From HEAT the WEB DIRECTOR 釣りに行けない…でも大丈夫!
釣り人目線でおススメする!水族館6選
【後編】

イワシの群れ_text-photo岳原雅浩

城崎マリンワールド [兵庫県]

kinosaki_01_城崎マリンワールド 建物外観

日本海に面した当水族館のコンセプトは「水族館以上を目指す、見て、さわって、発見できる体験型水族館」だそうだ。

kinosaki_02_山陰ジオパーク海岸風景

1934年に開館し、山陰ジオパークの雄大な景色を目の前で堪能できる当館は、海獣たちによる10のライブショーが開催され、単に飼育されている生き物を観るだけではない、生き物のダイナミックさやユーモラスな表情を感じることができる。

kinosaki_03_ダイバー
kinosaki_04_ペンギンの散歩
kinosaki_05_チューブ
kinosaki_06_セイウチ
kinosaki_07_トドのダイビング
派手な水しぶきを上げるトドのダイビングは圧巻!!

個人的には「トドのダイビング」が圧巻で、見ごたえ十分。またペンギンのお散歩もイイ! シーランドスタジアムで開催されるイルカ・アシカのショーでは、オープンスペースを広々と演技するイルカと飼育員さんのコンビネーションが楽しいし、珍しく屋内(ドルフィンタンク)で開催される「イルカのライブステージ」ではイルカの生態を勉強できる。

kinosaki_08_イルカショー

2019年4月25日には、新しく“いのちの博物館「日和山海岸ミュージアム」”がOPENし、見どころが増えた旬な水族館だ。

 

【ここは見逃すな!釣り人必見ポイント!】

比較的お魚よりも海獣が多い当水族館の印象は、「水族館的アミューズメントパーク」ではないだろうか。「水族館以上を目指す!」を掲げられているだけあって、本当に訪れたお客さんを楽しませてくれる仕掛けがいっぱい!!

09-10_アジ釣り

なかでも、水族館でありながらアジ釣り体験ができるなんて素敵! 魚を観るだけではなく、実際に釣ってみようという、ひじょうに珍しい試みだ。お手軽にレンタル竿で釣りが体験でき、しかも釣り上げたアジは、釣り堀のすぐ隣に併設されている「アジバー」で食べることができる。釣り初心者や未経験者、小さな子どもたちでも釣りを楽しめ、新鮮な魚をいただけるアイデアが素晴らしい。

kinosaki_fishing1_ファミリーで賑わう釣り場
ファミリーで賑わう釣り場
kinosaki_ fishing2_受付でコツを教わる
受付でコツを教わる
kinosaki_fishing3_足元には食べごろサイズのアジがたくさん
足元には食べごろサイズのアジがたくさん
kinosaki_ fishing4_エサはオキアミをチョットハリにつける
エサはオキアミをチョットハリにつける
kinosaki_fishing5_あっという間に釣れる!
あっという間に釣れる!
kinosaki_ fishing6_釣った後はアジバーに
釣った後はアジバーに
kinosaki_fishing7_慣れた手つきで手早くさばいてくれる
慣れた手つきで手早くさばいてくれる
kinosaki_ fishing8_アツアツの油の中へ
アツアツの油の中へ
kinosaki_fishing9_外はサクサク、中フワフワの天ぷらのでき上り!
外はサクサク、中フワフワの天ぷらのでき上り!

※料金竿1本:650円(エサ付) 針糸が切れれば終了 /天ぷら加工料:1匹50円
詳しくはホームページをご覧ください。

城崎マリンワールド

住所:〒669-6192 兵庫県豊岡市瀬戸1090番地
HP:http://marineworld.hiyoriyama.co.jp/

京都大学 白浜水族館 [和歌山県]

shirahama_01_京都大学 白浜水族館 建物外観

1930年に水族館として一般向けに開設された、日本では3番目に古い水族館
「京都大学フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所」の附属施設として大学が運営する国内でも珍しい施設。白浜周辺に生息する無脊椎動物の種類と展示にこだわっている。

shirahama_02_イセエビ

大学付属施設であるため、一般の大手水族館のような派手さはないが、地元南紀の海岸生物が豊富で、釣り人にとっては対象魚をじっくりと、そして静かに観察できるのが嬉しい。また、観光名所・白浜のシンボル「円月島」のそばにあり、砂浜と海と綺麗な夕日を堪能できる好立地。円月島グラスボート乗り場もすぐなので、観光ついでにまるっと楽しめるおススメのスポットだ。

shirahama_03_円月島
白浜の観光名所「円月島」の夕日。角度によっては島のアーチ部分に夕日が重なり、珍しい情景を見ることができる。インスタ映えを狙うにはもってこいだ

