タイラバで世界に挑む!
短期決戦ヨーロッパ3か国トレイル

タイラバ最果ての地にふたたび

旅の最後はフランスを後にしスペインへ。マドリッドから飛行機で2時間のアルメリアという街に到着です。

2015年にこの地を初めて訪れ、タイラバで連発!! ローカル釣法をしのぐ釣れ方をしたことが話題となり、この地はスペインタイラバのメッカになったといいます。当時「オマエはエルグランデマエストロだ!」というたいそうな称号までいただいき「いずれ海に向かってタイラバを持つワタシの銅像立ててください!」なんて冗談を言いながら帰ってきたことを思い出します(笑)。
そんなスペインの海ですが対岸のアフリカ・モロッコからの風が吹き…ちょっと先にはジブラルタル海峡。タイラバフィールドとしては“最果ての地”。ここに再びチャレンジできることで本当に気持ちが高ぶりました。ここに焦点を絞っていたことは言うまでもありません。

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最果ての地スペインで再びチャレンジ!
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美しいアルメリアの街並みを眺めながら出船です

地元代理店のプレジャーボートに乗せていただきスタート。1日だけのトライでしたが「この日しかない!」と言える最高の天気に恵まれました。

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ポイントに到着すると朝イチから魚探の反応が騒がしい。いきなりTGヘッド60gで連発。1投目からチャリコの入れ食い状態です。アベレージサイズも小さかったようで、タングステン素材特有のスモールシルエットが効きました。しかし、「釣れているときほどミスは少なく取り込みたい」、そんな意識で大切に釣りあげていくもののサイズは上がらず。ここまで入れ食いになるシチュエーションも国内フィールドではなかなか体験できないので、集中して釣りまくるしかありません。ひたすら釣りあげてリリースして…そこから見えてくることもあります。

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今回の釣行では、「スペインのビッグワンを仕留める!」というテーマを心の中に持っていて、「数釣って良型サイズを混ぜるのか?」「一撃ビッグワンを狙う戦略に寄せるのか?」、自問自答の繰り返しに苦しめられました。結局、1時間ほどで「これ以上釣っても」と決断! 移動をリクエストしたのでした。

しかし、セカンドスポットに移動したときには潮の動きがないことに気付き…タイラバまったりタイムに。いろいろなカラーやネクタイタイプに変更しチャレンジするも、たまに釣れるのは小さなグルーパーやチャリコサイズのみ…。これだけ考えてもダメなときはダメ。これに気付くことも大切でしょう。
そこで流れを変えようとランチタイムに。ジャムという薄いハムをパンに挟んで食べるこちらの船上ランチを楽しみました。

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ダメなときはダメ…。船上でのランチタイムを楽しみ、気持ちを切り替えます

 

ランチ終え再び移動すると、先ほどの潮とは違う躍動感を感じました。「潮が動いたから集中しよう!」と仲間に伝えたその矢先…、「ドンっ!」と仲間のジグに凄まじいビッグバイト! グルーパーじゃね? とも思えるような重々しくロッドを満月状に曲げるファイトが続きました。海外でのビッグファイトは何が来るのかわからずワクワクします。数分のファイトの末、上がってきたのはグッドフィッシュ! マダイのような風貌ですが顔は鎧を被っているような美しくカッコいい魚でした(※名前がわからず…)。

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マダイのような風貌ですが、顔が少しイカツイ(?) グッドフィッシュ!

時合の到来…ヨミは間違っていないとさらに集中。私はタイラバヘッドをTGヘッド60gからアピール重視の潮斬鯛玉80gにチェンジ。フォールの揺らめきと、ややダートするアクションで魚にアピールすることを狙いました。すると交換しての1投目。「ドスン!」と強烈なバイトが!! やはり“食うべきタイミング“で食ってきました。そのタイミングで私のタイラバに反応してくれたことに興奮しました。ヨミを的中させるのがこの釣りの最高に面白いところ。そして本当にビビるぐらいの重々しいファーストラン、セカンドランと続き…、「さあこっちに来た!」というタイミングでなぜかテンションを失い私はデッキに転がりました。痛恨のフックオフ…(泣)。
「安全圏(ある程度ファイトしてバレないゾーン)に入った!」と一瞬でも思った私の心の隙を見透かされたかのようなタイミングでした…。本当に残念、一生の思い出に残るミステイク。あれだけの入れ食いでも、よいサイズらしきアタリはこの1回のみだったため、ホント…難しかったなかでのワンチャンス……。悔しすぎますね。
ただ、あのタイミングで”タイラバをチェンジしビッグワンを食わせる準備ができていた“ことだけは確かで、そこだけが唯一自分への慰めでした。

そしてこの記憶に残る敗北(!?) を最後に、ギリシャ・フランス・スペインのタイラバの旅はあっという間に終わったのでした。

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朝からチャリコを多数釣り上げたスペインでのメインタックル
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ヨミを的中させた潮斬鯛玉の80g。しかしまさかのフックオフ…悔しすぎました

 

ヨーロッパトレイルを通じて、代理店さんや現地のフィールドスタッフにタイラバの楽しさと奥深さについて、身をもって伝えてきました。「ただ巻くわけではない…」、シンプルな動作のなかで考え仕掛けるゲームであること。タイだけでなくさまざまな魚が国を超えて釣れてくれること。そして、誰にでも優しい釣りです。
タイラバの可能性は世界にどんどん広がっていくでしょう。

 


ギア紹介

タイゲームTZ スパイラルリミテッド C71L(テイルウォーク)
タイゲームTZ スパイラルリミテッド C71L(テイルウォーク)
スパイラルガイドを搭載したフルソリッドの細身ブランクが“さらなる表現力”を生み出す。筆者が溺愛するバーサタイル性能を発揮。タフコンデションやアベレージサイズの小さなフィールドだけでなく大型の可能性もあるフィールドで活躍する一本。
価格:43,000円(税抜き)
エランSW VTN73R(テイルウォーク)
エランSW VTN73R(テイルウォーク)
コンパクトボディに110mmカーボンダブルハンドルを標準装備。タイラバ・ライトゲームで一番使用したい設定域を細かく調整できるドラグ設計。本体自重225g、1回転70cm巻き上げで水深、巻きスピードともに全国のフィールドに対応するスペック。
価格:21,000円(税抜き)

 

レポーターREPORTER

中村 宗彦
プロフィール:中村 宗彦
ルアーブランド・テイルウォークのタックルをプロデュースしロッドやリールなど世に送り出す。開発・販促・生産・営業・タックルテスト…etc に携わるかたわら、国内外を飛び回り、隙を見ては釣りをすることが日常となっている。好きな釣りはタイラバとバスフィッシング。タイラバでは駿河湾をホームフィールドとし、プレジャーボートで魚を探すことを一番の楽しみにしている。かつてはJBバスプロトーナメントでの優勝経験を持ち、現在でも芦ノ湖(神奈川県)で開催されるNBCトーナメントに参戦。2019年は年間チャンピオンを獲得するほどの腕の持ち主。静岡県在住。
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フェイスブック:中村 宗彦
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ブログ:テイルウォーク開発日記