快適「夜釣り」の陸っぱり基礎知識 Enjoy Night Game No.4 夜釣りは危険と隣り合わせ!
安全第一を心がけよう

陸上から夜釣りを快適かつ安全に楽しむために、前回はルールとマナーについて紹介したが、今回は自分自身に迫る危険リスクを可能な限り回避する方法。明るいうちの現場確認、荷物の整理整頓、釣り上げた魚の処理、安全装備の徹底など、日中以上に気を配ってほしい。

1.現場確認
釣り場へは明るいうちに!

このコーナーの第2回でも紹介したように夜釣りにライトが必需品なのは言うまでもないが、いくら強力なライトで照らしても、やはり日中より視界が暗く狭くなるものだ。そこで初めての釣り場に出かける際は、明るい時間帯に現場入りすることをおすすめする。

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現場へは明るいうちに入り足場やポイントの確認を。それが安全安心かつ釣果アップにつながる

釣り場へアクセスする道中に危険な場所がないか確認できるし、ポイント周辺の足場の安全確認も暗くなってからでは心許ない。また何より明るいうちに海中のようす(障害物の有無、起伏や水深の状態など)や潮の流れ方をチェックすることで竿を出す方向の目安になり、根掛かりのリスクも低減できるはず。結果、釣果アップにつながるのは間違いない。

2.荷物は整理整頓
すぐに撤収できるように!

釣り場では荷物は散らかさないこと。整理整頓が大切だ。夜釣りに限ったことではないが、自然相手の釣りでは突然の波風や雨など天候の急変で撤収を余儀なくされることがある。

こんなときに荷物を派手に店開きしていると片付けに時間がかかってしまい、すぐ帰路に付くことが困難になる。とくに渡船を利用しているときなどモタモタしていると他のお客さんに迷惑をかけてしまう。とにかく釣りをしている最中は竿さえしまえば、いつでもすぐに撤収できるようにしておくことが大切だ。

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穏やかな夜でも突然の風雨に見舞われることもある。すぐ撤収できるよう荷物は常時、整理整頓を!

また撤収するまでもない場合でも、荷物を整理整頓しておくことで突然の風で荷物やエサを飛ばされ失うことも少なくなる。磯などでは荷物をできるだけ海面から高い位置に置いておくこと。磯では予想外の大波がきて荷物を流されてしまうことがよくあり、海面の上下動が見えにくい夜釣りではなおさらだ。

3.釣り上げた魚の処理
むやみに素手でつかまないこと!

釣り上げた魚の正体がはっきりしない場合は、をむやみに素手でつかまないこと。小アジやイワシ、キスなど素手で触れても大丈夫な魚も多いが、夜間はゴンズイ、ハオコゼなど棘に毒がある魚も多い。夜釣りの人気魚種であるタチウオは牙が鋭いし、シーバスなどエラブタが鋭い魚もいる。また夜の投げ釣りやブッ込み釣りなどでよくハリに掛かるウミケムシなども刺されると大変。とにかく素手での魚とのコンタクトは大怪我のもと。釣り上げた魚はよく確認し、いずれにしてもタオルフィッシュグリップを利用するのが得策だ。

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安全な魚と確信が持てるまでは釣った魚を素手で触らないほうがよい
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タチウオの牙、ルアーフックと危険がいっぱい! フィッシュグリップを活用。できれば手袋も。フックを外す際はプライヤーなどで

ハリやルアーフックを外す際もプライヤーなど利用のこと。また釣り上げた毒魚を陸上に放置しないこと。魚は死んでもヒレには毒があるまま。他の釣り人が知らずに触ったり踏んだりして怪我をすることがあるので要注意。毒魚を釣り上げたら素手では処理せず、自身の安全を確保しつつ、ちゃんと海に帰してやろう。


知っていれば安心!釣魚豆知識 危険な魚を釣ったときの対処法

危険な魚を釣ったときの対処法


4.安全装備
ライフジャケット必着。夜間も帽子、手袋を忘れずに!

いうまでもなくライフジャケットは必着。正しくきっちり装着し、夏場に暑いからと現場で脱ぐのもだめ。常時、着用が原則だ。

日差しがない夜間でもキャップハットなど帽子は着用しよう。自身や周囲の釣り人のハリ、オモリ、ルアーなどが飛んできたときに頭部を守ってくれる。ヘルメットまでとはいわないが、帽子をかぶっているだけで怪我も軽くすむことが多い。

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釣り場ではライフジャケット必着。危険を回避するうえで帽子、手袋も必ず着用のこと、磯では当然、磯靴も必須だ

また夏場でも手袋フィッシンググローブを着用しよう。フィッシュグリップやタオルで魚を処理する際、安全に気を配っていても暴れる魚のヒレや歯が指先や手に触れるリスクはゼロではない。そんな場合に手袋を着用していればなお安心だ。

また足場が確認しづらい夜間は転倒のリスクも高く、思わず地面に手をついて怪我をすることも。そんなときも手袋をしていれば怪我も軽くてすむはずだ。

 

とにかく「夜釣りは危険と隣り合わせ」と肝に命じ、日中以上に安全に気を配って釣りを楽しんでほしい。