 

【ここは見逃すな!釣り人必見ポイント!】

第1水槽室には、大型の回遊魚がいる。ギンガメアジ・ロウニンアジ・カスミアジといった、いわゆるGT(ジャイアント・トレバリー)と、シマアジ・カンパチといった回遊魚たち。比較的いろいろな水族館で見かけるお魚たちだが、ここ南紀でこれらパワフルな魚が「獲れる=釣れる」と思うと、「帰りに竿振っていこうかなぁ」なんて思いが頭をよぎる。また、マアジやマルアジ、イサキが群れをなす水槽も意外に見応えあり。「帰りにアジングでもいいなぁ」と先ほど同様、よこしまな思いに駆られる…。何より、ゆっくりと心行くまで眺められるのが、おススメのポイント。

shirahama_04_ギンガメ・ロウニンアジ
shirahama_05_アジ
水槽内にはGTやアジ・イサキが所狭しと泳いでいる

そして、意外におススメなのが第2水槽室にある「海の小さな動物たち」と銘打った水槽。釣り人にとっては本当に身近な存在のササノハベラやアイゴ、クサフグ、ボラ、カゴカキダイなどが泳ぐ水槽がある。普段「外道」などと呼ばれさげすまれている…やや可哀想なお魚たちだが、波打つ水槽の中で悠々と泳いでおり、エサの(恐らく)アミエビを投入されれば、あっという間にエサをたいらげ元気そのもの。「サビキ釣りのときはこんな感じなのか~」という感想とともに、水槽前のベンチでのんびり眺めていると、なんだかとっても愛着がわいてくる可愛いゲストなのだ。

shirahama_06_第2水槽
shirahama_07_エサを食べるアイゴ
shirahama_08_エサを食べるササノハベラ

さらにおススメは、海の中の環境別に魚を展示したコーナー。黒潮が育む豊かな岩礁をテーマにした水槽では桜色をしたネンブツダイが泳ぎ、汽水域や内湾をテーマにした水槽ではヘダイやキチヌ、各種フエダイやハマフエフキ、シマイサキを眺めることができる。そして、砂底をテーマにした水槽ではマダイやセミホウボウ、深みをテーマにした水槽ではマハタなど。環境によって生息する魚が異なることを実際に目にすると、知ってはいながら改めて勉強になり、釣りのことが頭から離れなくなる(笑)。

shirahama_09_ネンブツダイ
「岩礁」のネンブツダイ
shirahama_10_マハタ
「深み」のマハタ
shirahama_11_ヘダイやキチヌ
「汽水域や内湾」のキチヌやシマイサキ、ヒメフエダイ
shirahama_12_マダイとセミホウボウ
「砂底」のマダイとセミホウボウ

京都大学 白浜水族館

住所:〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町459
HP:http://www.seto.kyoto-u.ac.jp/aquarium/

 

いかがだろうか? 各水族館の魅力はまだまだ到底語りつくせないが、釣りに行けないときでも楽しめる憩いの施設としての水族館。
もちろん、イルカやアシカ他、海獣のショーなど、エンタメ要素は盛りだくさんだし、単純に家族サービスとしても楽しめるのはいうまでもない。天気・季節に左右されない、全天候型施設として重宝するうえ、家族サービスついでに釣り欲をチョットでも満たすことができれば、釣りに行けなくても少しは救われるかも!? たまには竿の代わりに子どもの手を握って、出かけてみてはどうだろうか?

04_ゴマアザラシの水面の姿
05_マンボウを観察する子ども

ちなみにわが家は、よくよく水族館に出かけるが、私がもっとゆっくりお魚を観たいにもかかわらず、息子くんが待ってはくれない。大好きなサメとマンボウ目指して、ほぼ素通りで駆け抜けていこうとする…。そしてひとしきり歩き回った挙句「抱っこ~」の嵐。ん~早く他のお魚さんにも興味を持ってもらわねば…。

 

※本文は個人の見解によるものです。ご了承下さい。