こんにちは!2020年もお世話になりました。「さかなのおにいさん」かわちゃんこと川田一輝です。
西日本では「年取り魚」としていって、年越しそばと同じように大晦日にブリを食べる習慣がありました(東日本はサケです)。立身出世を願う気持ちを込めて出世魚のブリを食べる。ぼくも出世したい! でもそもそも出世魚とは何でしょう?
出世魚とは、サイズ(長さや重さ)によって名前が変わる魚です。「ぶり はまち、元はいなだの出世魚」という川柳もあります。
今回はそんな出世魚のブリ、いったいどんな風に名前が変わるのか説明しましょう!
1分でわかる
はい、僕の大好きなマンガ「課長島耕作(弘兼憲史 作・講談社 出版:1983-1992年)」でサラリーマン風に例えていきたいと思います。
まずは、幼魚=社会人デビューから!
就活生
藻についてる雑魚(小ざかな)でモジャコ。
模様も藻に紛れる横縞がありますね、新品スーツが着なれない就活生のよう! このときに網で掬(すく)ったものを養殖ブリとして育てていきます。
少し大きくなって新入社員のツバス。
同期の飲み会とかよくやってる時期、ツバスくんたちもたくさんの群れで生活しています。
かわちゃんが関西出身なのでツバスと呼んでますが、呼び方も全国さまざまあります。さらにはサイズの定義もいろいろあるので、あくまで一例として捉えてくださいね。
続いてどんどん出世していきます!
課長
責任がでてきました課長はハマチです。ハマチも出荷サイズの一つ、味に責任が出てくる……といったら無理矢理でしょうか。
ちなみに「ハマチ=養殖ブリ」をさすこともあります。
さらに出世して部長、メジロ。
貫禄が出てきますね、釣りでも釣れたら嬉しいサイズ! 目の周りが白く見えるから「メジロ」といわれたなんていう説もあります。
そして出世コース、最後まで泳ぎ切ったゴールは……!?
社長
社長! ブリでございます!
脂が乗っているため「アブラ→ブラ→ブリ」ともいわれるほど、美味しいおさかな。とくに今時期のブリは甘みを感じる脂が最高で、師走に美味しい「魚+師=鰤」漢字の由来にもなってるそうです。(どちらも一説です)
各地でいろんな呼び方があると思うので、ぜひ調べてみてください!
僕かわちゃんも2021年はたくさん魚のことを勉強し、釣りを楽しんで、出世街道を爆泳していきたいと思います。
2021年もどうぞお付き合いよろしくお願いいたします。ではまたねー!
レポーターREPORTER
1990年大阪生まれ。さかなたちの“おかしな”生態を書籍やメディアで伝えることで、子どもの好奇心を育てる活動をしている。テレビ東京「シナぷしゅ」や釣り番組・情報番組に出演中。
著書に「ツッコミたくなる おさかな図鑑(ワニブックス)」「全国クセすご水族館図鑑(中央公論新社)」など。SNSの総フォロワー数70,000人以上
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