知っていれば快適!フィールド豆知識 No.13 刃物の切れ味カムバック
【第2回 出刃包丁を研ごう!】

長年釣りをしていると当たり前のことでも、釣りを始めて間もない人にとっては「目から鱗!」「そうだったのか!」という、ちょっとしたノウハウをお届けするのがこのコーナー。釣果に直接かかわることではないけれど、アナタの釣りが快適になるかもしれない!? ほんのちょっとの工夫とアイデア。
今回は刃物の研ぎ方、第2弾! きっちり締めて持ち帰った魚を、よりいっそう美味しくいただくべく切れ味鋭い包丁で手際よくバッチリ料理したい。そこで購入時のようには切れなくなった、ご家庭の出刃包丁刺身包丁を素人なりにカンタンに研ぐ方法。

西洋ナイフと和包丁の違い
両刃か片刃かで研ぎ方が変わる

出刃包丁を長く使っていると切れ味が悪くなるのは当然。あまりにも刃こぼれがひどい場合は専門の研ぎ業者にお願いするしかないが、少々の刃こぼれや切れ味の劣化は、ご家庭でかんたんに修復することができる。

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使い古した小出刃。刃の切れ味劣化、普段あまり使わないので全体にサビが浮いている

使用する砥石はできれば粗砥、中砥、仕上砥と目の粗さで3タイプあればベストだが、大きな刃こぼれがない場合は粗砥はなくても大丈夫。目の粗い砥石から目の細かい砥石の順に研ぐのはご存じのとおり。中砥、仕上砥の順で包丁を研ごう。

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ご家庭なら中砥、仕上砥の2種あれば大丈夫

フィッシングナイフなど西洋刃物と、出刃包丁など和包丁の大きな違いは、洋ナイフが両刃であるのに対し和包丁は片刃である点。刃の片面のみ角度が付いており、反対の面がフラットなのが片刃。これが和包丁の特徴である。また角度が付いている面に幅があるのも和包丁の特徴で、この傾斜部分をぴたりと砥石に押し当てて研げるので、両刃の角度を自らキープしなくてはいけない西洋ナイフにくらべ比較的かんたんに研げる。準備段階として砥石はしばらく水に(泡が出なくなるまで)漬けておくのをお忘れなく。

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片刃の和包丁は刃の角度が付いている幅が長いのでピタリと砥石に当てやすい

砥石に対し45度に構え押すときに力を入れる
バリ取りも忘れずに!

砥石に対し包丁の角度は45度。刃の傾斜部分を砥石にピタッと当て、上から押さえつけるようにしながら刃を前方に押すときに力を入れる。「力を入れて押し力を抜いて引く」という動作を連続させる。包丁のサイズにもよるが、一度に刃全体を研ぐのは慣れないと難しいので刃先部分、中ほど、根元へと順番に研ぐ位置を変えながら作業を進めよう

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包丁は砥石に対し45度
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まずは目の粗い砥石で。ご家庭では中砥、仕上砥の順でよい

和包丁は片刃なので研ぐのは片側だけだが、研ぐほどにフラット面にバリ(カエリとも呼ばれる)が出るので、フラット面にも砥石に当て軽く擦りバリを取り除くこと。指を当て引っ掛かりがなければOK。専門的には中砥、仕上砥で砥石の使い方、研ぎ方に違いがあるようだが、ご家庭でかんたんに研ぐ場合は、ともに一連の作業は同じでよい。

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片刃を研ぐとフラット面に出るバリは軽く擦って除去する

さて「うまく研げているか?」「ちゃんと刃が付いてか?」の確認は刃を爪に当て左右に動かしてみる。これで刃が滑らなければOKだ。また写真のように包丁全体にサビが浮いている場合は研磨用の耐水ペーパーで磨く。念を入れるなら研磨剤を使用し磨いてもよい。

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爪に刃を当て左右に動かして滑らなければOK
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サビや汚れなどは耐水ペーパーで磨いてピカピカにしよう
09_完成

 

さあピッカピカの包丁で、釣り人の特権である釣りたて新鮮な魚をバッリチさばいて美味しくいただこう! よく切れる包丁を使うと、それだけで料理が上手くなった気がするものだ。