立須磨海浜水族園 [兵庫県]

sumasui_01_神戸市立須磨海浜水族園 建物外観

「スマスイ」の愛称で親しまれている、神戸市にある水族園。
1957年に神戸市立須磨水族館として開館し、1987年に現在の水族園として新たに開園した歴史を持つ。「世界のさかな館」「アマゾン館」「さかなライブ劇場」「イルカライブ館」などなど、建物ごとにテーマが分かれ、室内外を行き来しながら園内を巡る広々とした水族園だ。

sumasui_02_イルカのショー

イルカやペンギン、アザラシなどのライブショーも多く開催され、また、プレイランド(遊園地)も併設している総合的かつユニークな園内は親子で存分に楽しめる。私も近所とあって、日ごろからたいへんお世話になっている市民に愛されているスポットだ。

sumasui_03_ペンギンの散歩
名物のペンギンのお散歩は、いつもお客さんでいっぱい!
sumasui_04_アマゾン館のピラルク
アマゾン館のピラルクは迫力満点!

 

【ここは見逃すな!釣り人必見ポイント!】

釣り人でなくても目を奪われるのが、本館に入ってすぐ正面に現れる大水槽。横に広がる大水槽(幅25m、水量1,200トン)と高い天井に包まれた空間が素晴らしく、魚種が豊富な大水槽をのぞき込むと、ロウニンアジやクエ、サメ、エイといった大型の魚やアジの群れなどの身近な魚たちまで盛りだくさん! ずーっと水槽にへばりついて見飽きないその光景に、まだまだ始まったばかりの館内巡りが進まない(笑)。

sumasui_05_大水槽
入館してすぐ目に飛び込んでくるのは幅25mの大水槽

私がおススメする展示は、本館にあるマイワシの水槽とメバル・カサゴ・キジハタの水槽。
釣りのベイトとしてはカタクチイワシやウルメイワシが話に出てくることが多いが、同じニシン科に属するマイワシの美しい姿と、みな足並みそろえて同じ方向に泳いでいる姿(たまに逆走している魚もいるが…)は、キラキラと輝いて本当に美しい! 「イワシを捕食する魚もこんな気分で見ているのだろうか?」と想像してしまう。

sumasui_06_マイワシの水槽(今はアカヤガラ)
残念ながら、最近私が訪れたときにはマイワシの展示が終了していた…。代わりにアカヤガラが広い水槽を泳いでいたのだが、これはこれでオモシロイ。ヤガラはストロー状の細い口で器用に魚を捕まえるフィッシュイーター。果敢にルアーを追ってくる好ターゲットだ

そして、メバル・カサゴやキジハタの水槽では、メバルがそろって斜め上を向いて泳いでいる姿に、思わずルアーのトレースコースを妄想し、カサゴや大型のキジハタが岩場に身を寄せている光景にテンションが上がる。獰猛なアタックと強烈な引きごたえのあるキジハタは、われわれ釣り人が想像する通り、岩場の陰からエサを狙って目を光らせているのだろう…。

sumasui_07_メバル・カサゴ
sumasui_08_キジハタ
メバルやカサゴは上を向いていたり、何かに寄り添っていたりしている。そしてキジハタも同様だが、そのサイズ(50cmはある!?)と堂々としたいでたちに惚れ惚れするばかり

そしてもう一つテンションの上がるのが、「世界のさかな館」にいるアカメ。
釣り人が憧れる幻の魚といわれるアカメが、水槽の中を悠々と、そしてやや不気味に泳いでいる。いつかぜひ釣ってみたい魚を目の前に、家族のことをやや…忘れて、ガラスの前にへばりつく。

sumasui_09_アカメ

神戸市立須磨海浜水族園

住所:〒654-0049 兵庫県神戸市須磨区若宮町1丁目3-5
HP:http://sumasui.jp/