トラベルハウスで旅をする、
泊まるよりも「暮らす」釣りキャンのすすめ

トラベルハウス・釣りキャンプ_text-photo_ショータ・ジェンキンス

HEAT読者の方の中にも、釣りだけでなくアウトドア全般、外遊びが好きという方は多いはず。釣りもアウトドアアクティビティの一つですし、かんたんなBBQから本格的なキャンプまでアウトドアの楽しみ方は十人十色です。
今回はこれからもっと盛り上がっていくに違いない「釣り×キャンプ」のスタイルにぴったりの、面白い「家」を紹介したいと思います。

その名もTravel House、旅する家

去年の初冬、友人から面白い話がありました。

友人: 「ショータさんの家に家置かせてもらえますか?」
私: 「…はい?」(ドラマ“相棒”風)

よく分からないけど面白そうなニオイがしたので話を聞いてみると、トラベルハウスという軽トラをベースにしたライトなキャンピングカーのことらしく、少しの間うちに車を置かせてほしいのと、ついでにキャンプに行ってみませんか? と。実は物凄くタイムリーにある場所への釣りキャン(釣り×キャンプ)を考えていたのと、田舎暮らしなので軽トラの1台ぐらいいくらでも停めてもらってOKなので断る理由もなく、むしろその友人も巻き込んで旅をすることに。

友人: 「着いても雪すごくて釣りにならないかもだけど、いい?」
私: 「最高じゃないですか! そうしたら焚き火でもして帰ってきましょう」

周りはこんな人たちばかりなのでトントン拍子に話はすすみ、ろくに釣りの下調べもしないまま「旅する家」に乗りこんだのでした。さすがムッタ。それもそのはず、この恐ろしくフットワークの軽い友人は一緒にモンゴルを旅した友人でもあるのです。

1_ モンゴルでのゲル内部・思い出
ムッタ・左、ジェンキンス・右。モンゴルでも、実は十和田湖でも『兄弟か?』と聞かれた…

モンゴルでの釣り旅の記事はコチラ

ねらうは「冬ザクラ」、目指せ雪の十和田湖

僕が考えていた釣りキャンとは、キャンプをしながら真冬の十和田湖サクラマスを釣り、幸運にも魚が釣れでもしたら美味しくいただこう! という企画。秋田県と青森県にまたがる、十和田山の噴火によってできた巨大なカルデラ湖で、ヒメマス釣りを楽しまれる人なら一度はその名前を聞いたことがあるのでは?

2_ ヒメマス
ヒメマスとは、紅鮭が海にくだらずに湖で一生を終える「陸封型」を意味する名前

秋のヒメマスのシーズンが終わると、12月1日から2月いっぱい、今度はサクラマスのシーズンが始まります。禁漁のない北海道の湖や管理釣り場などを除いて日本で一番早い「桜」を拝むことができるわけです。しかしながらそんな理由は口実にしか過ぎず、友人と遠くに旅ができるだけでそれはそれは楽しいもの。トンネルを抜ける度に、季節が変わるかのごとく景色は色を変え、雪景色にたどり着いたときには2人とも運転の疲れも忘れ、喜びの声をあげるのでした。

3_ 雪道をトラベルハウスでひた走る
風が強いときは注意して運転が必要ですが、軽量化に工夫をしているトラベルハウスはロングドライブも大きなストレスはなく十和田湖へ到着。軽自動車はスタッドレスタイヤもリーズナブルなのでランニングコストの面も安心かもしれないですね

十和田湖

住所:〒018-5501 青森県十和田市大字奥瀬十和田湖畔休屋486 (㈳十和田湖国立公園協会)
HP:http://towadako.or.jp/

快適な旅の「暮らし」

内装は友人が自ら廃材を使ったパネリング仕様になっていて、まるで山小屋のような雰囲気。板を“わたす”ことでベッドを作ったり、仕事をしたいときや車内で食事をしたいときは専用に設計したテーブルを広げ、収納兼ベンチを使ったカフェ仕様にすることも可能。要はキッチンやお風呂、トイレのないミニキャンピングカーなのです。よっぽどの奥地へ行かなければお風呂は温泉や銭湯などに行き、トイレは道の駅やコンビニで済ませることができるので、現代のニーズに合ったサイズ感だと思いました。

4_ 濡れたウェアをドアにかけて干す
濡れたウェアやブーツはベッドの下のスペースに収納できて快適
5_ 寝袋にくるまれば快適
泊まることを含む外遊びのために必要不可欠なのは、信頼できる寝袋です。宿の宿泊費数日分の節約で買えると思えば…?

寝るときはフルフラットなベッド仕様にして快適な睡眠をとることができます。壁には発泡素材が使われ断熱性が高いです。とはいえ、夜はマイナス5度以下になる寒冷地なので下に敷くマットや寝袋は必須です。コンセントを挿すプラグもあるので電気ストーブも使用可能ですが、外遊び好きのわれわれは分厚い寝袋に包まって山小屋感を楽しみました。