快適「夜釣り」の陸っぱり基礎知識 Enjoy Night Game No.5 夜釣りの必須アイテム
ケミカルライトは使いよう

陸上から夜釣りを快適かつ安全に楽しむために、前回は自分自身に迫る危険リスクを可能な限り回避する方法を紹介したが、今回からは、いよいよ実釣に役立つノウハウを断片的に紹介していこう。
まずは夜釣りに欠かせないアイテムであるケミカルライトの使用法。そのほとんどは集魚目的であったり仕掛の位置を把握するための目印的な使い方がメインだが、工夫次第では意外に役立つことが多い。そう「ケミカルライトは使いよう!」なのである。

1.集魚や仕掛位置の把握用として
一般的な使い方

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いろいろなサイズがあるケミカルライト。仕掛に取り付けて対象魚にアピールしたり、自分の仕掛位置の把握にも役立つ

「ケミホタル」「サイリューム」などという商標で知られるケミカルライトは化学発光による照明器具のことである。本体をポキッと折ることで内部で隔離された2種の液体が混合、化学反応を起こして発光を始めるのはご存じのとおり。ここでは詳しい化学式、化学反応については割愛するが、釣りの世界で幅広く用いられているのは間違いない。

使用法としては仕掛の一部に取り付けて対象魚にエサやルアーの位置をアピールしたり。さらに暗い海中で自分の仕掛位置を把握するための目印にもなる。

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タチウオ用のワームにケミカルライトを挿入。ワームをぼんやり光らせることでタチウオにアピールしバイトチャンスを広げる
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ケミカルライト装着可能なバイブレーションプラグ。ルアーの振動と光の相乗効果でアピール力抜群

さらにはウキにセットしたりサオ先に取り付けるなどして、暗がりで魚からのアタリを視覚的に釣り人に伝えるための目印的な使い方もポピュラーだ。

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ケミカルライトがセットできるウキもある。電気ウキがなくてもケミカルライトを差し込むだけで夜釣り用のウキに早変わり
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投げ釣りやブッ込み釣りなどサオ先でアタリを取る釣りではサオ先にケミカルライトをセットすることで夜間でも視覚的にアタリを察知できる

2.簡易的な照明器具として
釣りの能率化や安全対策も兼ねる

ここまでは釣り用ケミカルライトの一般的な使い方だが大型で明るいものを選べば照明器具として使用することもできる。たとえばエサを交換する際、そのたびにヘッドライトなどを点灯するのは面倒でもあるし、対象魚によっては警戒心を与えてしまう可能性もある。そこでエサ箱に光らせたケミカルライトを入れておく。わずかな光でも慣れればエサの選別、ハリへのセットも可能だ。

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たとえば磯の夜釣りのバッカンに、やや大きめのケミカルライトを1個。サシエの選別、ハリへのセットだけでなくバッカン位置の目印にもなる

またケミカルライトは夜釣りの安全対策としても利用価値が高い。磯、防波堤に限らず穴や大きな隙間、スリット、滑りやすい場所など危険な場所がないとも限らない。日中は目視できても夜間は肉眼で確認しにくいものだし、本命魚のヒットで興奮し、ついつい危険な場所に立ってしまったり……。そんなときにケミカルライトを活用しよう。明るいうちに大きめのケミカルライトを危険な場所に目印として配置しておくのだ。

磯など窪みがあれば、そのまま置いても構わないが防波堤など平らな場所だと、風で飛ばされたり他の釣り人に蹴られて位置がズレてしまったり……。そこでアイデア。水を一杯入れたペットボトルに大型ケミカルライトを入れてしっかりフタを閉めておく。ケミカルライト単体で配置するより安定感は格段にアップするのだ。

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水を一杯入れたペットボトルに大型ケミカルライト。釣り場の目印として安定感抜群

またペットボトル+ケミカルライトは簡易的なランタンとしても使用できる。雰囲気も悪くないので、夜釣りのお供としてぜひお試しあれ。

3.ささやかながら……
SDGsにも貢献しよう

さて、ケミカルライトの利用法を紹介したが、いずれにしても使用後は釣り場に放置せず必ず回収、持ち帰って処分してほしい。またケミカルライトを発光させ、わずかな時間しか使用しなかった場合は、冷凍保存することで化学反応がストップし、冷凍庫から出せば再び発光し再利用が可能になるのを覚えておこう。

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前夜、短時間だけ使用してから冷凍保存。翌日夕方に冷凍庫から出したら再び発光し始めた