長年釣りをしていると当たり前のことでも、釣りを始めて間もない人にとっては「目から鱗!」「そうだったのか!」という、ちょっとしたノウハウをお届けするのがこのコーナー。釣果に直接かかわることではないけれど、アナタの釣りが快適になるかもしれない!? ほんのちょっとの工夫とアイデア。
前回からは釣り上げた魚を美味しくいただくための締め方から持ち帰り方まであの手この手。第2回は数釣り勝負のタチウオを手早くかんたんに締める方法。
早く釣りたい気持ちは分かるけど……
「エラの付け根を切るだけ」を習慣にしよう
秋である。待ちに待ったタチウオシーズン本番だ。大阪湾周辺では船のテンヤ釣りしかり、陸っぱりのルアー、引き釣り、ウキ釣りとタチウオファン待望の秋である。
料理がカンタン、食べて美味しいのがタチウオ人気の理由のひとつだが、効率よい手返しで数を釣るのがタチウオ釣りの実に面白いところでもあり、船釣りはもちろん、とくに陸っぱりでは朝夕の短い時合いに、いかに数を稼ぐかにアングラーは熱くなる。
それだけに、おろそかになりがちなのが釣り上げたタチウオの処置だ。船釣りの場合は足下にイケスがあることがほとんどでフックを外して生きたまま放り込むだけの人が多いが、できれば締めてからのほうがベター。陸っぱりだと釣り上げたタチウオを防波堤の上に何尾も放置しっぱなし……という光景もよく目にする。
いずれにしても「どんどん次の魚を釣りたい」という意識の表れに違いないのだが、魚の鮮度を保持し、美味しく食べてやるためにも「釣り上げたらすぐに締める」ことを習慣にしたいものだ。
そこでかんたんに締める方法! タチウオならではの賢い方法がある。道具はなくてもよいがキッチンバサミがあればベター。タチウオのエラの付け根を指で引きちぎる、もしくはキッチンバサミでチョキン! と切断するだけ。
この後、いわゆる「サバ折り」状態にしてから船なら足下のイケスへ、陸っぱりならクーラー(念を入れるなら海水を張ったバッカンなど)に放り込めば血が抜けるので、たったそれだけで美味しいタチウオがいただける。ご存じのようにタチウオの歯はカミソリのように鋭いので、処置をする際はフィッシュグリップやタオルなどを利用し安全第一で!
塩焼きや唐揚げにするなら
釣り場でブツ切りにしてしまおう!
なかには「自宅で魚をさばくのイヤ!」という人もいると思う。そんな人にオススメなのが釣り上げたタチウオを現場でかんたんにブツ切りにしてしまう方法。
キチンバサミでエラごと頭を落とし、ボディーも適当な長さにカット。このときに内臓もかんたんに抜ける。これをチャック付き袋に入れて持ち帰れば、自宅では焼いたり揚げたりするだけ!
船釣りのように何十尾もの釣果では大変な作業だが、短時間の陸っぱりの釣りで数尾の釣果だけ持ち帰るなら大した手間もいらず実にカンタンだ。